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更新日:2024年5月14日

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令和5年平均 富山市の家計調査の結果(家計収支編)から
~家計簿からみた富山のファミリーライフ~

統計調査課 生計農林係

1 はじめに

「富山といえば○○」
 皆さんは何を思い浮べますか?“立山連峰”、“富山湾”、“ぶり”、“こんぶ”、“寿司”など、本県の特徴や魅力はたくさんありますが、統計調査からもその地域の嗜好や土地柄を知ることができます。
 今回は、家計調査からみた富山の暮らしの特徴についてご紹介します。

2 家計調査のしくみ

 家計調査は、世帯の皆様に毎日の家計の収入や支出を家計簿につけていただき、その結果を取りまとめ、国民生活の実態を家計の面から明らかにする調査です。全国168市町村、約9,000世帯を対象に、国が都道府県を通じて行っている基幹統計調査※1です。
 富山県では、富山市、射水市、滑川市の区域の中から、統計的な抽出方法により選ばれた約143世帯を対象に調査を実施しています。

※1 基幹統計調査とは、統計法に基づき総務大臣が特に重要として指定した統計を作成するための統計調査をいう。

[調査の目的]

 世帯の得た収入がどのようなものにいくら支出されたか、その支出の仕方が収入、世帯人員、年齢、職業など世帯の属性によってどのように異なっているかなど、国民生活における家計収支の実態を把握して、国の経済政策・社会政策の立案のための基礎資料を得ることを目的としています。

[調査の方法]

 都道府県知事が任命した統計調査員が、調査世帯を訪問して「家計簿」を配布し、調査世帯が、毎日の収入・支出について「家計簿」に記入します。
 このほか、世帯と世帯員及び住居に関する事項は、調査員が聞きとりにより「世帯票」に記入し、過去1年間の年間収入については「年間収入調査票」に、貯蓄及び借入金などに関する事項については「貯蓄等調査票」に各世帯が記入します。
 なお、「家計簿」、「年間収入調査票」、「貯蓄等調査票」については、オンラインで回答することもできます。

[結果の公表]

 調査の結果については、毎月、インターネットなどを通じて公表し、テレビやラジオ、新聞などによって広く報道されます。
 富山県では県庁所在市である富山市の結果が主に公表の対象になっております。

[結果の利用例]

 国民生活の動向を把握する最も基本的な統計として、各種行政施策の立案に幅広く利用されているほか、地方公共団体の広報活動や民間企業などにも利用されています。
 ⓵政府が毎月公表している月例経済報告における利用
 ⓶都道府県などの広報や町おこし
 ⓷消費者物価指数(総務省)のウエイトを作成するための資料
 ⓸勤労者の賃金を決めるための標準生計費などの資料 など

3 富山市民の家計事情

 家計調査は、地域の暮らしぶりがよくわかる調査です。ここでは、富山市民の家計の特徴について全国順位から見ていきたいと思います。
 なお、これから出てくる数字は、二人以上の世帯の調査結果です。また、全国順位は、都道府県庁所在市別ランキングです。

(1)家計収入

 令和5年の富山市の二人以上の世帯のうち、世帯主が勤労者※2の世帯の実収入※3は、1世帯当たり1か月平均646,975円で、全国13位でした。世帯主の配偶者の収入や他の世帯員収入、事業・内職収入、年金等を含む他の経常収入が全国平均よりも高く、実収入が全国平均より高い結果になりました。

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※2 勤労者世帯:世帯主が会社、団体、官公庁、学校、工場、商店などに勤めている世帯。ただし、世帯主が社長、取締役など会社・団体の役員である世帯は「勤労者以外の世帯」に含める。

※3 実収入:いわゆる税込み収入であり、世帯員全員の現金収入を合計したもの。

※4 可処分所得:「実収入」から税金、社会保険料などの原則として世帯の自由にならない支出を差し引いた額で、いわゆる手取り収入のこと。これにより購買力の強さを測ることができる。

(2)家計支出

 令和5年の富山市の二人以上の世帯の消費支出は、1世帯当たり1か月平均327,503円で、全国4位でした。
 家計調査の1世帯当たり品目別年間支出金額及び購入数量(二人以上の世帯)のデータから、どのような品目でどの程度の地域差があるのかを明らかにするため、品目別都道府県庁所在市別ランキングが集計されています。その中で、富山市が全国1位の品目を中心に一部ご紹介します。
 なお、富山市の調査世帯は少なく、1年ごとの調査結果では数値の変動が大きいため、ここでは3年平均(令和3年~5年)の数値を用います。

⓵食料品

 富山市の魚介類への1世帯当たりの支出金額は、常に全国のトップクラスに位置しています。特にぶりは、単年で見ても4年連続、また支出金額県庁所在市別ランキングが集計されるようになった昭和28年から数え66回目の1位となりました。富山湾を臨み、豊富な水産資源に恵まれ、新鮮な食材が手に入りやすいことが、背景にあると考えられます。
 魚介類のほか、1世帯当たり年間の支出金額が多いものとして、こんぶがあります。こんぶは単年で2年連続、都市別データが確認できる昭和35年から数え62回目の1位となりました。
 その他、いかや魚介の漬物、だいこん漬、オレンジ、ふりかけ、冷凍調理食品、そうざい材料セット、コーヒー飲料の支出金額も、全国1位です。富山の特産品に限らず、富山市民の意外な嗜好品がわかるところも家計調査の面白いところです。

富山市が支出金額で全国1位の食料品目
都道府県庁所在市別ランキング(二人以上の世帯、品目分類、令和3~5年平均)
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⓶その他の品目

 食料品以外の品目では、他の室内装備品(座布団、クッション、こたつ掛・敷布団、腕時計を除く時計など)、他の履物(大人用雨靴、草履、スリッパなど)、眼鏡、園芸用品、国内遊学仕送り金(学校や予備校在学者に対する仕送り金(旅行費やクラブ活動費も含む))が支出金額全国1位になっています。
 園芸用品は例年高い順位で推移しています。持ち家率が高いことや、1住宅当たり敷地面積(一戸建及び長屋建)が広いこと(富山県348.74m2、全国7位:総務省「平成30年住宅・土地統計調査」)などが影響していると考えられます。
 そのほか、自動車に関する支出が高く、バス代やタクシー代の支出が低くなる傾向にあるのも、富山市の特徴です。

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※5 他の室内装飾品…座布団、クッション、こたつ掛・座布団、腕時計を除く時計など
※6 他の履物…大人用雨靴、草履、スリッパなど

4-2-2
※7 車の登録料、車検印紙代、運転免許試験手数料、代行車料、バッテリー充電代、
洗車代など

4 おわりに

 昭和21年7月に「消費者価格調査」として始められた家計調査は、調査世帯の皆様を始め多くの方々の協力によって、調査開始以来、今日まで一日も欠かさず続けられてきました。家計調査は、今日では国の最も基本的でかつ重要な統計調査の一つとなっています。
 さらに、今年は5年に1回の「全国家計構造調査」が実施されます。この調査は、家計調査より詳細な結果を得るための調査で、家計の実態を種々の角度から分析することができます。
 今回の特集では、最新の家計調査結果から、皆様の暮らしに身近な話題を選び、ご紹介しました。富山県統計調査課のホームページ「とやま統計ワールド」にこのほかの家計調査結果についても掲載していますので、ぜひご覧ください。家計調査への理解を深めるとともに、これからの生活を考えるきっかけとなれば幸いです。

とやま統計ワールド(https://www.pref.toyama.jp/sections/1015/index2.html

データ出所:総務省統計局(https://www.stat.go.jp

 

 

お問い合わせ

所属課室:経営管理部統計調査課 

〒930-0005 富山市新桜町5-3 第2富山電気ビルディング

電話番号:076-444-3191

ファックス番号:076-444-3490

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