令和3年経済センサス-活動調査産業横断的集計の結果について

1.はじめに

経済センサス-活動調査は、全産業分野の売上（収入）金額や費用などの経理項目を同一時点で網羅的に把握し、我が国における事業所・企業の経済活動を全国的及び地域別に明らかにするとともに、事業所及び企業を対象とした各種統計調査の母集団情報を得ることを目的としています。

平成24年に第1回、平成28年に第2回調査が実施され、3回目となる令和3年経済センサス-活動調査は、令和3年6月1日現在で実施されました。

令和5年3月号では、産業別集計のうち富山県の製造業についてご紹介しましたが、今回は産業横断的集計から、富山県における全産業の集計結果の概要や、地域の特徴についてわかりやすいようにランキング形式にしてご紹介します。

2.富山県の集計結果の概要

(1)産業大分類別の事業所数及び従業者数

全産業における事業所数は48,987事業所、従業者数は508,283人となっています。

産業大分類別にみると、事業所数では「卸売業、小売業」が12,270事業所（全産業の25.0％）と最も多く、次いで「建設業」が5,420事業所（同11.1％）、「宿泊業、飲食サービス業」が4,886事業所（同10.0％）となっています。

また、従業者数では「製造業」が131,286人（全産業の25.8％）と最も多く、次いで「卸売業、小売業」が91,281人（同18.0％）、「医療、福祉」が61,144人（同12.0％）となっています。

※前回調査（H28）までは外観からの把握が困難であった事業所を、今回調査においては「国税庁法人番号公表サイト」情報の活用により捉えたことから、前回調査（H28）との単純比較はできないため、前回調査値（H28）を参考として掲載しています。

表1.産業大分類別事業所数及び従業者数

図1.産業大分類別事業所数及び従業者数

(2)市町村別の状況

市町村別にみると、事業所数、従業者数ともに富山市が最も多く、次いで高岡市、射水市の順となっています。

表2.市町村別事業所数及び従業者数

図2.市町村別事業所数及び従業者数

3.産業小分類別ランキング

(1)富山県の状況

ア事業所数

産業小分類別に事業所数の多い項目をみると、「美容業」が1,811事業所（人口千人当たり1.77事業所）と最も多く、次いで「仏教系宗教」が1,287事業所（同1.26事業所）、「専門料理店」が1,181事業所（同1.15事業所）となっており、全国ランキングにおける順位と比較すると「仏教系宗教」などの順位が高くなっています。

表3.事業所数上位20産業小分類

イ従業者数

産業小分類別に従業者数の多い項目をみると、「老人福祉・介護事業」が25,062人（人口千人当たり24.44人）と最も多く、次いで「病院」が22,619人（同22.06人）、「建設用・建築用金属製品製造業（製缶板金業を含む)」が15,995人（同15.60人）となっており、全国ランキングにおける順位と比較すると「建設用・建築用金属製品製造業（製缶板金業を含む）」、「医薬品製造業」などの順位が高くなっています。

表4.従業者数上位20産業小分類

(2)市町村別の状況

ア事業所数

産業小分類別に事業所数の多い項目をみると、8市町で「美容業」が1位となり、舟橋村以外の市町で4位以内となりました。次いで5市町で「仏教系宗教」が1位となり、富山市、魚津市、舟橋村を除く12市町で5位以内となっています。

表5.市町村別事業所数上位5産業小分類

イ従業者数

産業小分類別に従業者数の多い項目をみると、3市で「老人福祉・介護事業」が1位となり、すべての市町村で5位以内となりました。また、3市町で「病院」が1位となり、10市町で4位以内となっています。

表6.市町村別従業者数上位5産業小分類

4.おわりに

本稿では富山県の集計結果について要約していますが、このほか詳しい結果内容や全国の結果につきましては、総務省統計局のホームページをご覧ください。

総務省統計局ホームページ「経済センサス-活動調査」

http://www.stat.go.jp/data/e-census/2021/index.html

令和3年経済センサス-活動調査の実施にあたり、ご協力いただきました関係の皆様方、ご回答いただきました事業所・企業の方々に改めて厚く御礼申し上げます。

次回の経済センサス-活動調査は2026年に実施される予定です。引き続き、同調査へのご理解を賜りますようお願い申し上げます。