更新日:2021年8月14日

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臨時記者会見[令和3年8月14日(土曜日)]

  • 日時:令和3年8月14日(土曜日)午後5時10分~午後6時00分
  • 場所:県庁4階大会議室

1.説明事項

(※)配布資料は「関連ファイル」からご確認ください。

内容 動画
  1. 警戒レベル「ステージ3」への引き上げについて
令和3年8月14日(土曜日)臨時記者会見【発表項目】(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

2.質疑応答

内容 動画
  1. ステージ引上げと時短要請のタイミング等について
  2. デルタ株を踏まえた指標の見直しについて
  3. 学校、部活動への対応について
令和3年8月14日(土曜日)臨時記者会見【質疑応答】(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

3.記者会見録

1.説明事項

会見写真1

(1)ステージ3への移行について

 本日私からは、新型コロナウイルス警戒レベルステージ3への引上げについて発表させていただきます。

 本県では、8月5日から警戒レベルをステージ2に引き上げました。また、8月10日からは、警戒特別警報を発出して、県民の皆さんに更なる感染拡大防止への御協力をお願いしてきましたが、その後も感染者の増加は止まらず、また、それに伴い入院者数も増え続けております。8月12日には、過去最多となる71人の新規の陽性者の発表をしたところでございます。また、入院者数の実数も、昨日は過去最多の220名となるなど、極めて危機的な状況と受け止めております。

 県独自のロードマップの指標につきましては、4つの判断指標のうち入院者数、新規陽性者数、また感染経路不明の新規陽性者数の3つの指標が既に基準を上回っております。また、もう一つの指標である重症病床の稼働率も8月以降上昇傾向が続いています。また、国の判断指標においても、まん延防止等重点措置の対象地域となり得るステージ3への移行基準を上回っているものが7つの指標のうちの4つ、さらには、そのうち3つは感染爆発的な段階と言えますステージ4の基準をも上回っている状況が見てとれるというふうに思います。

 このように、ロードマップの4つの指標のうち、重症病床稼働率は基準に達していないものの、これまで経験をしたことのない感染者の急激な増加により、医療提供体制のひっ迫が目前であるということを判断しまして、それらを総合的に考え、本日有識者の皆さんの御意見も伺い、8月16日(月曜日)午前零時から、警戒レベルをステージ3に引き上げることといたします。

 これまでのステージ2においては、県民の皆様には御覧のように夜間の2時間以上の飲食の自粛などをお願いしてまいりました。8月16日からのステージ3においては、次のとおり対応いただくようにお願いをいたします。

 1点目、徹底して人と人との接触機会の低減を図るため、時間帯や曜日を問わず、不要不急の外出は自粛してください。もし緊急性や重要度が高いなどの御事情によりやむを得ず外出される場合でも、3密の回避やマスクの適切な着用などの感染防止対策を徹底いただくとともに、感染防止対策が徹底されていない施設や飲食店への出入りは避けてください。また、自宅や屋外等で会食される場合でも、間仕切りや距離の確保などの飛沫防止対策を徹底してください。

 2点目、全国的に感染が急拡大しており、県外との往来の際の感染をきっかけに、家庭内や職場での感染拡大が引き起こされる事例が相次いでいます。これまでも繰り返しお願いをしてきましたが、改めて全ての都道府県との不要不急の往来の自粛を強くお願いをいたします。

 また、これまで県内では飲食店での感染拡大は限定的であり、4月から6月に感染されたクラスターにおいても、飲食店で発生したものは2割程度でしたが、7月以降はこれが約4割と倍増しています。飲食店等の利用に伴う感染事例が県内全域で増加しているほか、これらをきっかけに家庭内や職場にさらに感染が広がる傾向が見てとれます。こうした状況を踏まえまして、現在、飲食店等を対象とした営業時間の短縮要請の検討を進めております。対象の業種、要請の期間、協力金の支給などについて、国との協議が調い次第、できれば来週の早い時期に公表をし、そして来週の早いうちに速やかに実行に移したいと考えております。

 そして、この時短要請による感染拡大抑制の効果を見極めながら、より強力な措置が必要と判断される場合には、時機を失することなく、国に対してまん延防止等重点措置の実施を要請したいと考えております。

 次に、ステージ3への移行に伴う県の対応について御説明をいたします。

 まず、県民向け観光キャンペーンの販売の一時停止と利用自粛の呼びかけについて御説明をします。

 現在、観光需要喚起のため、県民向け観光キャンペーンを実施しているところですが、8月16日月曜日から当面の間、プレミアム宿泊券及び日帰りツアー割引プランの販売を一時停止いたします。既にプレミアム宿泊券をお持ちの場合は、宿泊券を利用した旅行は延期もしくは中止を御検討いただくなど、当面の間、利用の自粛をお願いいたします。また、おみやげクーポン券の配布も停止をいたします。県民の皆様の御理解とご協力をお願いいたします。

 次に、国のGoToイートキャンペーン食事券の販売の一時停止と利用自粛の呼びかけについて御説明をいたします。

 7月6日火曜日から、第2弾の食事券の販売と利用が行われていますが、ステージ3に移行する8月16日月曜日から当面の間、販売を一時停止していただくことになりました。また、既に食事券をお持ちの皆様には、飲食店内での利用を控えていただくとともに、テイクアウトやデリバリーでの利用をお願いしたいと考えております。なお、今回販売停止や利用自粛をお願いすることになりますので、お食事券の販売期間や利用期間の延長については、今後の感染状況を踏まえた上でキャンペーン事務局と調整し、改めてお知らせしたいと考えております。県民の皆様には、これについても御理解と御協力をお願いします。

 また、とやま地産地消飲食店利用ポイント制度も御利用いただいておりますが、このデジタルクーポン、共通食事券でありますが、これの取扱いについて御説明申し上げます。

 6月1日からスタートしましたとやま地産地消飲食店利用ポイント制度につきましては、ポイントを集めて応募され、当選された方には3,000円分、また応募者全員には1,000円分のデジタルクーポンを8月10日火曜日に配布したところですが、このクーポンの利用に当たっては、ステージ3に移行する8月16日月曜日から当面の間、テイクアウトで御利用いただくこと、また飲食店内での利用を自粛していただくことを呼びかけさせていただきます。

 なお、利用自粛の呼びかけの期間は、今後の感染状況を踏まえて改めてお知らせをいたします。県民の皆様にはこれについても御理解と御協力をお願いいたします。

 また、ステージ3への移行に伴い、人流の増加や感染リスクの高まりを防ぐため、8月18日から当面の間、県営文化施設や体育施設などを臨時休館することといたします。なお、既に予約済みの方については、十分な感染防止対策を講じた上での利用を可能とさせていただきます。

 さらに、県民の皆さんにステージ3への移行をしっかりと認識していただき、より高い危機感を持って感染防止対策に取り組んでいただくため、民間事業者の皆様やあるいは市町村の御協力をいただき、公共施設等の照明を、警告を示す赤色、また赤が出せない施設におかれては黄色の場合もありますが、これに変更をし、注意喚起を促してまいります。視覚からもぜひ注意喚起を促していきたいと思います。

 感染拡大の防止には、県民の皆様お一人お一人の緊張感を持った行動が鍵となります。県民の皆様にはステージ3への移行に合わせて次のことを改めてお願いをいたします。

 1点目、夏休みやお盆中には県外から帰省された御家族やふだん会われていない御親戚、御友人とお会いになる機会も多いと思います。感染リスクを避けるため、こうした方々との会食は、大変に申し訳ございませんが、極力控えていただくようお願いをしてきたところですが、もし会食をされた場合には、万が一の感染の可能性を踏まえ、その後2週間は体温チェックなどの健康管理、勤務先や学校、部活動などでの感染防止対策の徹底に努めてください。また、発熱や風邪などの症状が出た場合には、絶対に出勤などはせずに、速やかに医療機関等に御相談をください。

 2点目、市町村や医療関係者の御尽力により、本県においても高齢者向けワクチン接種はおおむね完了し、順次その他の皆さんへの接種が進められているところです。しかし、ワクチンを接種されたとしても、発症の予防効果は100%ではありません。接種後も引き続きマスク着用を徹底し、不要不急の外出や会食は避けるなど、感染防止対策を継続していただくようお願いをいたします。

 また、職場内あるいは職場の休憩室、それから職場の社員寮においてクラスターが続発しています。事業者の皆様には職場や休憩室、社員寮などでの感染防止対策を再確認いただくとともに、従業員の皆さんに対しこの正念場を乗り切るため、決して油断することなく、感染防止対策を徹底するよう周知徹底をいただくようお願いをいたします。実は、感染拡大した例の中には、熱が出ていてと分かっているにもかかわらず御出社をされて、そこから職場全体に感染が拡大したという実例もあります。企業経営者の皆さん、特に中小、また小規模事業者の皆様には、この時期は感染拡大の防止の徹底こそが最大のBCPであるということをぜひ御認識をいただき、再度自社での感染拡大の徹底の状況をチェックしていただきたいとお願いをいたします。従業員さんが感染をしてしまわれると、もう事業継続はできません。生産もできないのです。お取引先の要求には応えられません。こんなことは、かえって信用を失ってしまうことになります。どうか、感染拡大防止が最大のBCPである、これをぜひ御認識をいただきたいと思います。

 加えて、人と人との接触を徹底して回避をするために、テレワークや時差出勤の導入、県外出張、あるいは逆に出張受入れのリモート対応で代替はできないか御検討いただくよう、改めてお願いをいたします。

 次に、多くの人が集まる大規模商業施設などでは、御利用になる皆さんの安全を守るため、また、企業の信用を守るためにも、これまでも3密回避や消毒の徹底などの感染防止対策に最大限配慮いただいているところですが、より感染力が強いとされるデルタ株が県内でも拡大していることをどうか改めて御認識をいただき、これまで以上に取組みを徹底していただくよう改めてお願いします。御来客の状況によってはですね、制限しながら入場していただく、入店をしていただく、そのようなことにもぜひ積極的に取り組んでいただきたいとお願いをいたします。

 県内で、これまで申し上げたように未曽有の感染の拡大が起こっています。御自身や大切な御家族の命を守るため、そして一日も早くこの局面を乗り越えるため、県民の皆様にはより高い緊張感を持っていただき、うつさない、うつらない行動を徹底いただきますよう御協力をお願いいたします。特に、最近の感染者の9割以上を占める50歳代以下の方々には、より慎重な行動を心がけていただくよう、重ねてお願いをいたします。

 災害級の感染拡大と言われておりますが、災害は止めることはできませんが、これは災害級ではありますが、実際の災害ではありません。お一人お一人のお心がけ、お一人お一人の御協力、お一人お一人の慎重な行動によって、この災害は防げる災害です。どうか、この災害級を皆さんのお力で、皆さんのお一人お一人の御自覚を持って、ここで止めていただいて、最悪の事態である医療提供体制が逼迫をして、通常の負傷、例えば交通事故、あるいはがん、あるいはその他の通常の病気で病院にかかることができない、それによって、場合によっては命を失うことがもう目の前まで来ている、そのような状況にあることをどうか御認識いただきたいと思います。

 以上、私から冒頭お話は以上です。

2.質疑応答

会見写真2

<記者>

 これまでの県の対策について確認ですけれども、先ほど馬瀬会長から、10日の有識者懇談会でもステージ3に引き上げるべきではないかという意見が上がったということを伺いまして、今既にお盆の時期に入っていて、もちろん県内にも帰省で来られている方や県外へ帰省された方もいらっしゃると思うのですね。そういった人流を防ぐためにも、10日にステージ3に引き上げておくべきだったのではないかということも考えてしまうのですが、知事はどのように振り返られますか。

<知事>

 本県では極めてこう、手順を踏んで、オーソドックスに物事に対応してきています。特異な手は使わずにこれまでもきました。今回も、ステージ2からなかなか(感染拡大が)止まらなかったと。次のステップとして感染拡大特別警報を発出しました、10日に。それは、私どもとしては順を追った手続き、流れであったというふうに考えております。今回、残念ながらそれでも感染の拡大が止まらない、むしろ過去最大を更新してしまいました。また、それに伴い入院者数も過去最大を更新しているところでございます。ここに来て、やはりステージ3に上げる時期が来たということであります。

 現在でもですね、先ほども申し上げましたように重症病床の稼働率につきましてはこのステージ3の基準には至っていないのですが、そこは入院者数の拡大のテンポがあまりに早いということ、そして現場の病院の状況も、ヒアリングをしました結果、今回のステージ3にしたということでございます。

<記者>

 馬瀬会長からの話でもう1点ですけれども、現在中等症以下の宿泊施設での療養者の数が急激に増えていると。そこに関しても逼迫の危険があるという御指摘もありまして、それについて県のほうで対策など今考えていらっしゃいますか。

<知事>

 今お借りをしております宿泊療養施設は、部屋数としては通常なら250室です。ただ、いろいろなワークスペースなどもありまして、実働200程度が使える部屋でございますが、ただ、そのフロアごとの消毒の状況とかもありまして、160ぐらいで、実は今のところかなり逼迫しているというのが現状でございます。ただ、これは消毒のやり方を工夫したり、オペレーションをもう少し工夫することによって、目いっぱいの当初想定の200まで使うことが可能だと思います。そうすれば、今、馬瀬会長が御指摘されたような宿泊療養施設での逼迫緩和、足元ではもうすぐに緩和できると思います。ただ、念のため、さらに宿泊療養施設を拡充できないかという検討を、準備をしているところでございます。

<記者>

 今のところは、施設を追加するとかそういった措置は必要なく、オペレーションの改善で対応ができると見ていらっしゃいますか。

<知事>

 当面はですね。ただ、この勢いが仮に止まらないとしたら、ステージ3にしても止まらないとしたらという場合に備えて、今さらに拡充できないかということを探っているところです。

<記者>

 時短要請と重点措置については発表の内容にはなかったと思うのですが、今回、飲食店への時短要請をして、その効果を見極めて、効果が出なかった場合に重点措置を要請するという流れになるということですか。

<知事>

 そうですね、今も日々内閣府とも情報交換をしながらやっているところです。これは別に本県に限らず、他都道府県でも内閣府とは連絡を緊密に取りながらやっています。今は、県でまずできること、我々県でできることをしっかり実施することが重要だと考えています。16日からのステージ3の措置をしっかりと実行して、効果を上げていくこと。その上で時短要請も来週のできるだけ早く始めたいと思いますが、その効果を見極めながら、より強力な措置がそれでも必要になった場合には、まん延防止等重点措置も国に要請することになるかもしれません。ただ、これはこれまでも申し上げてきましたが、まん延防止等重点措置では、例えばですね、酒類の提供の原則自粛、飲食店以外の店での時短要請などもお願いしなければならなくなる可能性があります。また、要請に応じていただけない事業者の店名の公表、あるいは立入検査の実施、過料の徴収なども可能となり、これはこれで県民や事業者の皆様にはさらなる不自由をおかけすることになります。こうした事態にならないためにも、そこまで行く前に今回のステージ3で県民の皆さん、事業者の皆さん御協力の下に実効性をあるものにする。そして、何とかそこまで至らないようにと私としては進めてまいりたいと考えています。

<記者>

 時短要請を来週早め、数日後に実施を始めるとして、その重点措置を要請するかしないか、そこまでの見極めの期間については今のところどう考えていらっしゃいますか。

<知事>

 それもですね、またその後の内閣府とのやり取りの結果になると思いますね。

<記者>

 ただ、従来どおりであれば2週間ほど様子を見るというのがやり方だったと思うのですが、この拡大のペースなので、例えばもっと短いほうがいいだろうとか、何かお考えがあれば今のうちに教えていただきたいのですけれども。

<知事>

 明らかに今回デルタ株、今私どもの把握しているところでは、約8割がデルタ株に置き換わっていると理解をしております。ただ、ゲノム解析がリアルタイムではないので推測ですが、約8割がデルタ株であろうと捉えています。それに伴い、非常にこの感染拡大のスピードが上がっているということでありますから、必ずしも2週間ということにはこだわらないかもしれません。

<記者>

 それより短い可能性も十分あり得るということですか。

<知事>

 そうですね。ただ一方で、本県の状況はそうですが、全国を見回しても、例えば12日に本県としては71人の過去最大を更新しましたが、あの日にやはり過去最大を更新した都道府県が確か10以上あったと思います。テレビでいろいろ画面、都道府県別の画面がかなり真っ赤になっていました。そのようなこともあるので、ほかの都道府県との並み合い、都はないですか、道も府ももう既にあれですが、ほかの県との並み合いもあろうかと思います。そのような中で、国とのやり取りの結果、私どもだけの判断ではなかなかいかない面もあろうかと思います。

<記者>

 最後に1点だけ。政府の分科会のほうでは、国、47都道府県全体に緊急事態宣言を発するべきだという提言も出ておりまして、それについて知事はどう考えられますか。

<知事>

 まさに昨年の4月にそれが行われたわけでありますが、国としてもあのときのよかった点、よくなかった点、いろいろと検証されておられると思います。分科会の提言は提言として国のほうでは御判断されることだと思います。こちらからそれについては要請する話じゃないので、もしそういう決定がなされたら、それに基づいて、従って、富山県としてできることをやるということになります。

<記者>

 知事としては、見解を述べる立場ではないということでよろしいですか。

<知事>

 そうですね、はい。

<記者>

 まず、警戒レベルを判断される指標についてですけれども、今現在の指標というのは、7月2日にステージ1に行ったときに引き下げたときに見直しをされていて、このときはデルタ株関連のことは反映されていないと思うのですけれども、今回、先ほど総合的に、医療の提供体制等も総合的に判断してという話もありましたが、改めて、重症病床稼働率は基準に達していないけれども引上げの判断に至った理由を改めてお伺いしたいのと、今回のデルタ株のこの感染の急拡大を含めて、指標の見直しなどは必要と考えておられるのか、お聞かせください。

<知事>

 重症病床稼働率が基準には至っていませんが、実は8月の5日から11日までの1週間で重症者数が4人から8人と、言わば倍増したわけであります。幸い、倍々とはなってきませんでしたが、いつ急激な増加が起きてもおかしくない、まさに予断を許さない状況にあると考えています。また、毎日の感染者数も60人から70人台で高止まりをしています。1週間平均の入院者数は、基準の140人から40人も上回っている181人となっているところです。また、実数では、先ほども申し上げましたが、日々最高を更新しておりまして、昨日段階で220であります。病床の使用率につきましては、国のステージ4.、これはすなわち爆発的な感染拡大及び深刻な医療提供体制の機能不全を避けるための対応が必要な段階と言われる基準である。それは50%ですが、それに迫るところになっています。早晩、県内の医療提供体制は逼迫し、県内の通常の診療体制に影響を及ぼしかねない状況になっています。

 こうした状況を避けるために、また県内の医療提供体制を確保するために、重症の病床稼働率は基準には達していませんが、現在の状況を総合的に判断して、ステージ3に上げるということにしました。感染者が増えていることにより、本当に今、現場の頑張りで何とかなっている状況です。医療現場の負荷はかなり高まっているということをぜひ御理解をいただき、ステージ3のお願いする外出自粛などの要請に御協力をお願いしたいと思います。

 今思い出しましたが、実は8月1日に県の総合防災訓練を行いました。今年は滑川市、魚津市、上市町、舟橋村、4市町村の10の会場で行いました。総合防災訓練ですから、様々なことを行います。特に今回は地震と豪雨のダブル災害という設定でやりましたので、かなり広範囲な、そしてかなり突っ込んだ訓練になりました。その訓練の中に、トリアージというのがあります。やっぱり災害ですからどんどん負傷者が運ばれてくる。で、医療体制はもうまさに逼迫しているわけです。ですから、トリアージというのはその運ばれてきた段階でこの人には施術を施すのか、あるいはもうここで諦めるのか、それを判断する大変に苦しい作業です。それももちろん訓練ですが、それをやっていました。それを目の当たりにして、これがトリアージということかということを私は目の当たりにして、大変にショックを受けました。今まさにそういう災害級の状況が起きようとしている。平時ではありますが、いわゆる地震や豪雨という自然災害ではないのに、そのようなトリアージを行うところまでもう目の前に来ているということです。ですから、今回このような判断をさせていただき、何とかここで踏みとどまりたい、そのような思いでございます。

<記者>

 今現在のこのロードマップの指標については、現段階でそういうデルタ株のこの感染のスピードなどを考慮して、見直しなどのされる考えというのは、現時点ではどうでしょうか。

<知事>

 これは5月でしたか、病床の確保の体制も拡充をしておりますので、それを勘案すれば、現時点での見直しは必要ないのではないかと考えています。

<記者>

 今のその5月に改定した病床の確保計画について関連して続けてですけれども、今、現時点で1日当たりの、病床の確保計画も1日当たりの入院者数でフェーズの引上げなどを判断されていると思いますが、今の1日当たりの入院者数でいいますと、フェーズ4の目安の140人以上をもうはるかに超えている状況ではあるのですけれども、県内ではフェーズ3の状況だと先日も知事もおっしゃっておられましたが、ここを引き上げられない理由というのは、どういったところに理由があるのでしょうか。国の指標でいうと状況はかなり危機的状況だと思うのですけれども。

<知事>

 それはですね、先ほども質問が出たことにも関連しますが、うちの場合は宿泊療養施設をうまく使いながら乗り切ってこられたということがあります。入院者数の人数といっても、その中身はいろいろありまして、やっぱり上り坂、上り状況の方、いわゆる入ったばかりでもしかしたら今後悪くなるかも、より中等の位置に、重症となる可能性のある方、逆に、中等から下がりつつある方、いろいろあるわけであります。今現場の判断で下がりつつある方についてはいち早く宿泊療養施設に移すということで、そういうオペレーションをすることによって現場は回っている状況です。ですから、今のところ、おっしゃるように病床の確保のフェーズではデータ的には4のところですが、3で今踏みとどまっているということです。

 これが、実は4というと、プラスまた112(病床)ですか、増やすことになります。これを各病院でいうと、言わば1つの病棟を潰すということになるのです。ということは、一般の患者さんをそこでは診れなくなるということです。今も、例えばある公的病院では、もう一般の病棟は満床の状況でもあられるということもお聞きをしました。全てがそうとは限りませんが、そういう状況もある。そこで、さらに今フェーズ4に行くというのは、我々としてもそれを依頼するときには相当慎重な判断が必要だと考えています。コロナの対応は、もちろんこれは大切ですが、でも一般の患者さんを診る一般診療も、もちろんこれは県民にとっても普通に大切なことです。このあたりの兼ね合いで今考えているということを御理解いただければと思います。

<記者>

 飲食店などへの時短要請についてお尋ねします。先ほど、来週中なるべく早く、国と調整してなるべく早く公表して、なるべく早く実施したいというお話でしたが、一部報道では、開始日を20日を軸に調整するという報道もありましたが、今、現時点でその開始スケジュールですとか、金額とか、調整中とも先ほどお話ありましたが、事業者にとっては多分早く知らせてほしいという思いもあると思うのですが、今現状、大体何日ぐらいに開始ですとか何日ぐらいに公表という目途がもし立っていたらお聞かせください。

<知事>

 これはやはり来週できるだけ早くということで、ぜひ今日のところは御理解いただきたいと思います。1月第3波のときも時短の要請をいたしました。あのときは一律4万円ということで、とにかく早くということでお願いをしました。今回は、最近は売上規模によって変わるということがあります。そこら辺の制度設計もありますが、できるだけこれも早く制度も決めて、そして期間、それから対象の店舗、これをまず発表をできるだけ早くしたいと思いますし、それから実行もできるだけ早くしたいと考えています。いずれも来週中には可能だと思っています。

<記者>

 飲食店の認証制度の認証している店舗へのそういう要請とかを除いている都道府県等もあると思うのですけれども、今現状は認証を、応募はたくさん来ていて、順次認証を進めておられると先日もおっしゃっておられましたが、認証店への時短要請等は今現状どのようにお考えでしょうか。

<知事>

 本県では、時短要請という意味では特に分け隔てなくさせていただきたいと思いますが、やはり認証をいち早く手を挙げられて、そして認証を受けられたお店に対しては、何らかの差別化は必要だというふうに考えています。そこも今制度の中で考えているところでございます。

 確かにおっしゃるように、県によっては認証を受けたお店は外しているという県もあることは承知をしています。ただ、果たしてじゃあこの人流をなるべく下げて、そして飲食由来の感染拡大を防ごうというのが趣旨ですから、もしその認証店に逆にこう、集客が集中をして、来客が集中をしてしまったりすると、またちょっと困ったことになるのじゃないかなという懸念があるので、今のような本県ではそのような対応を取らないことで今考えています。

<記者>

 先ほどの会議でも、今回の会見でも、知事は極めて危機的な状況っておっしゃったのですけども、週明けの16日ではなくてですね、お盆もたくさん、15日も人は多分集まるのですけど、例えば15日から移行するとか、そういう考えってなかったのでしょうか。

<知事>

 1つは、ステージ3にするとなると、例えば先ほどの県としては文化施設や体育施設を止めるということは我々の判断でできるのですが、それに伴いまして、やっぱり市町村でも同じようなことがあるのですね。どう判断されるかは市町村ですが、こちらから命令するわけにはいきません。そのような調整などが必要なことも多々あります。ですから、1日2日の準備期間は必要だというふうに御理解いただきたいと思います。それと、やはりお盆ですよね。これは心情としてせっかくのお盆にステージ3かよというのも、私の心情としてはちょっと忍びない気もいたします。そんなことを考えて、16日からということにさせていただきます。

<記者>

 少し振り返ってみたいのですが、7月22日からの4連休の後の28日に富山アラートというのを出しています。今回も8月7日からの3連休の前の10日に特別警報を出している。ただ、結果的には感染拡大は止まらなくて、今回ステージ移行ということになるのですけれども、こういった対応が非常に後手後手に見えるという指摘がありますし、私もそんな気がします。例えば連休の前に具体的に手を打つとか、ステージを上げるとかですね、その辺のスピード感は、知事はどう、適切だったと考えていますでしょうか。

<知事>

 先ほどの御質問にもありましたが、私は順を追ってロードマップというものに従って物事をこれまでもやってきたわけでありますから、順を踏んでやってきたということに別に後悔はありません。

<記者>

 順を追ってということだと思うのですけど、例えばこれも今回のステージ上げるのも、指標だけではなくて総合的な判断という言葉がありますよね。なので、例えば予防的な措置でやるとか、そういう判断もあったと思うのですけども、それについてはどうですか。後悔はないと言われてしまうとそれまでですけども。

<知事>

 このデルタ株というもの、これをどう捉えるかということ。実はこれ、今うちの衛生研究所でもスクリーニングをやって、そしてゲノム解析をやってということができるようになりましたが、まだまだリアルタイムではできていません。ですから、やっぱり私はデルタ株の扱い、出始めたときからこれをどう扱っていくのか、あるいはどう対処すればいいのか、ぜひ国で知見をいち早くお願いしたいということは、全国知事会で毎回言い続けてきました。それは、地方の手に余るからです。でも、勢いこのようなことに全国的になっています。東京は最もひどいことになっています。本県に限らず、ほぼ全ての都道府県が今大変なことになっていることであります。やはりこのデルタ株への対応の仕方、今、パンデミックはこれまでも人類として経験をしていますが、このデルタ株との付き合い方というのは、これはやっぱり初めてのことではないかと思います。ここにおいて、私としては、本県としてはできるだけの適時適切に判断をしてきたと思いますが、その未知の敵との戦いであるということはぜひ御理解をいただければと思います。

<記者>

 とすると、後手に回っているという指摘は当たらないということですか。

<知事>

 デルタ株(の拡がり)は速いということですね。

<記者>

 時短要請の件ですけども、なるべく早い時期に公表して実施したいということですけども、今国と協議していると。考え方だと思うのですけど、この16日からステージ3になって、要請される期間までのラグが少し生じますよね。例えばですけども、今日全て発表というか具体的なプランを出してしまって、きれいにスタートするという考え方もあると思うのですが、国との協議が調い次第ということですけど、例えばその国との協議を始める時期が適切だったか、遅かったのではないか、その辺はどうでしょうか。国が相手だからどうしようもないのでしょうか。

<知事>

 実は水面下ではしばらく前からそれはやってきました。ただ、国もやっぱり今、全国の話ですから、富山県のことだけを専門的にやっていただけているわけではないので、私どもとしては別に国を責めるつもりはありませんし、一生懸命それぞれの御担当の方が考えていただいていると思っています。

<記者>

 なるべく早く、公表はつまり来週のもっと早い時間ということですね、要請を始める前のもっと早い時期ということですよね。

<知事>

 そうですね。

<記者>

 知事、かねてですね、飲食店の方々、コロナでかなり疲弊しているということをおっしゃっていて、懸念もしているし対策もしてきていらっしゃると思うのですけども、今回またこうやってその要請をしてお願いしなきゃいけない。その辺の飲食店さんの事情を踏まえても、やっぱりやむを得ないのだと、そういうことなのでしょうか。御商売、非常に皆さん大変ですよね。

<知事>

 そうですね。もちろん私の友人にもそういう飲食店の経営者がいて、本当に窮状はよく聞いています。ですから、やっぱりこれはお店の側と利用する側、両方がやはりともにこのコロナの感染拡大を止めようという思いがないと、やっぱり実効は上がらないと思うのですね。ですから、お店には御苦労をかけますが、でも利用する側も節度を持って利用する、そのようなお互いさまの気持ちがないと、飲食店だけを閉めたり、あるいは御苦労をかけるだけでは、実効は上がらないと思います。ぜひ利用される県民の皆さんの側にもこの飲食店の状況をよく御理解をいただいてですね、御協力をお願いしたい、これはもう本当に心からお願いをしたいと思っています。

<記者>

 こうした(ステージの)引上げなどを見て、今夏休みですけども、お子さんを持つ家庭とかは非常に今後どうなるか心配すると思います。その中で、2週間もすれば学校関係も始まってくると思うのですけども、今後学校関係などへ何か要請とか、準備とか、そういったものがあれば教えていただけますか。

<知事>

 最近10歳未満のお子さんたちへの感染というのも増えてきて、全国的にはそういう状況にあると聞いています。ですから、学校の現場でもですね、そのような感染の防止対策の徹底はこれまでもお願いしてきましたが、やはりもう一回デルタ株だということを強調して、さらなる感染対策の見直し、徹底をお願いしていかなければならないと考えています。

<記者>

 このまま続けば、9月入って学校が始まるような時期でも、例えばこのような状況が続いた場合、学校運営にも影響あると思うのですけども、そこについては今どういうふうに考えておられるかとか、ございますか。

<知事>

 休校までは今のところは考えてはいません。やはり教育の機会をちゃんと確保してあげる。もちろん今、オンライン授業なども大分できるようになっていきましたが、昨年はかなりが自宅待機でお子さんたちは感染拡大ということと、休校のデメリットも大分議論されたところであります。やっぱり学ぶ機会の確保ということは大切にしたいと思いますので、ここは教育委員会ともしっかりと話をしながらですね、感染の防止の対策をしっかりとしながら、リアルの授業は機会を確保して、子供たちの教育をちゃんとやっていく。それは何とか両立をさせていかなければならないと考えています。

<記者>

 もう1点ですけれども、例えば自粛疲れなども言われている、指摘があるとは思うのですけども、総合的に今回引上げのほうを判断されたということですけども、またステージを下げていくというタイミングというのは、どのようなふうに考えておられますか。どこまで頑張ればいいかというか、一般的にゴール設定というか、気持ちの面でそういった部分が見えると頑張りやすいのかなと思ったのですけども。

<知事>

 私どもとしては、1つはですね、もちろん感染者数が減っていかなければなりませんが、それに伴い、入院者数が今の140ですね、平均での、それをまず切ること。それがアップダウンサイドに行く一つの判断材料かなと思っています。

<記者>

 そこが減少トレンドになれば、少し検討が始まるかなというような状況であるということですか。

<知事>

 そうです。140を切って、さらに下がるトレンドになってきたら、検討の段階だと思います。

<記者>

 学校関係の質問で追加ですが、現状、夏休みという期間ですけれども、部活動などをされている学校や生徒さんがおられると思うのですが、部活動については、このステージ3の間、県としては県教委に対して何か要請されることはありますか。部活動を自粛してくださいとかですね。

<知事>

 これまでも感染の対策をしっかりとした上で、そういう課外活動には取り組むようにというふうな注意喚起はもう常にやってきました。

<記者>

 ステージ3に引き上げても、感染対策を徹底した上で部活動の実施は県としては容認するといいますか、大丈夫というようなスタンスになるのでしょうか。

<知事>

 そうですね、それについては今明確にまだ決めてはいませんが、確かに一つの観点だと思うので、早急に検討したいと思います。

<記者>

 あともう1点、飲食店に対して時短要請、実施されるということですが、現段階では、例えば酒類の提供自粛を求めたりというところまでは、まだその段階ではないのでしょうか。何か検討されている内容で、酒類の提供自粛も例えば地域によってはあるとか、そういったことを考えていらっしゃることあればお伺いします。

<知事>

 いや、今の段階ではそこまでは考えていません。

4.関連ファイルのダウンロード

【資料1】警戒レベル「ステージ3」への引き上げについて(PDF:569KB)(別ウィンドウで開きます)

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