令和5年住宅・土地統計調査の結果から

1　はじめに

住宅・土地統計調査は、我が国の住宅とそこに居住する世帯の居住状況、世帯の保有する土地等の実態を把握し、その現状と推移を明らかにすることにより、住生活関連諸施策の基礎資料を得ることを目的としています。調査は昭和23年以来5年ごとに行われており、令和5年調査はその16回目に当たります。今回の調査は、令和5年10月1日を調査期日として、全国の約340万住戸・世帯（県内は約28,000住戸・世帯）を対象に実施されました。

2　住宅・土地統計調査の結果から

調査の結果は、令和6年4月から令和7年3月まで4回にわたり公表されています。ここでは、その結果をもとにとりまとめた富山県の概要をご紹介します。

※本文及び図表の数値は、表章単位未満の位で四捨五入していること、総数に「不詳」の数を含むことから、総数と内訳の合計は一致しないことがあります。

(1) 住宅・世帯の概況

総住宅数は473,900戸、5年間で4.7％の増加

　令和5年10月1日現在における富山県の総住宅数は473,900戸で、平成30年に比べ21,300戸（4.7％）増となっています。

　総世帯数は405,500世帯で、平成30年に比べ11,500世帯（2.9％）増となっています。

図1　総住宅数及び総世帯数の推移-富山県（昭和33年～令和5年）

総住宅数の14.7％が空き家

　居住世帯のある住宅は401,900戸（総住宅数に占める割合84.8％）、居住世帯のない住宅は71,900戸（同15.2％）となっています。

　居住世帯のない住宅のうち「空き家」は69,700戸で、平成30年に比べ9,700戸増加しています。総住宅数に占める空き家の割合（空き家率）は14.7％で、平成30年から1.4ポイント上昇し、過去最高となっています。

表1　居住世帯の有無別住宅数及び空き家率の推移-富山県（昭和33年～令和5年）

図2　空き家数及び空き家率の推移-富山県（昭和33年～令和5年）

　空き家の内訳をみると、「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」が57.1％と最も多くなっています。

図3　空き家の内訳-富山県（令和5年）

(2) 住宅の状況

持ち家住宅率は74.9％

　居住世帯のある住宅に占める「持ち家」の割合（持ち家住宅率）は74.9％で、平成30年から1.9ポイント低下し、全国3位となっています。「民営借家」の割合は上昇傾向にあり、18.0％となっています。

図4　住宅の所有の関係別割合の推移-富山県（昭和53年～令和5年）

※平成15年までは「公営・公団・公社の借家」

 

2019年以降に耐震診断が行われた持ち家は9.1％

　2019年以降に住宅の耐震診断が行われた持ち家の割合は9.1％となっています。このうち、耐震性が確保されていた持ち家は90.9％となっています。

表2　2019年以降における住宅の耐震診断の状況別持ち家数及び割合

(3) 世帯の居住状況

若いうちから持ち家志向が高い

　主世帯401,900世帯のうち、持ち家に居住する主世帯は301,100世帯で、主世帯全体に占める割合は74.9％となっています。家計を主に支える者の年齢階級別にみると、全国に比べ、若いうちから持ち家志向が高くなっています。

※主世帯：1住宅に1世帯が住んでいる場合はその世帯が「主世帯」。1住宅に2世帯以上住んでいる場合には、そのうちの主な世帯（家の持ち主や借り主の世帯など）が「主世帯」、他の世帯は「同居世帯」。

 

図5　家計を主に支える者の年齢階級別持ち家の割合-富山県、全国（令和5年）

※「持ち家の割合」＝ 持ち家に居住する主世帯数／主世帯数

通勤時間30分未満の世帯は7割

　家計を主に支える者が雇用者である主世帯について、家計を主に支える者の通勤時間をみると、「30分未満」の世帯が約7割を占めています。「30分未満」の通勤時間は、全国平均では約5割、関東大都市圏では約3割であり、富山県の通勤事情が比較的恵まれていることが分かります。

図6　家計を主に支える者（雇用者）の通勤時間別割合-富山県、全国、3大都市圏（令和5年）

(4) 高齢者のいる世帯の状況

半数以上の住宅に高齢者等のための設備あり

　高齢者等のための設備のある住宅の割合は62.3％で、全国で3番目に高くなっています。設備の状況をみると、「手すりがある」が最も多く、53.1％となっています。

図7　高齢者等のための設備がある住宅の割合-富山県（令和5年）

 

高齢単身主世帯の約2割は、片道15分圏内の場所に子が居住

　片道15分圏内の場所に子が居住している割合は、高齢単身主世帯で約2割、高齢者のいる夫婦のみの主世帯で約3割となっており、全国平均と比較すると富山県では子が近くに居住している傾向があることがわかります。

※高齢単身主世帯：65歳以上の単身の主世帯

※高齢者のいる夫婦のみの主世帯：夫婦とも又はいずれか一方が65歳以上の夫婦のみの主世帯

※片道15分圏内の場所に子が居住している割合＝一緒に住んでいる割合＋徒歩5分程度の場所に住んでいる割合＋片道15分未満の場所に住んでいる割合

図8　子の居住地別高齢者主世帯の割合-富山県（令和5年）

3　おわりに

ここでご紹介した以外の富山県分の結果は、「とやま統計ワールド」に掲載されています。また、詳細なデータや全国の結果については、総務省統計局ホームページでご覧になれます。

とやま統計ワールド「住宅・土地統計調査」

http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/lib/jutaku/index.html

総務省統計局ホームページ「令和5年住宅・土地統計調査」

https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/index.html（外部サイトへリンク）