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更新日:2021年9月14日

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DBJ設備投資計画調査からみた富山県経済の状況(特別アンケート)企業行動に関する意識調査

株式会社日本政策投資銀行

富山事務所長

山本覚

富山事務所副調査役

吉田志穂

1.DBJ設備投資計画調査について

株式会社日本政策投資銀行(DBJ)は、わが国民間企業の設備投資動向を把握することを目的として、毎年6月、資本金1億円以上の民間企業(金融保険業などを除く)を対象に、設備投資額の実績、計画に関するアンケート調査を定期的に実施している。

本調査における設備投資額は、自社の有形固定資産に対する国内投資額であり、原則として建設仮勘定を含む有形固定資産の新規計上額(工事ベース)である。業種別では、原則として主業基準分類(企業の主たる事業に基づき分類)で集計している。なお、分析に際しては、地域特性をより明らかにすべく、投資額の大きい電力を除いて行った。

また本調査は、本社所在地を問わず投資地点で集計している「属地主義」に特徴がある。すなわち、本調査における富山県の設備投資額とは、富山県に本社がある企業(県内企業)と富山県以外に本社がある企業(県外企業)を問わず、富山県へ投資があると回答のあった金額の合計値である。

今回調査(2021年6月実施)は、2020年度実績および2021年度計画などについて、全国5,692社から回答をいただいた(回答率60.0%)。うち本社所在地が富山県の企業は119社、富山県へ投資があると回答のあった企業は215社であった。

以下では、全国と北陸地域(富山県、石川県、福井県)、富山県の順で調査結果を整理し、設備投資動向からみた富山県経済の状況について述べることとしたい。

2.全国と北陸地域の設備投資動向

(1)全国の2021年度計画

全産業(除く電力)は、全国は増加(11.6%増)に転じる。地域別では、全国10地域のうち北陸(14.5%増)を含む9地域が増加となり、1地域が減少となる。

製造業は、増加(16.9%増)に転じる。全国10地域のうち北陸(18.7%増)を含む9地域が増加となり、1地域が減少となる。

非製造業(除く電力)は、増加(8.5%増)に転じる。全国10地域のうち北陸(3.1%増)を含む9地域が増加となり、1地域が減少となる。

 

ただし、計画の見直しや精査、工期の遅れなどがあるため、上記計画の中には当初計画通り実施されないプロジェクトがあり、計画値は実績に向けて下方修正される「くせ」があることに留意いただきたい。

また、新型コロナにかかるワクチン接種率の向上とともに、景気の持ち直しが続くとみられているものの、感染力の強い変異株のまん延などで、ワクチン接種後も感染への警戒が続く状況が長期化した場合、小売や宿泊などの業種で、計画の下方修正に繋がる可能性がある。加えて、感染は海外でも再拡大しており、海外経済の回復による輸出の増加に支えられて急回復した製造業の生産活動が弱含むと、製造業でも計画が下方修正されるリスクがある。

(2)北陸地域の2021年度計画

全産業(除く電力)は、前年度比14.5%増と3年ぶりの増加となる。

製造業は、18.7%増と3年ぶりの増加となる。業種別では、自動車向け工場投資が一巡する「輸送用機械」(77.8%減)などが減少するものの、電子部品や半導体関連投資がある「電気機械」(41.5%増)、生産設備の増強投資がある「その他製造業」(48.8%増)、自動車向け部品等の投資がある「金属製品」(66.0%増)及び「非鉄金属」(36.4%増)などが増加する。

非製造業(除く電力)は、3.1%増と3年ぶりの増加となる。業種別では、前年に大型投資があった「通信・情報」(41.5%減)、引き続き積極的な投資が手控えられている「卸売・小売」(24.6%減)などが減少するものの、環境関連施設の新設やホテル等の開業・改装のある「サービス」(139.8%増)、域内の土木・インフラ工事に対応するための設備導入がある「建設」(79.4%増)などが増加する。

 

図表1.全国と北陸地域の設備投資動向(2021年度計画)

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3.富山県の設備投資動向

(1)富山県の2020年度実績

全産業(除く電力)は、前年度比25.1%減と減少に転じた。

製造業は、27.0%減と減少に転じた。業種別では、製薬メーカーによる生産設備の新設や更新があった「化学」(26.3%増)、「窯業・土石」(384.2%増)などが増加したものの、景気悪化による投資の先送りにより「一般機械」(39.0%減)及び「その他製造業」(42.1%減)などが減少した。

非製造業(除く電力)は、21.1%減と3年ぶりの減少となった。業種別では、放送設備の新設や更新投資があった「通信・情報」(245.5%増)や商業施設の改装などで「不動産」(16.0%増)などが増加したものの、鉄道やバス関連の投資が減少した「運輸」(58.6%減)、コロナ禍に対応した設備導入等がみられたものの、新規出店が一段落した「卸売・小売」(78.3%減)、前年に環境施設の能力増強投資があった「サービス」(42.3%減)などが減少した。

(2)富山県の2021年度計画

全産業(除く電力)は、前年度比5.1%減と2年連続の減少となる。

製造業は、3.6%増と増加に転じる。業種別では、自動車向け工場投資が一巡する「輸送用機械」(81.4%減)や、「窯業・土石」(42.5%減)、「鉄鋼」(19.5%減)などが減少するものの、前年に投資の先送りがみられた建材や自動車向け部品などの反動増により「その他製造業」(37.2%増)及び「金属製品」(69.6%増)並びに「一般機械」(22.5%増)、製薬メーカーの生産設備新設がおこなわれる「化学」(13.2%増)などが増加する。

非製造業(除く電力)は、22.8%減と2年連続の減少となる。業種別では、環境関連施設の新設がある「サービス」(119.5%増)や主要設備の更新で「ガス」(65.0%増)などが増加するものの、前年に放送設備の新設や更新投資があった「通信・情報」(74.3%減)、商業施設の改装などが一巡する「不動産」(75.1%減)、交通拠点整備が一服する「運輸」(24.8%減)などが減少する。

 

コロナ禍での投資の先送り等を経て、製造業を中心に持ち直している一方、一部企業の大型投資が一段落したことによる反動減がみられ、全産業では減少となる。

また、2.(1)で述べたように、新型コロナの感染状況次第では、より下方修正される恐れもある。

 

図表2.富山県の設備投資動向(2020年度実績、2021年度計画)

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4.富山県の設備投資の特徴

富山県は日本海側有数の工業集積を誇り、富山県の2020年度設備投資実績に占める製造業のウエイトは67.0%と、全国(36.3%)を大きく上回っている。

そこで、2012年度以降の10年間における富山県の設備投資(製造業)の寄与度推移をみると、2014年度に二桁の伸びを示して以降、年度によって顔ぶれに違いはあるものの、化学(含む医薬品)や一般機械、金属製品、非鉄金属、電気機械など、歴史的に富山県で集積が進んだ業種を中心に、好調な需要を背景とする能力増強などの活発な投資が行われ、全体の伸びを牽引してきたと言えよう。

2018年度は電気機械の大幅反動減を主因に5年振りの減少となったが、2019年度は輸送用機械や食品の大型投資が寄与し、増加に転じた。2020年度は景気悪化による投資の先送りなどにより、幅広い業種で減少となったが、医薬品を含む化学などは増加している。

 

図表3.富山県の設備投資(製造業)の寄与度推移

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5.(特別アンケート)企業行動に関する意識調査(北陸版)

本調査では、現下の経済・社会状況を踏まえ、民間企業の行動に関する意識を調査することを目的に、「企業行動に関する意識調査」(特別アンケート)も、合わせて実施している。特別アンケートには、全国4,294社(製造業1,676社、非製造業2,618社)より回答をいただき、うち北陸本社企業は173社(製造業79社、非製造業94社)であった。

以下では、新型コロナの影響について、北陸本社企業の調査結果を紹介する。

(1)設備投資の2020年度実績が計画を下回った理由

北陸地域の設備投資動向のうち、2020年度の実績は、全産業(除く電力)で、前年度比27.1%減と、前回調査で得られた同計画6.8%減を大きく下回った。要因として、北陸地域の企業では、製造業、非製造業ともに、⓶コロナ禍による状況悪化との回答が3割程度あったほか、例年同様、⓷投資内容の精査、無駄の見直しとの回答も多かった。

 

図表4.2020年度の実績(単体ベース)が当初計画を下回った理由(3つまでの複数回答)

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(2)コロナ禍を背景に実施を見送った設備投資

コロナ禍を背景に設備投資を見送った企業では、投資を取りやめた企業よりも、21年度に繰り越した企業の方が多く、こうした傾向は需要が回復傾向にある製造業でより顕著だった。

 

図表5.コロナ禍を背景に実施を見送った20年度計画の設備投資の21年度への繰越

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(3)コロナ禍を契機とした設備投資

コロナ禍を契機として必要性の生じた設備投資としては、⓹感染症予防のための衛生保健関連と⓵テレワーク関連の投資が多かった。

 

図表6.コロナ禍を契機として必要性の生じた設備投資(3つまでの複数回答)

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(4)新型コロナの影響

新型コロナウイルス感染拡大によるマイナス影響のうち、特に影響が大きいものとして、製造業、非製造業ともに⓵国内需要の減少が最も多く、⓻移動制限による事業制約が次いだ。非製造業では、⓼労働力の制約や⓽感染防止対策コスト増なども多かった。

 

図表7.新型コロナによるマイナスの影響(3つまでの複数回答)

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(5)回復を見込む時期

新型コロナウイルス感染拡大による売上減少について、感染拡大前の水準等への回復を見込む時期は、製造業では、すでに上回っているとの回答は2割弱にとどまるものの、合わせて6割の企業が来年前半までの回復を見込んでいる。非製造業では、2割が売上高は感染拡大前の水準をすでに上回っていると回答した一方、回復が見通せないとの回答も2割あり、二極化している。

 

図表8.新型コロナウイルスによる売上減少の回復を見込む時期

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(6)中長期的な製品やサービスの需要の見込み

新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた、中長期的な製品やサービスの需要の見込みは、新たな需要を見出し需要は拡大と回答した企業もあったものの、そうした企業は1割程度にとどまった。一方、需要は減少と回答した企業は製造業で3割、非製造業では5割弱となった。

 

図表9.コロナ禍を踏まえた中長期的な需要の見込み

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(7)事業の見直しの必要性

新型コロナウイルス感染拡大を踏まえた、事業の見直しの必要性については、製造業、非製造業ともに半数前後の企業が事業の見直しが必要と回答した。見直しが必要との回答は非製造業で、やや多かった。

 

図表10.コロナ禍を踏まえた事業の見直しの必要性

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  1. 本稿で示された意見は筆者のものであり、DBJの公式見解ではありません。
  2. 本稿で使用したデータは、DBJの地域別設備投資計画調査によるものです。詳細はDBJのホームページ(https://www.dbj.jp/investigate/equip/regional/detail.html)をご参照ください。
  3. DBJは、上記調査と同時に、資本金10億円以上の民間企業を対象とした全国設備投資計画調査も行っています。詳細はDBJのホームページ(https://www.dbj.jp/investigate/equip/national/detail.html)をご参照ください。

お問い合わせ

所属課室:経営管理部統計調査課経済動態係

〒930-0005 富山市新桜町5-3 第2富山電気ビルディング

電話番号:076-444-3191

ファックス番号:076-444-3490

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