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更新日:2021年2月24日
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白馬岳(海抜2,933m)を中心にして新潟・富山・長野の三県にまたがり、朝日岳の北(長栂山)から南は鹿島槍ケ岳に及び稜線沿いに30数km、総面積12,395haの広大な地域が指定されている。3,000m級の高山で、しかも地形地質が変化に富んでいるため、高山植物の種類は豊富である。
一帯の植物は、氷河時代に北極周辺の植物が南方に分布を広げたが、気候が温暖化すると南方では高山帯だけに生き残った一群であるとされている。また、立山ではじめて発見されたチョウノスケソウの仲間は、北半球の高山帯や極地に分布しており、高山植物の由来を知るうえで重要である。
黒部川扇状地扇端部の海岸に近い吉原地区、2,670haにわたって沢スギが生えている。扇頂部は、地下水の水の位置が深いが、海岸に近づくほど浅くなり、自然に湧水している所がある。沢スギ林の湧水は一年中ふき上げ、水温は12~14度である。湧水の影響で林の内側の気温は、夏は外気より気温が低く、冬は暖かくて積雪は平地の半分という環境をつくりだしている。
このような環境の中で沢スギは育ってきた。沢スギは根際から萌芽した幼苗が雪の重みなどで接地し、そこから発根するという「伏条更新」と呼ばれる現象を示すのが特徴である。このような伏条する現象は、日本の平地では杉沢の沢スギ林だけといわれている。
朝日町の鹿島神社の境内にある常緑広葉樹林である。急傾斜には暖温帯林の代表樹種であるスダジイ、アカガシの老大木が生え、奥の院一帯はスダジイの密林でおおわれている。西北斜面の季節風をうけるところは、ウラジロガシの純林である。その他マメズタ、イタビカズラなどのツル性植物、フモトシダ、トウゴクシダなどの照葉樹林内にはえる植物がたくさん見られる。
この樹叢は、日本海側における暖温帯性植物の北上分布の境界を占めている地域として、また、照葉樹林が旺盛に茂っている林相として学術的価値が高い。同様に朝日社叢(氷見市)、日の宮社叢(小杉町)は県指定されている。
オニバスはスイレン科に属し、浮葉植物では珍しい一年草。池などの淡水中に種子から生える。葉は1~2mまで生長するが十二町潟のオニバスは特に葉が大きく生育数も多い。オニバスの名の由来は、鬼の角のような刺が生えていることから名付けられたようであるが、氷見地方では「地獄の釜の蓋」と呼ばれている。オニバスは、日本では宮城県から九州に分布するといわれているが、最近は生育環境が悪化し、全国的に激減しているといわれている。
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