更新日:2021年2月24日

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定例記者会見[平成31年4月27日(土曜日)]

  • 日時 平成31年4月27日(土曜日)午後3時35分~4時25分
  • 場所 知事室

1 知事からの説明事項

内容 配布資料 動画
(1)第2回一帯一路国際協力サミットフォーラム等への参加 概要報告 第2回一帯一路国際協力サミットフォーラム等への参加について 概要報告の資料へリンク(外部サイトへリンク) 平成31年4月27日 知事定例記者会見(説明事項1)の動画へリンク(外部サイトへリンク)
(24分20秒/手話あり)
(2)「日ロ知事会議」への参加について 「日ロ知事会議」への参加についての資料へリンク(外部サイトへリンク) 平成31年4月27日 知事定例記者会見(説明事項2)の動画へリンク(外部サイトへリンク)
(3分30秒/手話あり)

2 質疑応答

内容 動画
  • (1)シベリア鉄道を利用した物流高速化について
  • (2)日ロ知事会議への意気込みについて
  • (3)国土交通省のパイロット事業について
  • (4)習近平国家主席との会談について
  • (5)日中関係の変化と今後の富山県の取り組みについて
  • (6)富山-上海便の増便について
平成31年4月27日 知事定例記者会見(質疑応答)の動画へリンク(外部サイトへリンク)
(24分01秒/手話あり)

注)上記は質疑応答の内容を大きく分けた項目であり、順番が前後している場合があります。

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★手話については、誤った数字等の発言があった場合にもそのまま通訳しています。
正確な発表内容については、会見録をご参照ください。

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記者会見録

1 知事からの説明事項

会見の様子それでは、私から2点発表させていただきます。
1つは、今回北京に行きまして、一帯一路国際協力サミットフォーラムに出席をしてまいりました。また、せっかく北京に行くのですから、伝統工芸展のPRとか、それから観光説明会とか、さらには、今年シアター・オリンピックスがありますけれども、その参考とするためにも、芸術監督の鈴木忠志さんが北京郊外の古北水鎮で活躍されていますので、その活躍の舞台も拝見してきたということでございます。
この概要報告書という資料を1枚おめくりいただきますと、主な日程がここにあがっておりますけれども、全体を通じて4点ぐらい、成果というか重点的な結果が出たかなと思っております。
第1点は、この第2回目の一帯一路国際協力サミットフォーラムの地方協力分科会に出席させていただいて、富山県のこれまでの遼寧省をはじめとした中国との交流実績とか、今後の交流を進めていく大きな方向のPRとか、また、一帯一路の理念に沿って、国境を越えて地方間を結んでいくためには、航空ネットワークの拡充が必要不可欠で、そのためには、例えば富山県でいえば、富山空港と上海空港との便数が今、2便にとどまっていますけれども、利用率がもう8割近くになっていて、航空会社は、本当はもっと売りたいのだけれども売るチケットが無いといって嘆いているという状態なので、やはり一帯一路の理念、プランを実現に進めていくためにも、こういった国境を越えた交通インフラのさらなる整備が必要で、一例を挙げれば、例えば上海空港や北京空港の富山空港のような地方空港への便数の上限制限というものを緩和していただいたほうがいいのではないかといった提案をしまして、かなりの手ごたえがあったなと、こんなふうに思っております。これが第1点ですね。
もちろん、このサミットフォーラムで発言しただけではなくて、実際の権限を持っている中国の民用航空局とか、また中国共産党の対外連絡部とか、また、今回のフォーラムの地方分科会を取りまとめておられた、中国人民対外友好協会などの幹部にもお目にかかって、それぞれ今のような提案をして、比較的というか、かなり好意的な反応をいただけたなと思っております。
2つ目は、今回は大変ありがたいことに、二階幹事長が安倍総理の親書を持って習近平主席に会われるということがございました。私は、中国人民対外友好協会からのご招待ということで、この地方文化フォーラムで、中央分科会で日本の地方を代表するような形で意見発表させていただくということになりましたので、二階幹事長に、ある意味でご挨拶というか、またそういう提案をするわけですから、国政の与党の大幹部の方にご了解もいただこうということでお目にかかったのですけれども、それはたいへん良いことではないかと、そういう提案をするのは大いに結構だよということと、あわせて、せっかくその時期に北京にいるなら、習主席に自分が会うときに同行してはどうかとわざわざ言っていただいて、代表団の一員に加えていただきました。そして、習近平主席と二階幹事長のやりとり、特に習主席は、日中関係は今や正常な軌道に戻ったと、これをさらに深化させていく必要があるということを言われたのですけれども、日中関係長い歴史がありますけれども、少なくともこの5年、10年はたいへん厳しい環境が続いていたわけで、それが今、劇的に変わりつつある、そういう歴史的な大事な場面に立ち会わせていただいた形になってたいへん光栄だと思いますし、アメリカに習主席、今や中国だけではなくて、世界の指導者のお一人になっていらっしゃるわけですが、そういった方のお話をじかに伺えたというのも、たいへん良かったと思います。
それから3点目は、この機会に伝統工芸や観光、富山の観光をPRしようということだったのですけれども、後ほど簡単にお話ししますけれども、伝統工芸品のPR展示会でも観光説明会でも、中国側がたいへん熱心に関心を持っていただいて、非常にこれも手ごたえがあって、今後に大きな可能性があるなということでございます。
それから、シアター・オリンピックスの関係では、先ほど申しあげたように、古北水鎮を訪問したのですけれども、おうわさどおり、鈴木先生の助言のもとにつくられた大規模な野外劇場ですとか、また芸術監督用の宿舎も拝見し、また野外劇場でスズキ・メソッドによる演劇塾、これに中国各地からプロの俳優とか演劇の指導者の皆さんが数十名参加して、たいへん熱心に鈴木先生の指導を受けていらっしゃる。鈴木先生に対する中国の演劇関係者の深い敬意と信頼というものを実感いたしまして、こういう方が富山県に本拠を置いておられるというのは心強いなと。これも富山県の魅力の1つとして、特に文化面の魅力の1つとして、大いに活用させていただければと、こんなふうに思っております。

以下、各論を簡単にお話ししたいと思いますが、2ページをご覧いただきますと、古北水鎮は視察させていただいて、今ほど申しあげたように、古北水鎮にあります野外劇場は、2,000人の観客を収用できる、それこそギリシャのヘロデオン音楽堂を想起させる大規模な劇場でありました。詳しくはまたご覧いただきたいと思いますが、そこに中国各地からプロの俳優などが集まって指導を受けていらっしゃる姿を見て、たいへん心強く思いましたし、今、多分中国人の方が、分野分野であるとは思いますけれども、文化人で一番信頼なり尊敬されているのは、鈴木先生ではないかという気がいたしました。
それから、4ページをご覧いただきますと、観光説明会・商談会であります。これもまた、詳しくは見ていただきたいと思いますが、4ページの下の3つ目ぐらいの段以降を見てもらうと、今回、中国側の観光事業者の方、現地旅行社の方と富山県から行った観光事業者の商談会があったのですけれども、たいへん熱心な商談で、次々に組み合わせを変えようと思っても、商談が終わらないブースも多くて、なかなか熱気があったなと。また、いろいろ私も激励に行ったのですけれども、たいへん盛り上がりまして、特に要望としては、富山県の観光資源は確かに豊富だと、それにしてはまだまだ知名度不足だから、もっとPRに努めてほしいということと、それなりに立山黒部なども知られてはきたのだけれども、富裕層など、旅なれた旅行者向けの滞在型観光をさらに提案してほしいといったような、具体的なお話がありました。たいへん良かったと思います。
それから、6ページも、一応飛ばさせていただいて、7ページ以降が伝統工芸PR展示でございます。横井大使などにもご臨席いただいて、大変ありがたかったのですけれども、高岡銅器の折井さんとか、高岡漆器の武蔵川さんから、それぞれ実演なり説明をやってもらったのですけれども、中国側の方々、お客さんがたいへん関心を持って、熱心にご覧になっていたというのも印象的でしたし、また、ゲストスピーカーで王さんという方をお招きしたのですが、この方は、一昨年の12月に国際北陸工芸サミットをやったときに、海外選考委員も務めていただいた方ですけれども、非常に富山県の伝統工芸について高く評価されていまして、そういう趣旨のスピーチもやっていただきました。そのほか、鱒の寿司などもたいへん評価が高かったと思います。
それから、11ページ以降は中国共産党の中央対外連絡部でありまして、ここでも一帯一路のフォーラムに出席ということで来たということと、習主席のおっしゃる一帯一路を進めていくためにも、国境を越えた交通インフラの拡充が必要で、例えば、富山空港と上海便といったようなことも含めて、もっともっといろんな上限、制限を緩和してほしいといったお話をしまして、この中国共産党の中連部でも、割合好意的なお話をいただけたかなと思います。
それから、中身は言いませんが、中国国際放送日本語学習向けラジオだとか雑誌などの取材もあって、結構今回、富山県に関心を持っていただけたかなと思います。
それから、13ページ以降は、北京で伝統工芸PR展示会を上座家具、北京の798芸術区という地域があるのですけれども、アートと若者文化の発信地と言われているのですが、そこで5日間、富山県の伝統工芸特設コーナーを設けたのですけれども、詳しくは14ページを見ていただきますと、たいへん多くの方がいらして、かつ、デザインがシンプルで美しいとか、とても気に入ったとか、どこで買えるのか、早く買いたいとか、初めて見たけれども、今からワークショップに参加できるのかとか、ニューヨーク、ミラノ、パリなどでも非常に関心を呼んだのですけれども、やっぱり北京もそれと同じようなレベルというか、文化、伝統的な工芸品とか文化に関心が高い若い人がすごく増えていると、特に女性の方々にたいへん熱心な人が多いということを実感して、今後、富山県の工芸品の販路先として、非常に大きな可能性があると感じた次第です。
それから、16ページ以降は、中国青年旅行社、中国の旅行業界ではトップといっていいところだと思います。17ページ、18ページ、またご覧いただきたいと思いますが、いよいよ中国も個人旅行が中心になってきて、また、通過型からまさに滞在型観光、体験型観光を求める人が非常に多くなっていると。そういう意味で、観光資源がたくさんある、立山黒部だけではなくて、工芸品とか、あるいは和紙とか鋳物の体験とか、それから食べ物がおいしいとか、そういう体験型、滞在型の観光資源の多い富山県は、いま非常にチャンスですよと。我々もぜひ知恵を工夫するけれども、富山県側もさらにいろんな提案をしてほしいといった話も出ました。大変これからが楽しみだと思います。
それから、19ページ以降が、習近平主席との会談の場面でありまして、事柄の性格上、既に公表されていること以外はなかなか書きにくいのですけれども、日本側は二階幹事長をはじめ、私どもの代表団と、あと横井大使を入れて11名、それから、先方は、習近平国家主席をはじめとして、この丁さんと楊さんは政治局員ですよね、習近平さんを入れると3名も政治局員が出て応対されたというのはすごいことで、また、王毅さんは、ご承知のように日本でいえば外務大臣ですし、それから、孔鉉佑さんは外交部副部長ですが、次の駐日大使とされている人でして、そういう方々が9名勢ぞろいして応対されたというのは、相当中国側がやっぱり重視していただけたのかと思います。
この19ページの中ほどにありますように、二階幹事長から安倍総理の親書を手渡しされたのですが、既に報道されていますけれども、G20の首脳会議にあわせて、習主席が出席するということを自ら明言されまして、これは良かったなと思います。
また、習主席からは、下から4つ目の段を見ていただくと、「『一帯一路』の理念は中国の経済初点を世界各国・各地域に結びつけ、世界各地の可能性を活かし、世界全体の発展につなげていこうとするもので、ビジョンからプランに、さらに実行の段階に入りつつある。」と、自分の国だけが発展すればよいという考え方はとらないと。これは、暗にどこかの国のことを言っているのかなと思いましたが、「貿易と投資の自由化を進め、多国間で協調し話し合って物事を決めていくべき。また、日中両国関係は正常な軌道に戻った。これを深化していく必要があり、平和友好の方向で発展させたい」、これは、同席していましたから、まさにこういう言い方をされていたということでありまして、劇的な変化だなと思います。
二階さんからも、その下に書いてあるようなことでお話があったり、また、日中関係の新たな時代を切り開いていきたいので、あといくつか言われたのですが、特に青少年交流を大規模に進めたいということを、改めておっしゃっておりました。
たいへん和やかな雰囲気で、これまでの習主席が、報道等で画面に出られたときの表情とは全く違う、たいへん和やかな雰囲気だったなと思って、やっぱり習主席と二階幹事長とのこれまでの積み重ねの上に立った深い信頼関係があるというのを実感いたしました。たいへん歴史的な場面に立ち会えて、感激をしていたところです。

それから、あと、20ページ以降、中日友好協会とか、それから、22ページは現地レストランの視察とか、それからあと、(中国)民用航空局、これは、直接(の)権限はここですから、ここだけちょっと説明しておきますと、23ページの2段目から、一帯一路のためにも交通インフラ、国境を越えた航空路線の積極的拡充が必要不可欠ということと、富山空港の例をとって、北京、上海の空港に係る現行の制限緩和してほしいということを強くお願いしました。それに対して、李健さんという副局長が出られましたけれども、趣旨は分かったから、交渉相手の国交省の航空局にも、石井知事から話しておいてほしいとおっしゃるから、いや、もう話をして、航空局も、国交省の交渉に入りたいと言っていると言ったら、とてもにっこりして、早く交渉を始めたいというふうにおっしゃっていましたので、この話は、それこそ軌道に乗りつつあるのかなと思いますけれども、気を引き締めて努力していきたいと、こういうふうに思います。
あと、25ページが一帯一路のサミットフォーラムでの私のほうの発言ですけれども、大体この一帯一路の国際協力サミットフォーラムには、中国側の説明では、37カ国の首脳や政府要人、国連総長などで、全部で5,000人近い人が集まったと。それで、37カ国というのは、政府の首脳や政府要人のところにかかっているので、全部入れると100カ国以上は参加しているという説明ではありました。
それから、分科会は12に分かれていまして、私は、その中の地方協力分科会で意見発表するようにと求められたということであります。約500人の人がおられましたが、約20人が発表しましたから、4番目に登壇させていただきました。冒頭に申しあげたように、これまでの遼寧省などとの経済、文化、人的交流とか、また、これからの展望として、工芸品はもちろんですし、富山産米の輸出の話とか、富山湾の世界ブランド化、富山湾のお魚の魅力、こういったようなものもお話しをし、また、一帯一路のためにも、国境を越えた航空路線の拡充が必要であると、そういう面でいうと、日中政府間でのこれまでの取り決めの制限を緩和する必要があるというような提案をさせていただきました。さらに上海空港や、北京大興国際空港というのはこの9月末からオープンしますけれども、最初は今の北京空港の混雑防止が先ですけれども、将来便数を増加させるときには、成田、羽田だけではなくて、富山空港はじめ日本の地方空港への発着便数を増加できるように配慮してほしいといったようなことをお話ししました。
その後、李小林さんが、中国人民対外友好協会の会長さんですが、この方は、李先念国家主席という方が何年か前におられましたが、この方の御令嬢で、習近平さんとは幼なじみというので、中国の政治の世界ではなかなかの存在感のある方だと聞いております。なかなかスピーチ良かったですよと言っていただいて、社交辞令だと思いますけれども、ありがたく思いましたし、また、上海や北京の空港、富山空港の問題も重ねてお願いをしたということでございます。
そのほか、富山ファン倶楽部とか北京の富山県人会の夕食会などもありまして、一応、富山ファン倶楽部というのは、遼寧省の方が中心ですけれども、富山県に留学生で来たり、研修生で来たりした方の集まりで、400人ぐらいいらっしゃいます。本当に富山県を第2のふるさとと思っていただいている感じで、いずれみんなで、ポケットマネーで富山県を訪問したいというようなことも言っていただいて、ありがたいなと思いました。また、茶山さんという北京の富山県人会の会長さんからは、最近は人民日報に富山県の富岩運河環水公園の「世界でもっとも美しいスタバ」が取り上げられて、やっぱり新幹線開業後の富山県の勢いの良さを感じていますといったようなことをお話しいただいて、大変ありがたく思いました。

それから、あわせて、ロシアに今度、今度の中国への出張もそういった経過なのですけれども、正直、日ロ知事会議を実現できるかなと思っていたのですけれども、実現するということになりまして、そうなると、富山県もぜひ参加してほしいということで、参加させていただくことになっております。日程は、5月12日に出発いたしまして、13日が日ロ知事会議、1日やります。それから、14日は、これは私中心に書いてある日程ですが、FESCO、ロシア、シベリア鉄道を運営している(※シベリア鉄道の輸送サービスを提供している)会社ですね、ここの本社を訪問して、社長がドイツ出張中ですので、副社長とお会いすることになっております。そのほか、ロシア連邦院とか、いくつかのところを今、訪問させていただく予定でございます。
日ロ知事会議では、かねて富山県が取り組んでおりますシベリア・ランド・ブリッジをもっと活性化する、高速化して、日中露関係における地域間協力をもっとしやすくしようではないかと、そして、お互いにウイン・ウインの関係で発展するような社会インフラの整備をすべきだといった提案を、改めてしたいと思っています。
それから、サンクトペテルブルク市も参加される。市といっても、日本でいうと、日本にはそういう制度がありませんが、言うなれば特別市で、州と同じ権限があるという、あるいはそれ以上かもしれませんが、サンクトペテルブルク市は、現在市長が空席で、市長代行(※知事代行)になっていらっしゃるのですが、この方とお会いするということに、今、なっております。
このサンクトペテルブルク市とは、シアター・オリンピックス共同開催ということですから、お互いに連携し合って、シアター・オリンピックスを盛り上げましょうといったような相談をしようと。
それから、FESCOは当然、シベリア・ランド・ブリッジの活性化、高速化について、改めて働きかけをする、そういったことを考えている次第であります。
以上です。

2 質疑応答

会見の様子○記者
ロシアのほうなのですけれども、改めて、これまでも何度も伺ってはいるのですけれども、物流高速化というものが、富山にとってどういったメリットがあるのかという、その位置づけをお願いします。

●知事
これは、今、日本のヨーロッパへの輸出品などは、大半がスエズ運河経由で運ばれていまして、日数は30日から40日かかっているわけですね、西ヨーロッパへ行くときに。モスクワでは、むしろそれよりかかるかもしれません。一方、シベリア・ランド・ブリッジを活用すると、現在はまだややスピードがかかり過ぎで、20日を超したりすることが多いのですけれども、かねてから、10年以上前から働きかけをして、2年前に私がウラジオストク、沿海地方の知事さんとお会いしたころに、FESCOのウラジオ(ストク)支社長ともお会いして、その際に、今度こそ、このウラジオ(ストク)に陸揚げされた貨物は、モスクワまで、最初は14日と言っていたのですが、その後、15日で輸送するというふうに、これはFESCOの社長ご自身が言明されたわけですね。私が行ったときは、ウラジオ(ストク)の支社長が14日で輸送すると言っていましたけれども、その後、15日というふうにはなりましたけれども。
ただ、実証実験をやってみますと、実際荷物を運んで、19日かかったり、16日かかったりしているので、前よりは比較的まだ良くなったわけですが、もっともっと短くできるはずだと。私が10年前にロシア側に行ったときも、非公式の場では、昔、シベリア・ランド・ブリッジを与謝野晶子さんが、東京の新橋を出て、あのときは、残念ながら伏木富山港ではありませんで敦賀経由だったと思いますけれども、ウラジオ(ストク)からモスクワ経由でパリに、与謝野鉄幹さんに会いに行ったと。そのときに、新橋を出てモスクワに着くまで、与謝野晶子日記とかを見ると12日で着いていると。今だともう110年前ぐらいになるのではないかな、100年前に日本の大和撫子が12日で行けたところを、何でロシアはいまだに20日以上かかって荷物を運んでいるのかと、本当は1週間でもいいのではないかと言っていたことがあって、それで、何とかロシア側も、その後一月ぐらいして、ウラジオ(ストク)のそばのナホトカから、モスクワではなくてその先のところまで、10日間で運ぶという構想を打ち出されたのですけれども、ロシア側にはよくそういうことがありますが、構想は出たけれども、実行が5年、10年たっても実現しないと。それでも、少しは短くなっていますが、いまだに20日切るかどうかというような状態なので、今回はせっかくの機会ですから、改めて、10年前にこういう提案をして、その後こういう構想が発表されたけれども、いまだ実現していないと、ロシアほどの大国が、ぜひこういうことを実現してもらいたいと、なるべく失礼にならない言い方を工夫して実現を働きかけたいなと、こういうふうに思っておりまして。そうなると、正直、今年はいろんな行事があって忙しいのですけれども、やっぱり行かざるを得ないかなということで、今回行くことにしております。
あとは、もちろん、シアター・オリンピックスのこともありますので、幸い、サンクトペテルブルクの知事代行さんがお出になるようですから、お互いに協力し合って、シアター・オリンピックスを盛り上げていきましょうといった相談をしたいと。このことについては、芸術監督の鈴木先生や、もちろん実行委員会の吉田会長にもお話ししてあって、お二人もぜひ、そういうことでやってほしいと言われております。

○記者
あと、日ロ知事会議は6年ぶり(※9年ぶり)の開催ということで、日露首脳会談を話題に上げられるような、人的交流の大きな1つの柱と言われていると思うのですけれども、それにまた改めて今回参加されるということの意気込みというか思いを、ひとついただければと。

●知事
いま申しあげたとおり、とにかく約10年越しですよね。シベリア・ランド・ブリッジの高速化とか活性化ということは、理屈としてはロシア側の方も十分理解されているはずだし、これは決して一富山県や日本の都合だけではなくて、これを高速化すれば、世界の物流を大きく変える可能性があるので、私は、なぜロシアがこれを真剣にやらないのか不思議でしようがないのだけれども、改めて、これはロシアのためにも、日本のためにも、あるいは世界のためにも、ぜひこのシベリア鉄道の活性化、定時性化というのを進めてほしいということをお願いしたいなと。また、知事会で言うだけではなくて、実際やっていらっしゃるFESCOとか、ロシアの関係の企業にも、お話をしっかりしたいなと思っております。
それから、幸い今年は、国土交通省が、去年からこのシベリア・ランド・ブリッジに改めて関心を持っていただいて、調査費というか、実証実験をやるというのを、これは富山県がずっと先行して10年前からやっているのですが、国交省もお金を出すということになっていますので、これに富山県のプロジェクトも再度、いわば合併成功というか、一緒にやることにして、日本国政府も本気になってもらって、一富山県だけで言っていると、まだまだ。普通なら、どこにとってもメリットがある話だから、そんなにあちこち手を回さなくても進みそうなものなのに進まないから、とにかく味方は多いほうがいいので。幸い、国交省もようやく腰を上げてくださったので、連携しながらやっていきたいと思います。

○記者
今の国交省のパイロット事業は、昨年は伏木富山発着というのはなかった。今年は。

●知事
そうですね、今年は大丈夫だと思いますけれどもね。
正式に決まったという連絡は、まだないのかな。去年、局長に会って強く言ってきましたから、大丈夫だと思いますけれどもね。
だって、うちが最初にやっているのでね。だから、要するに、国も効率化とか、現在荷物が多いというところだけで、いつまでたっても東京ばかりが優遇されたり、太平洋側の港ばかりが優遇されるのだけれども、日本の国土構造を変える、もっと地方創生を進める、東京一極集中を是正するのだったら、もっと地方に光を当てなければいけない、そういう姿勢が足りないわけですよ。この問題だってそういうことなので、それを強く訴えて、ようやく向こうはその気になってくれたかなと思うのですけれども。

○記者
習近平国家主席との会談なのですけれども、その場に代表として参加された、地方として参加されたのは、石井知事だけなのでしょうか。

●知事
いや。全部で、横井大使は別にして、二階先生と、あと、19ページを見ていただくと、経団連の中西会長さん、それから自民党の幹事長代理の林、前経済産業大臣とか、何人かおられますが、知事としては、私のほかに滋賀県知事と高知県知事、3人が入っております。こちら側は、横井大使を入れて11人。それから、中国側は、習近平さんをはじめとして9人でしたが、習近平さんはもちろん国家主席で政治局員ですけれども、この丁さんと楊さんがたしか政治局員で、この交友会議で3人も政治局員が勢ぞろいするというのはめったにないことだと、中国側から聞いていまして、やっぱり習近平主席が二階先生をまさに国の、言うならばトップクラスの重要人物として扱われたということだと思いますけれども。

○記者
その会談の最後に挨拶を交わされた、握手もしたということなのですが、そこのやりとりというのは、これ以上出せないのですか。

●知事
いや、それはそうですね。それにしても、それはそれで、実質的な話というのは、少なくともそんなに一人一人とする時間はないですから。
ただ、私は、ある意味で感動したのは、最初(の予定時間が)15分だということだったのですね。ただ、同時通訳を入れての15分ですから、普通のやりとりの(時間はさらに短い)と思ったのだけれども、実際には話がはずんで30分余りになったのですね。これも異例なことで、実質、普通の通訳だったら1時間会ってくれたということになるのですよね。だから、正直、ここに書いていない、いろんなことがあるのですけれども、それは二階先生に聞いてください、私が言うわけにいかないので。

○記者
その中で、地方の交流大事だよねという、そのあたりについての言及はあったのでしょうか。

●知事
そうですね。二階先生が総論的な言い方でしたけれども、やっぱり、中国の一帯一路の、習近平さん自身が少し気にされて、これは、中国の発展を世界各国、各地域に結びつけて、世界各地のいろんな可能性を生かして、世界全体の発展につなげていこうとするものだというふうに、これはまさに、自らそういう表現で言われましたし、それから、自分の国だけが発展すればよいという考え方はとらないと。貿易と投資の自由化を進めて、多国間で協調し、話し合ったものを取り決めていくべきであると。これは多分、どこかの一国主義の方々がおっしゃっている面もあると思うけれども、要するに、中国さえよければいいという考えはとりませんよということを、はっきりおっしゃっているので。
それから、日中両国関係が正常な軌道に戻って、これも深化していく必要があると言われたのですが、その後、記者会見で二階先生が言われたことしか、ここにはあえて書いていないのですが、日中関係の新たな時代を切り開いていきたいという後に、もちろん国だけではなくて地方間とか、そういうような趣旨のことも言われたと思っております。
当然、事前にも、さっき言った分科会での、私がこういうプレゼンしますよということも説明してありますし、それはいいことだから大いにやりなさいというふうに激励もいただいたので、そういうことも念頭に置いたご発言をされていると思いますけれども。

○記者
知事としては、日中関係が劇的に改善の方向に向かっている、この機運というのは、観光客の売り込みも含めて捉えない手はないという、そういうお考えでよろしいですか。

●知事
日中関係の改善が観光や何かの面でプラスになるという、それも全く、間違いなくそうですね、はい。
ですから、さっき説明したように、観光説明会でもそうですし、それから、工芸の展示会もそうだったし、それから、中国青年旅行社というのも、中国共産党のすごく影響下にある旅行社ですし、そういうところでも皆、すごく前向きに応対してくれたのは、明らかに、一帯一路ということもあるけれども、その中でも、やっぱり一時期かなり危機的だった日中関係が劇的に変化しているということが、ああいう国ですから皆さん感じていて、すごくやっぱり対応が変わったなと思いますね、数年前と。
数年前も、もちろん地方間の交流は大事だと、国と国とはどうあれ、地方間の交流は大事だということは、中国側も一応おっしゃってお付き合いいただいたけれども、何となくちょっとこう、少し腰が引けているというか、そういうような感じもしないでもなかったのだけれども、今回やっぱり、非常に中国は、いろんな分野の方が本当に本当の交流は深めるべきだし、そのことが自分の企業とか旅行会社とか、あるいは自分の分野の芸術文化活動にとってもプラスの方向になるという確信のもとにおっしゃっているという感じがしましたからね。だから、そういう意味では非常に、私にもチャンスだと、いろんな懸案を乗り越える、すごく今チャンスになったと思うので、こういう機会にこのフォーラムに出させていただいたというのは、本当に良かったと思います。
なお、地方の人として、代表団には入られませんでしたけれども、岩手の知事さんと、あと松江の市長さんなどもおられた。ほかにもおられたかもしれませんが、確認できたのは、そういうところですかね。岩手の知事さんや松江の市長さんは多分、地方の今の、私がプレゼンをさせてもらった分科会に参加されていたと思います。

○記者
上海便、結構今回自信もにじませる場面が結構あったと思うのですけれども……

●知事
自信というか、手ごたえを感じたということで。

○記者
手ごたえ。今後、日中間の政府交渉という形になるのですよね。

●知事
まず、上限というか、今の制限の緩和は政府間の交渉になる。ただ、ある意味では、僭越ながら、少し環境整備はさせていただいたことになったと思いますね。

○記者
今後、富山県としてできることというのは、何かあるか。次の何かアクションというのはありますか。

●知事
軌道に乗りつつあると思うので、まずは日本の政府、具体的には国交省の航空局と中国の民用航空局の交渉を見守るということと、その様子によって、何かお手伝いすることがあればですね。ただ、まずは、いま言った取り決めは政府間の取り決めですから。

○記者
私、今、あのときは、中国から、現地から国交省に聞いて、現実どうなのっていう話を聞きたかったのだけれども、要は、中国側の航空機の枠は結構もう埋まっていて、日本の枠はまだ余っているわけですよね、日本の航空会社の。

●知事
うん、というふうに(考えています)。

○記者
という説明が、どういうふうに解釈すればいいか、よく分からなかったところがあって、それはどういう意味なのかなというのがずっと、余力があるのだったら、なぜ参入できないのかって、その辺はちょっとなかなかファジーなところで、よく分からなかったのですけれども。

●知事
少なくとも上海空港のほうは、中国側が、上海なり北京から日本方面に行く便数としては満杯になっているのだと、日中間で取り決めた便数の。ただ、日本から、例えば日本の成田と羽田から中国側に行くほうは、仮にある上限があるとして、その数字は私から言うわけにはいきませんが、その上限にはまだ達していない可能性があるということではないですかね。

○記者
まだまだ日本から中国に行くという人を増やさないといけないという話ですかね。

●知事
という話、同じぐらいにしようということにこだわればね。ただ、日本から言うと、一方で、東京オリ・パラで4,000万人観光客、外国人の観光客を呼ぶと言っていますよね。一生懸命頑張って、ようやく2,000万人になったわけだけれども、その2,000万人のうち、約4割は中国の人ですから。だから、中国から日本に来たい人はまだまだいっぱいいるわけでしょう。だって、航空会社が、本当は売りたいのだけれども、チケットが無いなんて言っているわけだから。だから、それを緩和してもらう。ただ、そうすると、そのときに、日中間でいろんな交渉事があるから、ここは緩和するかわりに、あなたのところもこうしてくれとか、そういうことが多分あるのだと思うのですね。

○記者
何となく、それがどうせ儲かるのだったら、日本の航空会社が中国からのやつを持ってくればいいのではないかなという気も、ちょっとしたものですから、そんな簡単にはいくものではない(のですか)、そこら辺の交渉というのは。

●知事
そういうことでもあるのではないですかね。
それから、この話は、もう一つの文脈は、観光立国ということと地方創生ということなのですよ、私が二階先生にもお願いしているのは。成田と羽田と北京と上海だけの便数がお互いに増えたからって、それも今よりはましかもしれないけれども、それでは、結局一極集中なり大都市集中というのは基本的に変わらない。今、やっぱり政府、与党として、地方創生ということを言っているのだから、もっと富山空港のような地方空港に配慮するような政策をとってほしいと。ですから、今の上限を緩和する場合も、その枠はみんな成田や羽田へ行く分が増えるというのでは困るので、それをあわせてお願いしているわけで、それは、十分中国側も理解したと思うし。
というのは、彼らも、日中友好のためには、中央政府同士だけではなくて、つまり、東京と、羽田や成田と上海や北京というだけではなくて、もっと地域間の積み重ねが大事だということを、彼らは気がついているわけですよ。だからこそ、日中間が冷え切ったときも、地方、富山県などは典型ですが、地道にそれなりのお付き合いをしてきた実績があって、中国側も、今回いろんなところで、ここに一々書いていないですけれども、やっぱり日中間が厳しいときも、富山県は地道にやってきましたよねということを、必ず言ってくれますからね、分かっている人は。そういうことがあるから、多分、代表で発表もさせてくれたのだと思うのね。そういう文脈でやっていますから、緩和されたときには、その分は全部成田、羽田ではちょっと困るのですね。そのことは、そんな変なことにはならない(ように)、これからも努力したいと思います。

○記者
何年もかかるものなのですか。

●知事
いや、そんなに……

○記者
時期的見通しってありますか。

●知事
私は、だから、そういう意味では、来年が東京オリ・パラですから、そんなにやたら時間かけて、2年後、3年後なんていうのでは、そんなばかなことを、まさか日本国政府はしない、あるいは与党もそれは認めないと思うね。

○記者
来年ぐらいの期待感はある。

●知事
うん。まあ、それはそうでしょう。もっと早くやってほしいとは思うけれども、国はやっぱり図体が大きいから、ちょっと時間かかるかもしれないね。多分、ほかにもいろんな交渉事があるのだと思うからね。

○記者
でも、オリンピック前にやらないと、意味がないよねというのもありますよね。

●知事
そうです、そう。だから、それは、国交省の航空局長さんにも、先般も強く言ってきたし、向こうもそれはそうだと思っていると思いますよ、それはいくら何でも。緩和する以上、そんな、オリンピックが終わってからなんていうのは、何を考えているのだということになりますね。
それから、これから東京オリンピックの影響で、東京都内中心にホテル代がものすごく上がると言われているのですね。1泊10万円どころか、20万円ぐらいになると。だって、ひところの金沢でもずいぶん高かったものね。今でも高いのかな。だから、新幹線代を往復払っても、富山で、リーズナブルな料金で泊まって、2時間ぐらいだったら、都心にすぐ行けるわけですから。そうすると、オリンピックを見たいといっても、別にずっと、1週間仮に滞在して、毎日オリンピックのチケットを持っているわけはまずないので、そうなると、やっぱり富山の自然とかおいしいものを食べながら、時には立山黒部にも登ったりしながら、時々オリンピックを見に行くと。どっちが主か従かは別にして、そういう滞在型の観光の可能性がすごく増えるわけですよ。だから、今、北陸新幹線があるということで、すごいメリットがあるのですね。
ぜひご理解いただいて、マスコミの皆さんにも応援してもらわないと。

関連ファイルのダウンロード

【資料1】第2回一帯一路国際協力サミットフォーラム等への参加 概要報告(PDF:7,256KB)

【資料2】「日ロ知事会議」への参加について(PDF:149KB)

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所属課室:知事政策局広報・ブランディング推進室広報課 

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 県庁本館2階

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