富山県衛生研究所における新型コロナウイルス陽性率と変異検出率（N501Y変異）（~6/6）

新型コロナウイルスPCR検査の陽性率

• 富山県では2021年1月初旬から中旬にかけて第三波のピークがあり、2月、3月は感染者数は減少していました。3月下旬から感染者数が増加し、4月から第四波に移行しました。4月からはアルファ株変異ウイルスの県内流入もあり、増加傾向にありましたが、6月に入り現在の感染者数は一定数（10人前後／日）に落ち着いています（富山県内の新規感染者の発生状況については、上記の衛生研究所のPCR検査数に基づくものではありません）。
   
• 衛生研究所におけるPCR検査総数に対する陽性検体の割合は、概ね10%未満での推移を繰り返しています。

新型コロナウイルス変異検出率の内訳（N501Y変異）

• 富山県衛生研究所では2021年2月2日から6月6日まで陽性検体に対してN501Y変異ウイルス検出PCR検査を実施しました。
• 3月下旬以降、陽性者増加に伴い変異ウイルス検出PCR検査数も増加しています（期間合計709件検査）。
• 3月中旬以降、N501Y変異ウイルスは増加傾向にあり、県内では4月までは約60%が変異ウイルスであったものの、5月に入り更に増加し、20週目以降は100%がN501Y変異ウイルスとなりました。
• N501Y変異の累積陽性数は606例となり、ゲノム解析したものは、全てアルファ株（英国由来）変異ウイルスでした。
• アルファ株変異ウイルスは従来ウイルスに比べて感染性が43〜90％高まるとされています(Davies NG, et al Science, 2021)。また、アルファ株変異ウイルスは従来ウイルスに比べて死亡リスクが61％高まるとの報告がありますが（ Davies NG, et al. Nature 2021) 、死亡リスクに差はなかったとする報告もあります（Frampton D, et al. Lancet Infect Dis, 2021）。