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更新日:2022年3月14日
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株式会社日本政策投資銀行
富山事務所長
山本覚
富山事務所副調査役
吉田志穂
1999年のPFI法施行から、20年以上が経過しました。官民連携は、当初は公共施設の整備・維持管理から導入され始めましたが、現在は、インフラ分野も含む「経営・マネジメント」のステージへと展開されています。地域課題や社会課題が多様化・複雑化する中、今後は、その「経営・マネジメント」を複合的・広域的に推進し、地域活性化を図っていく「未来志向型のステージ」へと移行していく必要があります。そのためには、リーダーシップ人材の形成を含む地域一丸の態勢づくりが必要です。
(株)日本政策投資銀行(DBJ)富山事務所では、この趣旨に賛同する富山県と富山市の協力の下、DBJグループの(株)日本経済研究所と共同で、「未来志向型官民連携研修プログラム」を実施しました。“志”ある県内自治体職員8名が、約半年に亘り、PPP/PFI(注1)に係る基礎知識の習得や、富山県・市町村一体による先進プロジェクトの検討を進め、官民連携の手法を用いた新しい事業案の発表を行いました。本稿では、その研修プログラムの取組みを紹介させて頂きます。
当研修では、「未来志向で、今後の富山の官民連携を担う人材の育成」を目的としました。研修の方法は、座学だけではなく実践的な学びとして、民間ヒアリングも交えて具体的な官民連携の事業案を検討し、知事、市長に直接プレゼンテーションするというゴールを設けました。また、チーム構成は県市職員の混合の2チームとしました。
事業案の検討は6月から11月にかけて、「個人ワーク」、座学や視察、ヒアリングによる「インプット」、グループワークでの「議論」のサイクルを回す構成とし、これを繰り返しました。
グループワークでは、それぞれが感じている県と市の課題をぶつけ合い、「県と市が連携すること」「官と民が連携すること」で、課題の解決につながる案を議論してきました。
両チームともに富山の強みを生かすことをポイントとした、ユニークな着眼点の事業案となり、最終発表会では、知事と市長から様々な観点からの質問や意見を頂きました。
「TOYAMA CREATIVE CHEF Project」は、富山の持続可能な都市成長といった課題を、富山の食文化を通して実現するために、料理人が活躍できる環境を整備するという案でした。
「心の中にある富山」は、コロナ禍における観光業の回復や、長期的な課題である関係人口を増やすために、修学旅行で富山に訪れる人を増やす仕組みを構築するという案でした。
今後ますます多様化・複雑化が見込まれる地域課題・社会課題に対しては、地域の関係者が課題やビジョン・目標を共有し、それぞれの強みを生かし合いながら、継続的に連携・協働することが何より重要となります。DBJ富山事務所としても、志ある地域関係者の取組みをバックアップするべく、官と民とをつなぐ存在でありたいと考えています。
最後に、研修を進めるにあたり、富山県・富山市を始め、講師・チューター、ヒアリング先の民間企業の方々など、多くの方にご協力を頂きました。この場をお借りしてお礼申し上げます。
(注2)本稿で示された意見は筆者のものであり、DBJの公式見解ではありません。
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