更新日:2021年8月12日

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デジタル化・DXの推進について

富山県知事政策局デジタル化推進室

1.はじめに

デジタル技術の目覚ましい進歩に伴い、様々な分野でデジタル化が進展し、社会経済は大きく変化しています。

例えば、スマートフォンにより、私たちは財布や地図を持たなくても買い物や旅行ができるようになりました。また、AIを活用した自動運転の取組みが、実用化に向けて進められています。

また、コロナ禍により、非接触や3密回避を前提とした「新しい生活様式」を実践し、テレワークやウェブ会議も一般的なものとなってきました。

このように、デジタル化は、私たちの暮らしを便利で豊かにするとともに、社会の様々な課題を解決するツールとして不可欠なものとなっています。

本稿では、県のデジタル化やDX(デジタルトランスフォーメーション)(※)の推進に向けた取組み等について、ご紹介します。

 

(※)DX:ウメオ大学(スウェーデン)のエリック・ストルターマン教授が2004年に提唱した概念で、「ICTの浸透が人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させること」

 

2.富山県の現状と課題

(1)人口構造の変化に伴う労働力人口の減少

我が国においては、団塊の世代が全て75歳となる2025年には、75歳以上が全人口の約18%、2045年には人口は1億600万人にまで減少する一方で、高齢者人口(65歳以上の人口)は約36.8%に高まることが見込まれています。

本県の人口は1998年をピークに、全国よりも約10年早く減少に転じています。現在は1975年当時とほぼ同じ人口ですが、年少人口(15歳未満)は約半分になり、高齢者人口は全国を上回るスピードで高齢化が進行していることもあり、約3倍となっており、人口構造は大きく変化してきています。また、生産年齢人口(15~64歳)は1991年をピークに減少に転じています。

こうした人口減少や少子高齢化の進行、それに伴う生産年齢人口の減少などにより、経済の活力の減退が懸念されることから、IoTやAIなどの技術を活用した労働生産性の向上、柔軟で多様な働き方の実現等がより一層重要となっています。

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(2)情報通信基盤整備の状況

ア.ブロードバンド・CATVなどの固定系通信

本県では、全国に先駆けて官民一体によるCATV網の整備を推進し、超高速ブロードバンド整備(下り30Mbps以上)については世帯カバー率100%を達成しています。

一方、FTTHによる超高速ブロードバンド整備(上下100Mbps以上)については、民間事業者による整備は採算がとれる市街地を中心に進められていることから、本県におけるFTTH利用可能世帯カバー率は、2019年度末現在で98.5%です。

災害時における情報伝達手段の確保だけでなく、新たな携帯電話の通信規格である5Gの基地局整備等に必須となる大容量のデータ伝送が可能な通信回線の確保といった観点からも、県内全域をカバーするCATVのFTTH化が課題でしたが、県独自の補助制度を創設し、市町村と連携してCATVのFTTH化を進めており、今年度末(2021年度末)で世帯カバー率100%となる見込みです。

イ.携帯電話やスマートフォンなどの移動系通信

本県における携帯電話のサービスエリアの人口カバー率は、99.9%に達するなど、既に人々の生活を支える必要不可欠なサービスとして認知されていますが、緊急輸送道路や避難路、自然公園・登山道などの非居住エリアについても、住民や観光客の安心安全の確保、災害時における有効な通信手段であるとの観点から、携帯電話の重要性が急速に増しています。

このため、世界に誇る山岳観光地である立山黒部を国内外の観光客が安心して楽しむことができるよう、2008年度から携帯電話のエリア化に取り組み、五色ヶ原周辺の登山道等をエリア化しました。今後は、2024年度に予定される「黒部ルート」の一般開放に向けて、携帯事業者等の理解と協力を得ながら、同ルート内及び登山道のエリア化に取り組む必要があります。

(3)デジタル化、DXの進行

デジタル化やDXの進展により実現する社会の未来像としてSociety5.0があります。Society5.0で実現する社会では、IoTで全ての人とモノがつながり様々な知識や情報が共有により新たな価値を創造されるため、分野横断的な連携や情報収集における困難、年齢や障害などによる労働や行動範囲の制約、少子高齢化や過疎化などの課題が克服されると期待されています。

現在、5G、AI、クラウド、AR/VR等、データを扱う新たなデジタル技術を活用し、ものづくり分野における各種センターの導入や、介護ロボット・遠隔医療・健康寿命延伸に向けたビッグデータの活用、ICT機器を活用した農林水産業の自動化など、様々な研究開発や実証実験、実装が積極的に進められています。

また、AIによる解析技術により必要な知識や情報が共有・提供され、今までにない価値が生み出されるSociety5.0の実現は、地域課題の解決だけでなく、持続可能な開発目標(SDGs)の達成にも貢献することが期待されています。

(4)スマート自治体整備の取組み

ア.行政事務のデジタル化とBPR(BusinessProcessReengineering)

本県では、コスト削減、情報セキュリティの向上、ICTの活用による業務効率化を目的に、2012年、情報システム全体最適化計画(第1次最適化計画)を策定し、2016年度末には、約4.1億円の情報システム関連経費の削減を達成し、情報セキュリティの向上やICTの活用による業務効率化においても一定の成果を上げることが出来ました。

また、コスト適正化、セキュリティ対策、業務効率・住民サービス向上、災害対策を新たな目的として、2018年、第2次最適化計画を策定し、情報システムの全体最適化の取組みを進めているところです。

さらに、今後労働人口が減少する中、行政においても職員の確保が困難となることが想定されるため、自治体職員は職員でなければできない業務に注力し、住民生活に不可欠な行政サービスを提供し続けることが必要となっていくことが指摘されています。そのため、業務の流れを分析し、最適化を図るBPR(BusinessProcessReengineering)を通じた業務プロセスの見直しや、テレワーク等の新たな働き方の普及など、より少ない職員で効率的に事務を処理する体制を構築する必要性が高まっています。

イ.行政手続きオンライン化の推進

本県では、2018年4月、県内各市町村との共同調達により「富山県電子申請サービス」ポータルサイトをスタートさせました。マイナポータルとも連携しており、「子育てワンストップサービス」が簡単に利用できるようになりました。

一方、対面での説明を前提とした手続きや、図面等多くの添付書類が求められる手続きなど、依然として多くの申請手続きが書類により行われており、オンライン化を加速する必要があります。このため、昨年度、オンライン化を妨げる要因でもあった、県民や事業者の皆さんに求めていた押印を原則廃止しました。

引き続き、2025年度の申請手続きのオンライン化100%を目指し、全庁的に取り組む必要があります。

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ウ.市町村との連携と自治体クラウドの推進

県では、2013年度から県と市町村からなる「富山県共同利用型自治体クラウド会議」を設置し、⓵市町村の基幹系業務システム、⓶市町村の内部系業務システム、⓷県・市町村の電子申請システム等の共同化を行い、ICTコストの削減等に取り組んできました。

本年1月に設置した「ワンチームとやま」連携推進本部会議の取り組む項目の一つに「自治体行政のデジタル化」を挙げ、電子入札の共同調達・利用や、IoTを活用した地域課題の解決等に市町村と共に取り組んでいます。

引き続き、国のデジタル庁の動き等も踏まえ、「ワンチームとやま」の取組みを通じて、県と市町村のDXを推進していく必要があります。

自治体クラウドのイメージ

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出典:平成26年情報通信白書(総務省)

3.DX推進に向けた取組み

県では、DXの推進を県の重点政策の一つに位置づけ取り組んでいます。主な取組みについて紹介します。

(1)推進体制の強化

DXを県庁一体となって推進するため、重要課題への取組みを部局横断的に推進する知事政策局に、デジタル化推進室を新設するとともに、(株)NTTドコモと人事交流を行い、デジタル化推進室の「行政デジタル化・生産性向上課長兼デジタル化推進監」として起用するなど、推進体制を強化しました。

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(2)DX・働き方改革推進本部の設置

人口減少や新型コロナの感染拡大等の諸課題に対応し、本県産業や地域社会の振興を図るため、⓵県民の利便性を向上する行政のDX、⓶産業振興や地域課題の解決を図る産業・地域社会のDX、⓷それらを支えるDX人材の育成、⓸デジタル技術を活用した働き方改革を推進することが必要です。

このため、6月に知事を本部長とする「DX・働き方改革推進本部」を設置しました。11月頃を目途に、基本方針やアクションプランを策定することとしています。

また、民間においてデジタル技術を活用した先進的な取組みが進展していることなどから、DXや働き方改革で活躍する若手経営者にDX・働き方改革推進補佐官・副補佐官として参画いただき、県の施策を俯瞰し助言いただくなど、民間のノウハウも取り込みながらDXを推進していきます。

(3)DX人材の育成

AIやIoTなど技術革新が進展し、ビッグデータの利活用等の需要が拡大する中、データサイエンティストなどデジタル人材の育成・確保が重要となっています。

このため、県では富山大学と連携し、教員向け研修等を通じた小中高校等へのICT教育の充実や、県内企業や自治体職員等を対象とした講座の開講など社会人向けデータサイエンス教育の拡充に取り組んでいます。

また、県立大学では、来年4月、DX研究と教育の中心施設として、また、県内企業や他大学などとの産学官連携の拠点として、「DX教育研究センター(仮称)」の整備を進めています。

4.おわりに

国においては、デジタル化の司令塔である「デジタル庁」が9月に発足し、自治体行政システムの標準化などDXの取組みを加速していきます。

こうした動き等を踏まえ、県では、11月頃のDX・働き方改革の推進に係る基本方針やアクションプランの策定に向け、検討を進めています。

今後とも、県民目線で、スピード感をもち、現場のニーズを聞き取りながら、本県のDX推進に取り組んでまいります。

お問い合わせ

所属課室:経営管理部統計調査課経済動態係

〒930-0005 富山市新桜町5-3 第2富山電気ビルディング

電話番号:076-444-3191

ファックス番号:076-444-3490

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