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更新日:2024年4月9日
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レジオネラ症は感染症のひとつで、レジオネラ属菌が原因で起こります。この病気は健康な人もかかりますが、幼児やお年寄り、あるいは他の病気などにより体の抵抗力が低下している人に発病のおそれが強いといわれています。
症状のタイプは2種類あり、それぞれ、「レジオネラ肺炎」と「ポンティアック熱」と呼んでいます。
「レジオネラ肺炎」
感染後2~10日で発症し、全身倦怠感、頭痛、筋肉痛、高熱、悪寒、痰の少ない咳、胸痛、意識障害などの症状がでます。
感染しても発症することは少ないものの、重症となった場合、死亡することがあります。
「ポンティアック熱」
感染後1日~2日で発症し、発熱、悪寒、筋肉痛などの症状がでます。
発病しても多くの場合、自然に治ってしまうと言われています。
人から人へ感染した事例は報告されていません。適切な予防策で、レジオネラ症の発生を防止しましょう。
レジオネラ属菌は土壌中や池、沼、水たまりなどの環境中において、どこにでもいる常在菌です。大きさは数ミクロンです。(1ミクロンは1000分の1mm)
現在、50種類以上が分類されていますが、なかでも肺炎を引き起こすのが、レジオネラ・ニューモフィラです。ニューモフィラは、さらに血清群で細分化されています。(70血清群以上)レジオネラ肺炎の原因菌の過半数は、レジオネラ・ニューモフィラ1群であるといわれています。
自然界では、レジオネラ属菌だけが多量に増えるということはないのですが、人工的な環境--循環式浴槽や建物に設置されている冷却塔、加湿器、貯湯槽が衛生的な維持管理をされていない時などに、こういった設備の中でレジオネラ属菌は繁殖します。これが、レジオネラ症の原因につながっていきます。
冷却塔水、循環式浴槽水など水温20℃以上の人工環境水では、細菌を餌とするアメーバが多数生息しています。レジオネラ属菌は特定の種類のアメーバに寄生し、その細胞内で増殖します。その数は、アメーバ1個体あたり1000個にもなります。
増えに増えたレジオネラ属菌は、やがて宿主であるアメーバを食い殺して、まわりの水中に一斉に放出されます。この水--レジオネラ属菌が含まれた水が、細かい水滴(エアロゾルと言います)となって空気中を舞った時、これを吸い込んで感染します。
循環式浴槽水、シャワー、ホテルのロビーの噴水、洗車、野菜への噴霧水など…「エアロゾル」は、目に見えないほど細かい水滴です。汚染水のエアロゾルの吸入の他、浴槽内で溺れて汚染水を気管に吸い込んだ時などの感染・発病も報告されています。
衛生管理が不十分な浴槽の壁面や配管などにつくヌメリは、専門的には生物膜(=バイオフィルム)と呼ばれます。循環式浴槽水や冷却塔、給湯設備などでも、このヌメリには栄養分が豊富で、塩素などの消毒薬や紫外線から保護されるため、微生物の増殖に適した環境なのです。
つまり、このバイオフィルムを発生させないこと。レジオネラ属菌の栄養源を絶って、増殖させないこと。それから、レジオネラ属菌が繁殖している可能性がある水の細かい水滴を人に吸い込ませないこと。この3つが、レジオネラ症を発生させない大原則になります。
家庭のお風呂では、毎日お湯を入れ換えている場合は問題ありませんが、お湯を循環ろ過して長期間使用する、いわゆる24時間風呂の場合はレジオネラ属菌が増殖する可能性があります。お風呂のお湯は適宜取り換え、浴槽の清掃を行うなど清潔に保ちましょう。さらに、浴槽水のシャワーへの使用や、気泡ジェットなどのエアロゾルを発生する器具の使用も避けましょう。また、浴槽に入る前には、体の汚れを落としてから入るようにしましょう。
加湿器の水を溜めておくタンクの管理が悪いとレジオネラ属菌が増殖することがあります。水はこまめに取り換え、使用する水も水道水など衛生的な水を使用しましょう。また、定期的にノズルの清掃やタンクの洗浄を行い、加湿器を使用しない期間は水を抜いてきれいにしておきましょう。
循環式給湯の貯湯タンク使用の場合、60℃以上に保つようにしましょう。
なお、利用者が火傷などの事故を起こさないよう注意してください。
循環ろ過装置を使用する風呂の効果的な管理方法です。
塩素系消毒剤などで浴槽水の消毒を行い、遊離残留塩素濃度0.4~1.0mg/Lを保つ。
24時間以上完全換水しないで循環ろ過している浴槽水(連日使用型循環浴槽水)は、少なくとも週1回は完全入れ換えを行う。
連日使用型循環浴槽水を使用する場合は、週1回以上浴槽及び循環経路の清掃、消毒を行う。ろ過装置は、毎日逆洗する。
消毒方法例:浴槽水に塩素剤を投入し、遊離残留塩素濃度2~10mg/Lで、2回転ろ過される時間を目安に循環させる。作業終了後、ろ過機を逆洗して、浴槽水を排出する。
連日使用型循環浴槽水を気泡発生装置、ジェット噴射装置、打たせ湯、シャワー等のエアロゾルを発生させる設備には使用しない。
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