更新日:2024年7月5日

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腸管出血性大腸菌の血清型の決定

細菌部では県内で分離された腸管出血性大腸菌の血清型の決定(血清型別)を行っています。

分離された大腸菌を細分類する方法として「血清型別」が主要な方法として用いられています。大腸菌の血清型は、大腸菌の菌体表面に発現しているO血清群(菌体表層のリポ多糖を構成する糖鎖ユニットO抗原)とH抗原(大腸菌の遊泳などの運動を行うべん毛の主要構成たんぱく質 フラジェリン)の組み合わせによって表されます(例:O157:H7)。現在、O血清群はO1からO188まで、H型(H抗原)はH1からH56まで定められています。

分離された大腸菌の血清型が同じであれば、これらの菌株は同じ起源から分裂したクローン株か、近縁株であると予測することができます。このため、腸管出血性大腸菌などの病原性大腸菌を原因とする感染事例や食中毒等の調査を行ううえで、血清型が同じであるかどうかは有用な情報となります。

現在、血清型別には、各O血清群/H型の抗血清を用いた型別法と各O血清群/H型の遺伝子配列の違いを利用した遺伝子型別の2つの方法があります。しかし、時として、抗血清を用いて型別した血清型と、遺伝子型が一致しない場合があります。たとえば、O抗原(もしくはH抗原)の遺伝子が機能しておらず、タンパク質として発現していない場合は、抗血清による型別では判定できません。しかし、遺伝子型別では、その遺伝子配列を検出することができる場合があります。

このように血清型は型別方法による相違がみられることから、遺伝子型別による血清型の判定結果については「Og 型 (Og-type)または O群遺伝子型」、「Hg 型(Hg-type)またはH型遺伝子型」として標記することが望ましいと考えられています。

参考文献

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