更新日:2024年10月23日

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富山県衛生研究所(射水市)の大石和徳所長及びウイルス部の谷英樹部長、板持雅恵主任研究員らの研究チームは、高齢者施設の対象者における新型コロナウイルス mRNAワクチン接種後の個々人の液性免疫能(抗RBD IgGおよび中和抗体価)の推移を追跡し、解析しました。

本研究により、若年層世代から超高齢者世代までの、ワクチン接種後、また新型コロナウイルス感染後における血中中和抗体量及び維持時間の一端が明らかになりました。

この研究成果は、2月27日に国際学術雑誌「Vaccine」に公表されました。

1.概要

  • 2021年5月から2022年12月の期間に、富山県内の6高齢者施設において、その居住者141名(年齢中央値88歳)および職員194名(年齢中央値44歳)を研究参加者としました。
  • mRNAワクチンの初回シリーズ(1回目、2回目)と3回目接種後の血清中抗体応答について前向きに調査しました。抗体測定として、抗RBD IgGとシュードウイルスを用いて武漢株、アルファ株、デルタ株、オミクロン株(BA.1, BA.5系統)に対する中和抗体活性を測定しました。また、過去の感染の指標となる抗N抗体も測定しました。研究期間中に51例の参加者がブレークスルー感染を経験しました。
  • mRNAワクチンの3回目接種の2ヵ月後に未感染の抗RBD IgGとオミクロン株(BA.1, BA.5系統)に対する中和抗体価は明らかに増加し、5ヵ月後には低下しました。特に80歳以上での低下は顕著でした。
  • 3回目接種の2ヵ月後のオミクロンBA.1, BA.5系統に対する中和活性は、施設居住者と職員間で有意な差は認めませんでした。
  • 3回目接種の2ヵ月〜5ヵ月後の期間(BA.5流行期)に起こったブレークスルー感染は接種5ヵ月後においても強く中和活性を誘導しました。
  • 引き続き、オミクロン対応ワクチンによる中和活性の持続性について検討が必要です。

2.発表雑誌

国際学術雑誌Vaccine

https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0264410X23002220(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

3.論文タイトル

Neutralization of Omicron subvariants BA.1 and BA.5 by a booster dose of COVID-19 mRNA vaccine in a Japanese nursing home cohort

「日本の高齢者施設コホートにおけるmRNA COVID-19ワクチン3回目接種後のオミクロンBA.1, BA.5系統に対する中和活性」

4.著者

板持雅恵、矢澤俊輔、稲崎倫子、佐賀由美子、山崎笑子、嶌田嵩久、田村恒介、前西絵美、磯部順子、中村雅彦、高岡美紗、笹島仁、川尻千賀子、谷英樹、大石和徳

お問い合わせ

所属課室:厚生部衛生研究所ウイルス部

電話番号:0766568143

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