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更新日:2022年12月23日
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年末年始に向けた県民の皆さんへの緊急メッセージ |
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【知事】
私から今日は口火を切らせていただきます。冒頭に、医療・介護従事者の皆さんをはじめ、新型コロナに対応いただいている皆様には、県民の健康を支えていただき、また社会経済活動も支えていただいていることと深く感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。
現在の感染状況ですが、1週間の感染者数が約9,000人という高水準で推移しています。収束が見通せない状況と言えます。さらにインフルエンザにつきましても、3シーズンぶりの流行期に入ったと認識しております。発熱外来は非常に混雑をしているというのが現状です。
また、入院病床につきましては、感染者数の増加に伴いまして入院治療を要する方が増え、病床使用率は70%を超える日も多く、さらに入院者の多くは介護が必要なご高齢の方であること、また、医療スタッフが濃厚接触者となって欠勤されるケースが増えてきていること。それに加えまして、冬の時期はそもそも新型コロナ以外の入院者も多い時期であるということから、病院全体にかかる負荷が非常に重くなっているところです。このため、通常医療で検査や手術を遅らせるなどの影響も出ている病院もあるというふうに聞いております。
このまま、帰省による人の増加、あるいは普段会わない方との会食の機会が増加する年末年始を迎えますと、新型コロナだけではなく通常医療も含めまして、治療が必要な方が速やかに受診できないケースも想定されます。
このため、県としても年末年始に向けた対策としまして、医療機関のご協力の下、診療体制の拡充、また年末年始は薬局などで検査キットを購入できない可能性も考えられるので、有症状者向けに検査キットを配布するということを以前やっておりましたが、今は中断しておりますがそれをまた始めます。そして、無料検査の実施体制の確保、ワクチン接種について県の特設会場を12月29日まで開設することとしています。
これらの対策に加えまして、県民の皆様にも治療が必要な方が速やかに受診できるように、そんな体制を確保していくためには、医療現場の状況を知っていただき、年末年始の感染を抑える最後の機会となるこれから数日間について、危機感を持って感染対策に取り組んでいただきたいと考えております。
そのようなことで、本日は医療現場の実態について、医療関係者の皆様から直接説明いただいたほうが、より今の状況が説得感を持って伝わるというふうに考え、今日は合同会見という形を取らせていただきました。これにご賛同いただきまして、ご多忙の中、本日出席いただきました富山県医師会の馬瀬会長、そして県看護協会の稲村会長、そして県公的病院長協議会の川端会長には感謝申し上げます。ありがとうございます。
【馬瀬 富山県医師会長】
私の後に病院の状態については川端先生からまたご報告いただくということで、私からはクリニック、診療所の現在の状況についてお話ししたいと思います。
発熱外来の患者さんを診ておる診療所については、現在、発熱外来の患者さんが急激に増えております。特に小児科においては、インフルエンザが流行期に入っており、インフルエンザ以外のほかのウイルス、風邪ウイルスによる患者さんも増えております。その患者さんたちとコロナ感染症の方の、陽性の方の症状は診察だけでは区別することはできません。
したがいまして、発熱外来を受診する方を全く別枠で診療していただいております。それも、人数をかなり絞らざるを得ない状況の中で診療を続けております。それが現在もうほとんど診療時間を超えるような状況になっております。
この後、年末年始を迎えて、インフルエンザ等が急激に増える可能性がございますと、夜間の急患センターでの患者さんの急増も心配されます。富山市医師会で運営しております急患センターについては、年末年始、診療体制を強化して、準備しておりますが、ひょっとすると数時間待ちというような状況も当然想定されます。したがいまして、慌てなくて済むような方々、特にコロナ感染症については、若い方、この方たちはほとんど軽症、発熱と軽い咳ぐらいの風邪症状だけで済んでいく方が多ございますので、そういう方が急患センターを受診するとかいう場合は、事前にお電話いただくなり、事前に鎮痛解熱剤などを準備されて、それで自宅で様子を見ていただくということも十分考慮していただきたいと思います。
最近の富山市内の状況を見ていますと、夜の飲食関係はコロナ前とほぼ変わらないような状況になっております。相当皆さん楽しく飲食を共にしておいでのようです。これが今回の感染爆発の引き金になっている可能性がございますので、いま一度、飲食をするときは会話を控えめに、アルコールも適量にしていただいて、大声での会話は控えていただくという、基本的な感染防御の対策をしっかり取っていただきたいと、そして、人にうつさないことを目的にぜひコロナワクチンを早めにお打ちいただきたいと、県のほうでも29日までワクチンを接種する準備をしておいででございますので、まだお打ちでない方は、ご自分のためもありますが、周囲に感染を広げない、医療逼迫を起こさせないというおつもりでワクチン接種をお願いしたいと、よろしくお願いいたします。
【稲村 富山県看護協会長】
本日はよろしくお願いいたします。
新型コロナウイルスが発生し、約3年が過ぎようとしております。まず、富山県看護協会は職能団体として今の医療機関、老人福祉施設、訪問看護、保健所等の現状をお伝えしたいと思います。
医療機関は、発熱外来が連日パンク状態で、重症化リスクのある患者さんへの対応の遅れが懸念されております。陽性登録できる方には、ご自身で検査して新型コロナ陽性者登録センターへ登録していただくようお願いしていますが、説明にはやはり応じられず、病院の対応に批判や電話がつながらない不満など、強い言葉で感情をぶつけられることもあります。依然として、電話相談が後を絶たないので、各施設、三、四人での対応をしている状況です。
ご存じのとおり、陽性患者さんの入院は病床使用率が60(%)から70(%)になっておりますので、病床の逼迫となり、医療従事者も感染したり、濃厚接触者になっているため人員が不足しております。入院受入れにも影響をしていると思います。
高齢者の方は入院により、日常生活における機能や認知機能が低下されますが、隔離期間が過ぎても家族の方の介護不安やデイサービス等の福祉サービスが受けられないため、入院期間が長引いております。
看護師は日常生活における機能低下が日に日に進んでいく高齢患者さんの姿を目の当たりにしてジレンマも抱えております。施設においても、感染拡大のスピードが速く、入所者の日常生活が制限され、機能低下となっております。デイサービスの閉鎖も生じております。訪問看護ステーションが職員の感染により、訪問に行けないことで、利用者に不自由をおかけしていることも申し訳なく思っております。
保健所等においても、家庭訪問、健診、精神疾患患者さん対応の遅れ、不備が懸念されております。
先ほども申しましたが、医療従事者の感染、濃厚接触者となり、病院だけでなく、あらゆる施設で医療、介護に従事する人員が不足しています。そして、看護職、介護士等が業務に従事するために、生活を制限したり耐えたりしていることを、心身ともに疲労はピークに達していることはご存じのことと思います。患者さんを看護する一番重要な医療資源である看護師が限界に来ていると表現する管理者もいます。
そして、何よりも県民に安全安心の看護が届けられなくなることを一番恐れております。看護職の疲労感を少しでも少なくするのは陽性者の減少です。陽性者の減少にて光が見え、先が見え、もう少し頑張ろうと看護師は思います。
今、病院の業務が大変な中でも、陽性者の減少、クラスター防止のために看護協会の提案にて、感染の知識が高い資格を持った認定看護師が自分の施設で通常業務に当たりながらも、クラスター発生の施設に出向き指導してくれています。本当に頭が下がります。施設からは、不安の中、現場でのアドバイスにて改善点が見え、安心したという感謝の声も聞いております。
そこで、県民の皆様と県へお願いしたいことが4つあります。
1つ目は、自分たちができる感染防止対策です。子供たちはまだ学校で黙食をしております。大人はマスクをせずに会食、宴会をしている方が多くなっていないでしょうか。マスクは常に持っていただき、必要なときにマスクを着用していただくことで、感染者の拡大防止になります。東京管内では研修におけるマスク着用により、感染拡大もありません。食事前の手洗い、換気も効果的と実感しております。
2つ目は、ワクチン接種です。ワクチンをしていただきたい。ワクチン接種してもコロナにかかるとの考えではなく、ワクチン接種にて軽症だったと言えることもあるのではないでしょうか。行政としても、接種の必要性を感じておられるのなら、呼びかけだけの対策でいいのでしょうか。
3つ目は、できる方はご自身で検査して、新型コロナ陽性者登録センターへ登録していただくようお願いします。症状や不安なことについて、相談されたい場合は、相談センターに相談していただき、発熱外来の問合せの軽減にご協力ください。日頃からの解熱剤、鎮痛剤、抗原検査キットの常備です。お薬はコロナ禍でなくても常備しておくことをお勧めするものです。発熱のまま一晩過ごすのは本当に苦しいものです。相談センターへの電話の方法がスムーズになるよう、行政にもお願いしたいと思います。
4つ目は、コロナ陽性患者の方が、不安や身体の症状で苦しいときに、勤務のために証明書のことで医療機関に問合せをする必要がないよう、企業に県からの周知を確実にしていただきたいものです。
看護職はいろいろな事象で経験の中で、自分たちがつらくても、苦しくても、最後、周囲が穏やかになることで前に進み、モチベーションが上がる職種であります。とにかく、看護職は頑張っております。どうぞ陽性者減少のために、ご協力をよろしくお願いいたします。
【川端 富山県公的病院長協議会長】
病院の立場から、皆様にお話をしたいと思います。
県内では、コロナの病床確保計画に基づきまして、公立公的病院を中心に492床のコロナ病床を現在準備しておりますが、先週より、コロナベッドの利用率は7割前後と極めて高い値を持続しております。
5割を超えるとかなり厳しいというのが一般的な見方でありますが、7割前後になっております。全国的にもコロナベッドの利用率が7割を超えるのは5つの県ほどにすぎません。県内の病院の医療は逼迫状態にあると言えると思います。コロナの患者さんの増加により、通常の診療が難しくなりつつあります。その現状につきまして、以下ご説明を申し上げたいと思います。
まず、最初にコロナ病床についてお話しいたします。コロナ病床は、どの病院も通常患者さんの病室をコロナ患者さん用に転換して用意しております。したがいましてコロナの患者数、病床数が増えれば増えるほど、通常患者さん用の病床の数は減少いたします。このため、病院によっては、通常の予定入院の患者さんに入院の制限を行わざるを得ないと、そういった状態になっております。7割ということですが、まだ3割のコロナ病床に余裕があるとは思わないでいただきたいと思います。現状でもうぎりぎりの状態と考えております。
次に、コロナの入院患者さんについてお話しいたします。医療機関や高齢者施設におきまして、連日、コロナ感染のクラスターの発生が報告されております。現在、コロナの入院患者さんの大部分は基礎疾患を有する80歳代を中心とした高齢者の方々であります。ショートステイやデイケアなどでコロナに感染なされた方、それから、日常生活動作が低く、寝たきり状態に近い方、あるいは認知症を伴う方たち、こういった方たちであります。このような方々がコロナ陽性となって病院に入院しているわけでございます。
率直に申し上げまして、病院スタッフには、例えば、食事介助、あるいはおむつの交換、こういった仕事の負担がかなり重い状態でございまして、またこのような仕事から職員自身が感染するリスクもかなり大きいと考えられます。
次、3番目にクラスターについてお話しいたします。病院内でクラスターが発生いたしますと感染の拡大を防止するために、7日間から10日間、当該の病棟を閉ざして、そこには新たな患者さんを入院させません。この間、この病棟の機能はストップいたします。その結果、通常患者さんの入院は制限せざるを得ないことになります。多くの病院では、患者さんの入院時にコロナ検査のスクリーニングをかけて、それで陰性を確認して入院していただいておりますが、残念ながら、これをすり抜ける例が少なからず存在いたします。クラスターの発生を完全には防止できないというのが現状であります。
次、4番目に病院の職員についてお話しいたします。現在、病院の職員は、大部分が5回目のワクチン接種を終えております。しかし、医療職におきましても、これは皆さんと同様、家族、あるいは友人などからコロナに感染する、あるいは濃厚接触者になり得ます。この理由で、5日間から7日間の休職を余儀なくされる職員が増加しております。
医療は人手をかけて行う仕事ですので、人手不足から通常の医療の継続が難しくなる場合があります。例えば、人手不足で外来診療や手術に支障が生じる。あるいは、病棟では夜勤のできる看護師さんが不足してくる。あるいは、出勤できる残った看護師さんに過重労働が生じる。こういった事態になります。
最後、5番目に病院の発熱外来についてお話しいたします。クリニックだけではなくて、病院の発熱外来にもたくさんの患者さんが受診されておられます。病院によりましては、医師がたくさんの発熱者への対応に時間を取られ、突然やってくる救急車への対応が難しくなるといった事態が生じております。各病院、医師の数には限りがあります。全ての業務には対応し得なくなるということでございます。
幸いなことに、救急車の受入先が全くないといった医療崩壊には富山県は現在至っておりません。これは、富山と高岡の両医療圏では日頃から救急の輪番制度がしっかり機能している、それが理由でございます。しかしながら、そういったものがない東京などの都会では、ご存じのように医療崩壊が起こりつつあります。
以上、このような病院の大変つらい状況にぜひ皆様のご理解をいただきたいというふうに思っております。まずは、これ以上、患者さんが増えないようにお願いしたいというところが本心でございます。年末の帰省など、人の流れが多くなる時期でありますので、年明けに、感染者数が現在よりさらに増加するといったことを大変私は危惧しております。また、富山市を中心にインフルエンザの流行による学級閉鎖が始まっております。コロナとインフルエンザの同時流行、こういった様相を呈し始めていると考えられます。
最後に、県民の皆様には、このような現状をご理解の上、オミクロン用とインフルエンザの両方のワクチンをぜひ接種していただきたい。そして、お一人お一人が感染対策を徹底していただくことをよろしくお願いしたいと思います。
【知事】
現在、富山県では、新型コロナの感染拡大が続いておりまして、医療機関ではスタッフが懸命に対応しているものの、発熱外来や入院病床が逼迫し、通常医療にも影響が出ています。今、両先生また看護協会からもお話があったとおりでございます。さらに、季節性インフルエンザが流行期に入ったほか、年末年始も控えています。医療提供体制を維持するためにも、県民の皆様には危機感を持って、これから説明する症状に応じた医療機関の受診、また、感染対策の徹底をお願いいたします。
最初に、症状や重症化リスクに応じた医療機関受診のお願いです。高齢者や小さなお子様が速やかに受診できるように、発熱や咳などの風邪症状のみの症状が軽く、重症化リスクの低い方、これは中学生以上で65歳未満、基礎疾患がなく、妊娠中でもない方ということになりますが、これらの方は事前にご準備いただいた検査キットで、自己検査の上、仮に陽性となった場合は市販の解熱鎮痛薬を活用して、自宅で療養してください。その際は医療機関を受診されずに、県の陽性者登録センターへ登録をしてください。もちろん、症状が悪化した場合には医療機関を受診してください。
また、救急外来及び救急車の適正利用をお願いいたします。軽症の場合は、平日昼間の受診にご協力をお願いいたします。
次に、入院治療後の早期退院のお願いです。必要な治療が終了した方は、次に治療が必要な方のために、療養期間中であっても早期の退院や、もともとおられた施設へ戻っていただくことにご家族も含めてご理解ください。
次に、感染対策の徹底のお願いです。まず、密閉、密集、密接などの感染リスクの高い場面への外出など、感染拡大につながる行動を控え、感染しない、感染させない行動を心がけてください。高齢者や基礎疾患をお持ちの方、加えてそのご家族など、これらの方と日常的に接する方は特にご注意ください。
また、10代の感染が多いため、中学生や高校生は友人同士で集まる場などでの感染に注意してください。さらに、基本的な感染対策として、職場やご家庭など空気の流れも確認し、効率的な換気に努めてください。また、日々健康観察を行い、体調に少しでも異常があれば外出を控えてください。飲食店での会食は長時間や大声を避け、会話時にはマスクを着用してください。参加者が1名でも会話時のマスク着用を守らないと、多くの同席者に感染が広がる可能性もあります。
飲食店の方にお願いです。基本的な感染対策はもちろんですが、特にエアロゾル感染を防ぐために換気にご注意ください。寒くなってきた中で、ちょっときついお願いかもしれませんが換気が肝です。どうかよろしくお願いいたします。
次に、県民の方が帰省される際は、帰省の前後に無料検査を受けてください。また、本県へ帰省されるお子様やお孫様、ご友人に対し、帰省前にお住まいの地域で無料検査を受けるように呼びかけをお願いいたします。引き続き、オミクロン株対応ワクチンとインフルエンザワクチンの早めの接種をお願いします。
最後に、療養期間が終われば検査不要で職場などへ復帰できます。医療が逼迫しているにもかかわらず、いまだに陰性証明目的で医療機関を受診される方がおられると聞いております。これは厳に控えてください。お願いいたします。
これらのお願いは、医療現場のために行うものではないのです。県民の皆様ご自身や皆さんの大切な方を守るためにお願いしているものです。どうぞ自分事と捉えてご協力をお願いします。先ほど、川端会長からもありましたように、コロナの病床が増えるということは、一般医療向けの病床が減っていくということです。もしかしたら、そこに皆さんの大切な方が入院したくてもできなくなる。そんなケースになるかもしれません。どうか自分事としてお捉えください。お願いいたします。
最後に報道の皆様にもこれらのことの周知にご協力お願いします。なお、今日、この後、全国知事会が開催されますが、ここにおいても現在の状況を踏まえた対策を国に働きかけることとしております。
私からは以上でございます。
【記者】
まず、馬瀬会長と知事にそれぞれお伺いしたいと思います。
インフルエンザとの同時流行についてですけれども、先ほど川端会長がちょっとそういうような同時流行の様相にも近づきつつあるようなお話ありましたけれども、前週、流行期に入ったということで県が発表されましたが、今現時点では富山市で特に局地的に流行しているような状況かと思います。
ただ、今後も同時流行が懸念されると思うのですけれども、インフルエンザとの(同時流行)対策ですとか、周知、またインフルエンザの流行についての何か危機感みたいな、懸念される部分について、馬瀬会長と知事にそれぞれお尋ねしたいと思います。
【馬瀬 富山県医師会長】
先ほどもお話ししましたが、インフルエンザもコロナも症状は一緒です。変わりません。もちろんインフルエンザで例年亡くなる方もおいでになられますが、やはり重症化はごく一部にあるのですが、コロナの場合これが極端で、高齢者で持病をお持ちの方、障害者の方、それから乳児、このあたりについてはやっぱりコロナはかなり注意を要する疾患かと思います。
これが同時流行しますと、とにかくこの鑑別をしなきゃいけないということで、非常に手間がかかります。発熱外来そのものは、手間のかかる外来診療になりますが、インフルエンザとコロナを見分ける作業で、今、一体型のキットが出始めましたので少し楽にはなっているのですが、ただ、ポイントはこの冬流行るウイルスがRSウイルスとか、ほかのウイルスがやっぱり流行っているのですね。両方とも陰性でも、乳幼児の場合は肺炎を起こす可能性のあるウイルス、RSウイルスとか、ほかにも幾つかあります。そういったものも流行っておるようです。ですから、発熱外来と一般と簡単に言いますけれども、その辺を区別して、肺炎が起きているか、起きていないか、髄膜炎が起きているか、起きていないかというようなことを、峻別していかなければならないわけですが、乳幼児の場合はその時間が1日で簡単に肺炎になってしまうので、頻回に診療しなければいけないということになります。ですから、その辺がやっぱり患者数が増える要因の一つかと。そうしますとなかなか数をたくさん診るということが難しゅうございます。それで心配しております。
赤ちゃんが夜中に熱出して40度もあると、お母さんも完全にパニックに陥っておいでですので、そういう方を診ないというわけには当然いかないわけで、そういう意味では急患センターなどの夜間診療をやっておる医療機関に相当の負荷がかかる可能性があります。今までも少し負荷が多くなってきているところに、インフルエンザ、その他のウイルス性疾患の重症者の負荷がかかると、やっぱりちょっとインフルエンザ流行期には2時間待ちだったというような話もありますが、きっとそれどころではないと思います。全く別の入り口から入っていただいて、感染症外来を実行しておりますので、インフルエンザの場合は全く普通の風邪と同じ扱いで診療できましたけれども、このコロナ禍ではそれができませんので、それを危惧しています。
【知事】
今、馬瀬会長から丁寧にご説明があったところですが、私から、少しだけ追加しますと、県内48の定点医療機関からの報告では、12月12日から18日の週に1医療機関当たりの報告数が1人を超え、1.33人になりました。ということで、3シーズンぶりの流行期に入ったと判断をしております。
特に富山市内での感染が拡大していることでございます。インフルエンザの感染対策は新型コロナと一緒です。そういったこともあり、この2シーズン、シャットアウトしてきたわけですが、今年は3年ぶりにこういう状況に入ったということであります。手洗い、適切なマスク着用、体調不良時は外出を控えるなどの徹底をお願いいたします。
特に、今、馬瀬会長の話もありましたが、小さなお子様、あるいは高齢者には、早めのワクチンの接種をお願いいたします。
それから、これは前から申し上げていることですが、国の想定にも沿いまして、富山県でも1日最大でコロナで3,600人、インフルエンザで2,000人、合計5,600人の患者発生、最大ピークを想定して物事を考えております。この5,600人という人数に対しまして、平日の発熱外来の診療可能数は5,200、プラス陽性者登録センターでの登録が最大400人可能ということで、数字上はあいます。ただ、これは平日の日中ということになります。ですから、平日でも地域によって、あるいは週末、あるいは夜などにはかなり厳しいことにもなる可能性があります。ですから、これはピークの想定ですから、こういった事態に陥らないようにということで、今日のこのお願いをしているところでございます。
どうか、感染対策の徹底、それからコロナ、それからインフルエンザ両方のワクチン、インフルエンザのワクチンも今年は過去最大数の準備がされていると聞いております。どうかこれを少しでも早くご活用いただきたい、お願いいたします。
【記者】
知事にもう一点お伺いしたいと思います。
レベル分類についてですけれども、政府が今日、医療逼迫防止対策強化地域に岐阜県を定めたということで、隣接している県ということなので、先ほども先生方からも(感染者数が前週比)1倍以上で、かなり病床とかも、重症病床稼働率もかなり高い、10%超えているということで、かなり大変な状況なのかと思いますが、現状、知事としては、このレベルの引上げ、レベル3になるとそういった政府の指定ですとか、行動制限とかももしかしたらかかってくる話かもしれませんが、現状、そのレベルの引上げ等についてはどのようにお考えでしょうか。
【知事】
おっしゃるように国では、新たな行動制限は基本的に行わないということで、そういう方針でおられます。そんな中で、隣接される岐阜県の古田知事がそのようなご判断をされたことは承知をしております。
隣接しているとはいえ、本県が岐阜県と歩調を合わせて強い行動制限を行っても、私は、ほかにも隣接県もいろいろあるわけですから、その効果は限定的ではないかというふうに思います。そして、社会経済活動への影響も考えると、それはできるだけ避けたいということです。また、全国でも本県より状況の厳しい県もあります。現在のところ、それらの県も岐阜県以外は全てレベル2で踏みとどまっているところでございます。
県民の皆様にはこれまで3年間、もう好むと好まざるとに、好む人はおられませんが、3年間コロナと付き合ってきたわけでありまして、新型コロナにそれぞれ対応してこられたこのご経験を思い起こしていただきまして、現在の医療逼迫の危機下では、感染リスクの高い場面を避けて、感染しない、させない、そのような行動を取っていただくことによって、レベルを上げずに何とかここで踏みとどまれる、そんなことのご協力のために、今日のこの場も設定したことでございます。
【資料1】現在の感染状況及び年末年始にむけた対策について(PDF:271KB)
【資料2】年末年始に向けた県民の皆さんへの緊急メッセージ(PDF:165KB)
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