更新日:2021年2月24日

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植物系の天然記念物

指定される植物

  • (1)名木、巨樹、老樹、畸形木、栽培植物の原木、並木…社叢根尾谷淡墨ザクラ(岐阜県)など
  • (2)代表的原始林、稀有の森林植物相…富士山原始林(山梨県)屋久島スギ原始林(鹿児島県)など
  • (3)代表的高山植物帯、特殊岩石地植物群落…岩手山高山植物帯(岩手県)など
  • (4)代表的な原野植物群落…花輪堤ハナショウブ群落(岩手県)など
  • (5)海岸及び沙地植物群落の代表的なもの…石波の海岸樹林(宮崎県)など
  • (6)泥炭形成植物の発生する地域の代表的なもの…霧多布泥炭形成植物群落(北海道)など
  • (7)洞窟に自生する植物群落…伊尾木洞のシダ群落(高知県)など
  • (8)池泉、温泉、湖沼、河、海等の珍奇な水草類、藻類、蘇苔類、微生物等の生ずる地域…霧ヶ峰湿原植物群落(長野県)など
  • (9)着生草木の著しく発生する岩石叉は樹木…鬼ヶ城暖地性シダ群落(三重県)(10)著しい植物分布の限界地…ハマナス自生南限地帯(鳥取県・茨城県)など
  • (11)著しい栽培植物の自生地…平松のウツクシマツ自生地(滋賀県)など
  • (12)珍奇または絶滅に瀕した植物の自生地…トラフダケ自生地(岡山県)など

富山県内の例

白馬連山高山植物帯(特別指定 朝日町・宇奈月町)

白馬岳(海抜2,933m)を中心にして新潟・富山・長野の三県にまたがり、朝日岳の北(長栂山)から南は鹿島槍ケ岳に及び稜線沿いに30数km、総面積12,395haの広大な地域が指定されている。3,000m級の高山で、しかも地形地質が変化に富んでいるため、高山植物の種類は豊富である。

一帯の植物は、氷河時代に北極周辺の植物が南方に分布を広げたが、気候が温暖化すると南方では高山帯だけに生き残った一群であるとされている。また、立山ではじめて発見されたチョウノスケソウの仲間は、北半球の高山帯や極地に分布しており、高山植物の由来を知るうえで重要である。

植物の垂直分布(左)・植物の水平分布(右)

杉沢の沢スギ(国指定 入善町)

黒部川扇状地扇端部の海岸に近い吉原地区、2,670haにわたって沢スギが生えている。扇頂部は、地下水の水の位置が深いが、海岸に近づくほど浅くなり、自然に湧水している所がある。沢スギ林の湧水は一年中ふき上げ、水温は12~14度である。湧水の影響で林の内側の気温は、夏は外気より気温が低く、冬は暖かくて積雪は平地の半分という環境をつくりだしている。

このような環境の中で沢スギは育ってきた。沢スギは根際から萌芽した幼苗が雪の重みなどで接地し、そこから発根するという「伏条更新」と呼ばれる現象を示すのが特徴である。このような伏条する現象は、日本の平地では杉沢の沢スギ林だけといわれている。

沢スギの伏条のしくみ

宮崎鹿島樹叢(国指定 朝日町)

朝日町の鹿島神社の境内にある常緑広葉樹林である。急傾斜には暖温帯林の代表樹種であるスダジイ、アカガシの老大木が生え、奥の院一帯はスダジイの密林でおおわれている。西北斜面の季節風をうけるところは、ウラジロガシの純林である。その他マメズタ、イタビカズラなどのツル性植物、フモトシダ、トウゴクシダなどの照葉樹林内にはえる植物がたくさん見られる。

この樹叢は、日本海側における暖温帯性植物の北上分布の境界を占めている地域として、また、照葉樹林が旺盛に茂っている林相として学術的価値が高い。同様に朝日社叢(氷見市)、日の宮社叢(小杉町)は県指定されている。

十二町潟オニバス発生地(国指定 氷見市)

十二町潟オニバス

オニバスはスイレン科に属し、浮葉植物では珍しい一年草。池などの淡水中に種子から生える。葉は1~2mまで生長するが十二町潟のオニバスは特に葉が大きく生育数も多い。オニバスの名の由来は、鬼の角のような刺が生えていることから名付けられたようであるが、氷見地方では「地獄の釜の蓋」と呼ばれている。オニバスは、日本では宮城県から九州に分布するといわれているが、最近は生育環境が悪化し、全国的に激減しているといわれている。

お問い合わせ

所属課室:教育委員会生涯学習・文化財室 

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7  県庁南別館4階   

電話番号:076-444-3434

ファックス番号:076-444-4434

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