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更新日:2021年4月1日
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佐藤太清は、自然が垣間見せる一瞬のきらめきを、確実な写実性と豊かな色彩で描き、花鳥風景画という新分野を確立しました。作家の代名詞とも言える「旅シリーズ」には、日本の自然が持つ美しさが抒情的にあらわされており、嵐や炎といった厳しい自然現象を崇高な視点で描いたことで知られます。また、日本画壇の重鎮として戦後の日展を支えてきました。
作家は、文化勲章受章など日本画家としての栄誉を全て手にしましたが、その道のりは、出生直後の両親との死別、戦中招集後の病による闘病生活、30歳でようやく迎えた日展初入選までの苦悩など、決して順風満帆なものではありませんでした。しかし、自らの信じるものを握りしめ、自然に対峙し、独自の世界を創り上げました。
本展は、2013(平成25)年、そして、没後10年という区切りの年にあたることから開催するもので、福知山市佐藤太清記念美術館所蔵作品をはじめ、作家の没後に発見され、この度修復を終えた作品、および未公開作品も含め、関連する素描、スケッチブックなどを一堂に公開し、70年に及ぶ画業を回顧します。
「朝霧」1978年・第10回日展/板橋区立美術館蔵
「漁村」1942年・児玉希望塾・第6回日展/福知山市佐藤太清記念美術館蔵
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