更新日:2024年9月13日

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新型コロナウイルスゲノム解析検査状況

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富山県における新型コロナウイルスオミクロン株亜系統の流入状況(ゲノム解析検査)

 

 

  • 富山県衛生研究所では新型コロナウイルスの遺伝子配列を次世代シーケンサー(NGS)を用いて解読し、県内で現在、どのような株がどれくらいの割合を占めているかを調査しています。
  • 2022年1月から県内でもオミクロン株に置き換わり、現在もその亜系統株による感染継続が見られています。
  • 2024年初頭から流入が見られているJN.1は、BA.2.86のスパイク部分の455番目のアミノ酸がL(ロイシン)からS(セリン)に変化することにより、高い免疫回避能力を獲得しているとの報告(Yang et al., Lancet Infect Dis. 2023)があります。また、JN.1は先祖株であるBA.2.86やEG.5より基本再生産数が高く、より高い伝播力を有するとされています(Kaku et al., Lancet Infect Dis. 2023)。米国CDCによれば、以前のXBB系統と比べ、JN.1による感染者の重症度は高まっていません。
  • 2024年5月からは県内で、JN.1の派生株である、KP系統株とりわけKP.3が主流になっています。富山県でも8月までに100%を占めるに至っています。KP.3を含むKP系統株は既存の流行株より高い伝播力を示します。JN.1感染者の回復期血清において、KP.3に対する中和抗体価はJN.1より有意に低下していることが報告されており(806 vs. 452, -43.9%)、JN.1対応ワクチンはKP.3に対して発症予防効果がある程度低下する可能性が示唆されます(Kaku Y, et al. Lancet Infect Dis. Published Online June 27, 2024)。
  • 今年秋以降に始まる予定の新型コロナウイルスのワクチン接種について、厚生労働省はオミクロン株の亜系統「JN.1」系統に対応したワクチンを使う方針を決めました。
  • オミクロン株の亜系統による細かな分類および世界の流行状況については、東京都健康安全研究センターHPをご参照ください。(https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/lb_virus/worldmutation/(外部サイトへリンク)
  • 国内の流行状況(サーベイランス速報・週報)については、国立感染症研究所HPをご参照ください。(https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/12015-covid19-surveillance-report.html(外部サイトへリンク)
  • 衛生研究所では、引き続きゲノム解析による変異株の確定、新たな変異株の流入の可能性、流入経路の特定などに関しても、モニタリングを行なっていく予定です。

お問い合わせ

所属課室:厚生部衛生研究所ウイルス部

電話番号:0766-56-8143

ファックス番号:0766-56-7326

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