更新日:2021年3月12日

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定例記者会見[令和元年8月9日(金曜日)]

  • 日時 令和元年8月9日(金曜日)午後1時34分~2時24分
  • 場所 県庁3階特別室

1 知事からの説明事項

(※)配布資料は「関連ファイル」からご確認ください。

内容 動画
(1)豚コレラをめぐる県内の状況等について 令和元年8月9日 知事定例記者会見(説明事項1)の動画へリンク(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
(8分00秒/手話あり)
(2)首都圏若者向け移住創業等支援事業「とやまスタートアッププログラムin東京」の開講について 令和元年8月9日 知事定例記者会見(説明事項2)の動画へリンク(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
(8分10秒/手話あり)
(3)「イタリアン食の祭典」等の開催について 令和元年8月9日 知事定例記者会見(説明事項3)の動画へリンク(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
(4分05秒/手話あり)

2 質疑応答

内容 動画
  • (1)豚コレラワクチンの県内での散布時期について
  • (2)豚コレラワクチンの豚への投与について
  • (3)「あいちトリエンナーレ」の中止等について
  • (4)新幹線の敦賀延伸工事に係る小松、加賀温泉、福井3駅の駅舎工事の入札不調について
  • (5)昨今の日韓関係の県への影響についての所感
  • (6)県職員がエアソウル本社を訪問したことの事実関係について
  • (7)日本と韓国の関係はどうあるべきか
  • (8)豚コレラワクチンの豚への投与に関する国への要望について
  • (9)お盆の知事の予定
  • (10)大阪府知事・大阪市長のNHK受信料に関する発言の受け止め等について
令和元年8月9日 知事定例記者会見(質疑応答)の動画へリンク(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)
(30分11秒/手話あり)

注)上記は質疑応答の内容を大きく分けた項目であり、順番が前後している場合があります。

(※)配布資料(PDFファイル)をご覧になるには、Adobe社の「Adobe Reader」が必要です。Adobe Readerがパソコンにインストールされていない方は、下記のAdobe社のダウンロードページよりダウンロード(無償)してご覧ください。

(★)手話については、誤った数字等の発言があった場合にもそのまま通訳しています。
正確な発表内容については、会見録をご参照ください。

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3 記者会見録

1 知事からの説明事項

会見の様子<知事>
 それでは、私のほうから、3件発表させていただきます。
 第1点は、豚コレラをめぐる県内の諸状況についてでございます。
 まず、野生イノシシにおける感染状況ですけれども、これまで3頭の野生イノシシが豚コレラ陽性反応を確認いたしております。これは記載のとおりでございます。その後ですね、こうした死亡イノシシが3頭、陽性反応があったということですので、死亡イノシシに加えて、陽性反応を確認したイノシシの発見地点を中心とした半径10キロ以内及びその周辺地域で捕獲された野生イノシシにつきまして、豚コレラの感染状況の調査を実施しておりますけれども、今のところ、捕獲された野生イノシシについては、全て陰性ということでございます。
ただ、現在ですね、今1頭さらに検査中でありまして…。

<農林水産部長>
 4頭調査中です。

<知事>
 4頭やっているのか。4頭について調査中でありまして、これの結果はですね、早ければこの(本日の)夕方以降にですね、結果がわかり次第発表させていただこうと思います。
 それから、(2)の養豚農場の状況ですけれども、監視対象農場における状況です。
 豚コレラ陽性イノシシが発見された地点から、半径10キロ圏内に位置する5つの農場がございますけれども、これを農水省の通知に基づきまして、監視対象農場として、飼養豚の異常の有無について、毎日県に報告を求めております。現在のところ、全ての農場で異常なしということでございます。
 また、それ以外の養豚農場についてもですね、7月29日から31日までに立入検査を実施いたしまして、異常がないことを確認しましたほか、定期的に巡回指導を実施中で、現在のところ、全ての農場で異常なしということでございます。
 それから、1枚おめくりいただきますと、感染拡大防止対策の実施状況ということで、まず、養豚農場における防疫対策ですけれども、全ての養豚農場に対して、飼養衛生管理基準の遵守を徹底するように巡回指導等の際に改めて指導しておりまして、野生イノシシの侵入防止策の整備状況は、ここに記載のとおりですね、そもそも今回の豚コレラ緊急対策事業前に整備済みというのが6農場、それから、今回の県の豚コレラ緊急対策事業により整備するというところが10農場で、そのうち1農場は完了しておりまして、それから4つの農場は8月中旬までに完了する、それから、残りの5つの農場は8月下旬を目途に完了させるということにしております。また、電気柵などの自己施工等で対応しているというところが、3農場ございます。
1カ所でも豚コレラに感染したという飼養豚が出ますと、全県的な問題になりますので、各養豚農場に対してはですね、できるだけ速やかに防疫対策を徹底していただくように、引き続き要請してまいりたいと思います。
 それから、野生イノシシの捕獲強化ですけれども、富山市と南砺市においては、捕獲わなの増設分105基を発注済みでございます。また、富山市、南砺市、砺波市において、感染等防止のための捕獲イノシシ等の埋設処分地を整備済みでございます。これは、富山市であれば、山田地区や細入地区、砺波市は中尾地区、南砺市は、これは大鋸屋地区というようなことでございます。県からも強く要請して、迅速に対応していただくようにお願いしております。
 それから、(3)の経口ワクチンの散布でございます。昨日ですね、今日の(会見に来ていらっしゃる)記者の方も何人か取材にいらしていましたが、富山市婦中町千里地内でですね、県の畜産研究所の敷地内ですけれども、野生イノシシへの豚コレラ経口ワクチンの先行散布を実施いたしました。これは、10の穴を掘りまして20個、また、1カ月後、再度散布する予定にいたしております。二度食べてもらわないと、免疫ができないと、こういうことでございます。
 この昨日の先行散布に引き続きまして、来週8月13日火曜日からですね、県の豚コレラ経口ワクチン対策協議会、ここに記載されているような関係者で構成されていますけれども、ここが実施主体となりまして、富山市、南砺市及び砺波市におきまして、経口ワクチン散布を順次実施してまいります。このほか、小矢部市、立山町においても、散布を計画中でございます。
 今のところですね、このワクチンの散布予定エリアは、散布計画個数とすると6,000個、150地点で1(地)点(につき)10穴、それで1つの穴に2個ずつそれを2回と、こういう計算でございます。散布面積は150平方キロに及びます。
 それから、いずれにしても豚コレラはですね、豚(や)イノシシの病気で、人に感染することはないと、また、感染豚の肉が市場に流通することはありませんけれども、万が一感染の豚の肉を食べても健康に影響はないと、こういうふうにされておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。

 2点目ですけれども、首都圏の若者向け移住創業等支援事業「とやまスタートアッププログラムin東京」の開講でございます。本年度ですね、新たな事業といたしまして、九州大学の熊野正樹准教授、富山県出身の方ですけれども、この方を講師に迎えて、30名の受講者で、9月7日に開講することにいたしております。これは、ご承知のように、国にお願いをしてですね、東京23区等から地方に移住した場合に、移住で100万円、さらに起業すれば200万円加算して、合計300万支給するという制度をつくっていただきましたけれども、これを受けて、本県で移住者創業チャレンジ応援事業というものをつくったわけでございます。
 かつ、この(プログラムの)事業概要ですけれども、この起業支援金制度の実施にあわせまして、都内でこのスタートアップ、とやまスタートアッププログラムを実施しまして、富山県内への移住と起業を支援すると、こういうことでございます。
 なお、このスタートアップと言っておりますのは、起業の中でも新しいビジネスモデルをつくり出して、投資会社の投資を受けて、短期間での急成長を目指すものであります。一般的には、これに対して普通の商店の開業などはスモールビジネスという言い方もあるわけで、ここであえてスタートアップと言っているのは、今のような趣旨でございます。
 それから、受講者の概要ですけれども、6月14日から7月31日まで募集をいたしました。対象は、首都圏在住で、本プログラムを受講後2年以内に富山県で起業し、移住を希望する方、18歳から40代の方と。受講料1万円といたしております。
 実は募集定員(は)20名程度と考えていたのですけれども、たいへん多くの応募がありまして、応募された30名(について選考の結果、全員を受講者として決定)ということにいたしました。内訳は、男性21名、女性9名とか、年代もここに記載のとおりですが、20代の方が11名、30代の方が13名など、平均年齢で31.7歳、大変お若い方が集まったということでございます。
 また、住所だけ拝見しますと、東京23区の方が18名、それ以外の神奈川とか千葉、埼玉、こういった方が12名ということでございます。
 それから、もともとの出身はですね、県外出身の方が10名、それから、富山の県内出身という人が20名おられます。なお、職業としては、既に何らかの会社を経営しているという経営者が7名、それから会社員が20名、それから公務員が1名、学生が2名とこういうことでございます。
 それから、実施時期としては、3のところをご覧いただきますと、9月7日からまずオリエンテーション的なことをやりまして、それから10月、11月、12月、1月、2月と、全部で6回ということでございます。やはり、富山に移住して、起業してもらうという趣旨もございますので、このうちの第3回目、11月2日から3日はですね、富山で開講いたしまして、ビジネスアイデアを創造するとか、暮らしやすさや起業環境(の)紹介をするとか、私からも話をさせていただくとか、あるいはとやま起業未来塾などの卒塾生の何人かと交流していただくとか、情報交換するとか、あるいは、県内企業を視察していただくとか、こういったようなことを予定いたしております。
 もっとも、この県内企業の視察というのは、とやま起業未来塾の修了生が経営している企業を中心に考えております。
それから、なお、皆さんが一堂に会して勉強するというか、研修するのは全6回なのですけれども、各回の終了時にですね、この熊野さんが、あるいは講師がですね、受講者に課題を与えて、メールやSNSで随時連絡をとり合う仕組みとしておりまして、プログラムは実質半年間、切れ目なく継続すると。また、この期間中や終了後もですね、富山県や新世紀産業機構がサポートをすると。また、東京開催の場所はですね、コワーキングスペースを、fabbit大手町というのを確保しておりまして、このfabbit社というのは、全国的な会社なのですけれども、今回このとやまスタートアッププログラムに注目されまして、大手町オフィスを、利用料無料でぜひ使ってほしいと、こういったことでご提供いただくということで、大変ありがたいと思っております。
 もっとも、このfabbitという会社は、いろいろベンチャー企業などに投資もしている企業ですから、会社とすると、こう意欲的な人がですね、富山でもって起業する、見どころがあれば投資もしたいと、そういう狙いもあるいはお持ちなのかなと思っている次第でございます。
 なお、2月8日東京の欄にですね、ベンチャーキャピタル等を招へいしてのピッチ大会とございますが、ピッチ大会の趣旨はですね、投資家への説明会ということですけれども、従来のプレゼンテーションとかが、既存の商品とかサービスの説明ということに一般的にはなりますが、このピッチ大会というのは、新しいコンセプト、サービスの売り込みをですね、ピッチというふうに言って、要するに非常に新たなチャレンジングなビジネスを提案するんだというような思いを入れて、言っているということでございます。

 次に、3点目でございますが、「イタリアン食の祭典」等の開催であります。これは、一昨年から続けていまして、今回が3回目でございます。9月16日に行います、場所は富岩運河環水公園、また、主催は富山県。それから、出展者は20事業者程度を考えております。また、もちろん対象の方は一般の県民の方、観光客の方々ということでございます。
 内容はここにあるとおりですけれども、イタリアンレストラン等による、例えばシロエビなどの県産食材を用いたピザやパスタのほか、チーズやデザートなどの飲食販売も行ったり、富山産のワインとか地酒、ソフトドリンクだとか、あるいは、今年の目玉の一つになるのでしょうかね、富富富と黒づくり、イカの黒づくりのときの黒づくりをかみ合わせて富山ライスコロッケというのをつくって、食べていただくと。
 それから、今年もこのパンチェッタ・ジローラモさんに来ていただいたり、イタリアン料理協会の落合会長さんにも今年もおいでいただく。それから、イタリアン音楽とか、地元でご活躍のtomomiさんのライブなども、それから、ワイン講座などもございます。それから、イタリアンクラシックカーの展示もあると。
 それから、イタリアンランチクルーズということで、これは初開催ですけれども、今年就航した新艇「kansui」ですね、これに乗っていただいて、県産食材を活用したイタリアン、これはどうしても弁当形式にならざるを得ませんけれども、それを楽しんでいただいて、クルーズを楽しんでいただくと。シェフの解説つきと、それからワンドリンクつきということで5,000円ですから、割安だとも言えるかと思います。ぜひ多くの方のご参加を期待しております。
 それから、1枚おめくりいただいて、イタリアンパーティー、これは5回連続の開催となりますが、こちらのほうは参加費1万円ということでございます。いつもすぐに定員になってしまいますので、ご希望の方は早目に申し込んでいただければと。
 それから、親子料理教室、昨年はちょっと開催できなかったのですけれども、2年ぶりに開催して、場所はサンフォルテの2階で行うことにしております。親子16組32名まで、参加費500円ということですから、私も一昨年のぞいてみましたけれども、本当に懇切丁寧な説明で、親子で非常に楽しんでおられた家族が多かったなと思っていまして、県内の小学生に、東京で活躍するトップシェフがイタリア料理教室を開催するということですので、多くの方が楽しみにしていただけるのではないかと思います。
 以上で、私からの説明を終わらせていただきます。

2 質疑応答

会見の様子<記者>
 豚コレラのことで、何点かちょっと聞かせてください。

<知事>
 はい。

<記者>
 昨日から始まったイノシシ向けの経口ワクチンのことなのですけれども、確か農林水産省が富山を含む7県に対して散布を認めたのは、7月の2日だったと思うのですけれども、そこから散布、結果的に富山では散布前に野生イノシシが、感染したイノシシが見つかったということと、完全な抗体ができるまでの時間を考えたときに、もう少し早くちょっと認めてくれて、もっと早く散布できればというような印象もちょっと持つのですけれども、国の一連の対応について、知事の見解を聞かせてください。

<知事>
 そうですね、我々のほうはですね、そもそも、もう飼養豚とかにも感染している県が、ほかの県は皆、7県といっても富山県以外そうなのですが、富山はまだイノシシだけだったわけですね。その段階でもですね、私どもはなるべく豚に感染しないように、それに、そのためには、野生イノシシが次々感染していくというのは困るので、早く豚コレラの経口ワクチンを隣接の県でもね、打てるようにしてほしいというお願いもしてきたのですが、だいぶ後になって、正確な日付は忘れましたが、隣接県でもやってもいいよということになったのですが。
 なおかつ、はじめはそういう方針が決まっても、私どもは少しでも早くやりたいということだったのですが、実施計画をまず県がつくって、それを国が認可というか許可をして、そして、それを受けて補助金申請をして、補助金は、農水省とは別の団体がくれるのですけれども、いずれにしても国の外郭団体みたいなものですね、そこが交付決定をしないと、ワクチンの散布ができないと、そういう、国のおっしゃるとおりにしていると、もう散布そのものは8月下旬からになりかねなかったのですよ。そんなスローな仕事をしていたのでは、そうこうしているうちに、もう豚本体にもう感染してしまうではないかと、少しでも早くやらせてくれといって、まず、先行散布を昨日やらせてもらい、それから、それでも最初は、いま言った実施計画の国による許可というか承認、それから、補助金の交付決定がないとですね、できないというので、早くて8月下旬という話だったのをですね、とんでもないと、そんな悠長なことをやっている状況ではないということで、実施計画の承認等も早めてもらい、それから、補助金の交付決定の前にですね、もう先にやっても補助対象にするという方針に切りかえてもらったので、我々としては、これがもう精いっぱいかなと。
 ただ、もちろん、農水省、国の関係省も豚コレラが岐阜、愛知、7県にまで広がりましたので、やっぱり大変だろうとは思うのですね。各県によっていろんな話もあるでしょうし。しかし、率直に言って、やっぱりちょっとスピードアップしてほしいなと思いますし。また、取り扱いがあまり各県で違っても困りますし、全国的なさまざまな統一的な考え方をね、特にこういうコレラの感染という問題ですから、しっかりした方針をなるべく速やかに、しかも地方の現場の実情に沿った形で示していただくとありがたいなと。
 先般もそういう趣旨で、局長さんにもお会いしたりいたしましたけれども、今後もですね、農水省等にしっかり働きかけていきたいと思います。

<記者>
 ちなみに、その経口ワクチンの散布について、国として、早くしてくれというふうに、いつぐらいから要望というか、打診をされていたのですか。

<知事>
 そのイノシシのほうですね。

<記者>
 そうです。

<知事>
 正確な日、わかるかい。

<農林水産部長>
 7月の3日には、もう私が行って、要望していました。

<知事>
 ということですね。

<記者>
 わかりました。
 すみません、あと一点いいですか。
 それでは、イノシシ向けワクチンは、別に豚にも直接の予防接種、ワクチンのことで、養豚の業界団体からも、豚に直接ワクチンをというような、強まっていると思うのですけれども、その辺等の知事の対応、見解はいかがでしょうか。

<知事>
 そうですね、ほかの県と違って、富山県は、とにかくまず、飼養豚に豚コレラが感染しないようにするというのが先決ですから、今、そこに全力を挙げているわけですけれども、ただ、実際に飼養豚に豚コレラ感染してしまったという県も、あれ、6つ、7つになるのかな、6県か。

<農林水産部長>
 7県です。

<知事>
 7県か、7県になるわけで、そういうところの多くからはですね、やっぱり養豚農家からワクチンを打たせてほしいという声が出て、知事さんの段階、県としても、できればそうしてもらえないかという申し入れされているという状況も出てきております。
 国のほうが、やっぱりそれについて、最初、かなり慎重というか、やや否定的だったのはですね、せっかく苦労して豚コレラについて清浄国になったのに、そういう県や地域が出てくると、日本国の豚全体が、日本国全体が非清浄国ということに逆戻りして、豚などの、これからは農産物も輸入だけではなくて輸出もする時代ですから、輸出などにも支障も出てくるといったことを懸念されていたのだと思うのですね。
 ただ、最初のころよりも、もう今の段階で7県、富山県はまだそこまでいっていませんが、7県が、そういう豚コレラが現実に飼養豚に感染したという状況になっていきますと、やはり、現実も踏まえてですね、判断が必要な時期に来ているのかなという気もします。国から、まだ正式な形で聞いていないのですけれども、いろんな考え方が、以前とは違って少し出てきているようで、例えば、現実に飼養豚が豚コレラに感染した県は、豚に対するワクチン接種を認めてですね、そのかわり、その県は、県単位でね、非清浄県になる。日本国の中である地域のところは非清浄圏域になると。それ以外のところは、清浄県ということで残すというような案も含めて、いろいろと検討されているやにも聞こえてくるわけで、富山県としますと、まずは、飼養豚に豚コレラ感染しないように、もう必死で今取り組んでいるわけですね。
 だけれども、万々一そういうことに、過去の例、ほかの県から見ると、意外とイノシシが感染されてから豚に感染するまでにあまり時間を要していませんから、そういう実態が仮にあればですね、改めて飼養豚農家のご希望もよく伺って、国ともしっかりと協議したいと、こういうふうに思っています。

<記者>
 県外の話で恐縮なのですけれども、先日、あいちトリエンナーレで、「表現の不自由展」の中止が決定しましたけれども、一連の流れはご存じだと思うのですけれども、それについて、知事の考えをお聞かせいただけますでしょうか。

<知事>
 あまり詳しく存じあげているわけではありませんけれども、新聞その他で拝読している程度ですが、やはり表現の自由というのは、もちろん大事なことであります。
 ただ、同時に今回の判断ですね、かなり危険性の高い、それこそ、ガソリンの携行缶などを持って押しかけるというような話も、そういった脅しみたいなこともあったようですから、最終的に企画展を取りやめるということにされたのは、やむを得ないのかなと思いますね。
 ただ、こういう芸術・文化にかかわることというのは、憲法上も「表現の自由」というのは保障されていますから、なるべく幅広く、いろんな立場の考え方、感じ方というもの、あるいは表現の仕方というものを受け入れるということも大切かなと思いますが、同時に、公共の施設での企画展ということですから、全く制約が何もないかというとですね、やっぱりある程度の制約というか、それは結局最後は国民の皆さん、県民の皆さん、多くの方がどう受けとめるかということと関係してくると思いますが、例えば富山県でも以前、これは私が知事に就任するだいぶ前の話ですけれども、県立の美術館で展示した作品について、いろいろ、ある思想傾向の皆さんから脅迫めいたことがあって、結果として、確か購入した絵画も展示をやめたりした経過があると思いますけれども、確か裁判になって、最高裁までいったと思いますが、最終的に県側の主張が認められたということでもありますので、なるべく表現の自由というのは尊重して、幅広く考えなければいけないとは思いますけれども、一定の場合にですね、やっぱり県民の税金などでいただいている施設の中で、どこまで展示するかということについては、ある程度の制約があるというのはやむを得ないのかなと、そういうことがあっての最高裁判決も出ているのではないかなと、そういうふうに受けとめております。

<記者>
 すみません、重ねてもう一問。
 展示は、その脅迫によるもの、脅迫によって中止になったと思うのですけれども、それまでの行政側からの展示に対する抗議だとか、介入があったのですけれども、それについてはどうお考えでしょうか。

<知事>
 これは、正直、中身をあんまり細かく承知しているわけではありませんので、いま申しあげたような基本的な考え方で理解していただければなと思いますけれどもね。

<記者>
 北陸新幹線の敦賀延伸に関することで、小松と加賀温泉と福井の駅舎について、建設工事が入札不調に終わった。背景としては、資材価格の高騰など、いろいろあるかと思うのですが、これによって、延伸時期の遅れとか、そういったようなことも懸念されるわけですが、知事のご所見といいますか、受けとめをお聞かせいただきたい。

<知事>
 ここにはいろんな事情、資材の高騰とか、労務費のアップとか、いろいろあったのだろうと推察しますけれども、いずれにしても、敦賀開業の時期が遅れるということがあってはいけないので、ぜひ予定どおりですね、今だと3年と7カ月後ぐらいでしたかな、予定どおり開業していただくように全力を尽くしていただきたい。
 我々としては、それはある意味では当然の前提として、その先の大阪まで早くやりたいという思いで、一生懸命、財源の問題も含めて努力しているわけですので、ぜひ鉄道運輸機構には、しっかりと対応していただければなと思っております。

<記者>
 昨今の日韓関係のことで、ちょっとお伺いできればと思うのですけれども。
 富山と韓国がソウル便でつながって大体20年ぐらい経まして、しばらくの関係だと思うのですけれども、昨今のその日韓関係の悪化によって、富山に何か悪影響が及んでいるのか。また、知事自身、その現状をどのようにお考えでしょうか。
 もう一つ、複数の韓国メディアの報道を見ていると、日本の地方路線の縮小が相次ぐ中、富山県の職員がこのエアソウルの本社に、路線の維持を求めたというような速報もあるのですけれども、このあたりの事実関係を確認させてください。

<知事>
 まず、日韓関係があまりよくない状況になっていることが、県内にどういう影響を与えているかということですけれども、例えば、富山-ソウル便についていいますと、7月ごろまでは利用状況が確か75%近くて、むしろ非常に好調だったのですけれども、8月、9月の予約状況は、これは詳しいことは、また関連の会社等に聞いていただくしかありませんけれども、かなり7月ごろに比べると、低下しているというふうに伺っています。
 これは、やはり最近の日韓関係の状況がやっぱり反映されているのではないかなと、こういうふうに思います。
 なお、日韓関係が今のような状況になったのについてはですね、ご承知のような経過があるのですけれども、例えばホワイト国から韓国を指定除外するといったことについてはですね、私どももちょっと心配になりまして、韓国にそうしたホワイト国の指定除外があった場合に影響がありそうないくつかの県に取材はしておるのですけれども、割合、県内のいくつか代表的なところに伺っているのですけれども、もともと韓国に輸出している量がそれほど大きくないとかですね、あるいは、それなりの量があっても、結局手続きの面で、今までよりもちょっと日数がかかるということにはなりますけれども、韓国のほうでそういう輸入したものを適正に使われるということがはっきりすれば、当然許可は出るわけですから、そんなに大きな影響はないというお答えのところが多いように思えます。
 結局、非ホワイト国といっても、それは今の中国とか台湾とか東南アジアの国々と同じ扱いになるというだけで、現に昨日ですか、許可も出ましたよね。だから、私が聞いている範囲ではですね、韓国へ輸出している企業の受けとめは、わりあい冷静なのではないかなと、これまでのところはですね、そんなふうに思っております。
 それから、県の職員がエアソウルを訪問したことについてのお尋ねですが、訪問したことはもちろん事実でありまして、ご承知のとおり、富山-ソウル便は、今、アシアナさんからエアソウルに引き継がれているわけですが、ご承知のように、冬場は去年、一昨年ぐらいから、要するに夏ダイヤだけになっていますよね。そこで、夏ダイヤの搭乗率が良ければね、冬も引き続き運航してもいいよとか、運航してねとか、そういう話は当然前からあるわけで、そういう意味での情報交換に行ったということでありまして、情報交換なり、意見交換に行ったということでありまして、通常の訪問ということであります。

<記者>
 外交は国のほうですが、今後、この両国の関係、どうあるべきだと思いますか。

<知事>
 これはね、もともと、このホワイト国からの指定除外云々の話は、直接は関係ないということにはなっているわけですけれども、徴用工問題とかいろんなことが重なっての最近の状況だと思います。
 それぞれ、日本国政府には日本国政府としての筋論があるのだと思いますし、韓国側もそれなりのもちろん思想があってのことだと思いますけれども、国と国、やはりどうしても大きな原則論みたいなのがあって、なかなか乗り越えにくいということもやっぱりあるのだろうと思いますけれども。私ども地方の自治体としますと、国と国とのいろいろ難しい課題があっても、地域と地域のおつき合い、あるいは、県民や民間の皆さんのおつき合いというものはね、できるだけそういうことはそれはそれとして、できるだけ交流を深める、また、県民、国民同士の理解を深めて交流していくと。また、民間同士の経済的な取引もですね、できるだけ冷静な形で続けていく、こういうことが、長い目で見れば、結局、国と国との関係を正常化していくということにもつながるのではないかと思いますので、そういう姿勢で、やっぱりどんなことがあっても、韓国は日本の隣の国ですから、そういったことに十分留意しながら、対応していくというか、おつき合いしていくということだと思います。

<記者>
 豚コレラ(について)、1点だけ確認をさせていただきたいのですけれども、豚への予防ワクチンの接種を認めるようにしてほしいという県内からの要望に関して、万が一豚に感染した場合、改めて希望をよく聞いて、国ともしっかり、準備を進めることだったのですけれども、豚が実際感染するまでは、今のところ、そういった要望を国に対して行うところまでは、現時点では考えておられないということは理解したのですが、それで大丈夫でしょうか。

<知事>
 いや、そういうふうには申しあげていないつもりなのですが、まず、県として今やるべきことは、飼養豚に豚コレラが感染しないように、野生イノシシによる感染をいかに防ぐかということに全力を挙げる、もちろん、(他にも)いろんなことがありますけれども、そういうことが大先決で、それに全力投球をしておるわけで、県の職員も、それから、猟友会の皆さんも、市町村の皆さんも、そういう気持ちでやっていただけているのではないかと思います。
 同時に、国に対してはね、うちはまだ豚が幸い感染する前の段階なのですけれども、いくつか既に豚に豚コレラが感染したところでは、そういうご希望が出ているようですし、また、県内にもそういった声があるので、国としても、どういうふうに対応すべきなのか、しっかりとした方針を示してほしいということは、もう既に担当局長さんにもお伝えしてございます。
 ということでございまして、さっき申しあげたように、国は最初はですね、どこかの県で一頭でもワクチンを豚に打つと、国全体が非清浄国になるという認識のもとに、こういう問題があるといろいろおっしゃっていたわけですけれども、しかし、それは必ずしも国全体が非清浄国にすぐなると短絡的に考えずにですよ、地域ごとに取り扱いを変えるということも、考え方としては、やりいいのではないかということは、一つのものの考え方としてお伝えしてありますし、しかし、かといって、地域ごとにそうした場合に、県単位で例えば清浄県と非清浄県に分けると、そこの、普通に考えると、その非清浄県になったところの豚は、その圏域内だけでしか消費できないと、清浄地域には出荷できないというふうに普通はなりますよね。清浄国と非清浄国が県単位で分かれるだけになりますから。そういったいろんな問題があるので、それは、やっぱりこの畜産行政を、ちゃんと国として所管しているところが責任を持ったバランスのとれた判断をしないと、現場は混乱するだけですよということをちゃんとお伝えしてありますので、国がしっかりとした方針をですね、もちろん我々の現場の声も聞きながら、なるべく早く示していただくということがありがたいと思っています。

<記者>
 今日は、厳しめの質問が続いたので、お盆は、知事は上海に弾丸訪問があるかと思うのですけれども、それ以外は、15日は戦没者追悼式がありますが、どういったご予定が。

<知事>
 本当はですね、今年こそは夏休みをちゃんと、働き方改革と私自身も推進しなければいけない立場ですし、推進すべきだと本当に思っていますから。ただ、上海便についていえば、いい方向にいっているわけですけれども、臨時便が一気に2便増えたというのも、ある意味では期待以上の成果なのですけれども、これをしっかりと定期便化していくということが大事で、今、そのためのたいへん重要な時期だと思うのですね。そこで、日程をいろいろ見ると、結局週明けしか空いていないので、はじめは夏休みとるつもりだったのですが、これはやむを得ないだろうということで、上海に、何というのですか、これ、1泊1日というのですか、実質ね、ということで行ってくることにいたしました。
 あとは、本当は15日は普通の方ならお休みになりたいところでしょうけれども、戦没者の慰霊の式典もございますし、なるべくですね、細切れにでも休暇をとってですね、私がとらないと職員もとりにくいと、最近は皆さん割り切っているから、あまりそういうことは影響ないような気もしますけれども、私がとったほうが、職員ももっととりやすいと思いますから、そういう努力をしていきたいなと思います。

<記者>
 NHKの受信料についてお聞きしたいと思います。
 日本維新の会の松井一郎大阪市長が、NHKが国会議員の不払いを認めるなら、大阪市もやめさせてもらうと発言し、大阪府知事も同様の発言をされましたが、いわゆる知事の見解と、あと、富山県が支払っている受信料が年間どの程度なのか、もし分かれば教えていただけますか。

<知事>
 これは、正直ちょっと私、まだ十分勉強していないのですけれども、一般的に申しあげれば、この受信料についてはね、いろんなご意見があることはもちろんかねて承知しておるのですけれども。いろいろご意見があっても今の仕組みが続いているというのはね、それは国会での論議も含めてですね、大方の国民の皆さんが、やっぱり公共放送としてのNHKの性格ということを考えて、それから、ほかの技術的ないろんな問題も考えた上で、受信料はある程度払うのは仕方ないのかなと思っていらっしゃる方が、少なくとも大多数だったと、これまではね、ということだと思うのですね。
 ですから、この問題について、非常にある意味では先端的というのか、主張を掲げてですね、当選された方もいるのですから、そういった方のご主張をよく、また伺うと同時に、そういうご主張というものを大方の国民の皆さんはどう思うのかということかなと思っておりまして、今の時点であなたはどう思っているのかと言われれば、諸事情で大方の国民の皆さん、また、法律などにも根拠があるわけですから、もっとやり方がないのかということについては、今後よく考えてみたいと思いますが、今の仕組みは、一定の合理性があるということなのだろうと思っております。

4 関連ファイルのダウンロード

お問い合わせ

所属課室:知事政策局広報・ブランディング推進室広報課 

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 県庁本館2階

電話番号:076-444-8909

ファックス番号:076-444-3478

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