安全・安心情報
更新日:2021年2月24日
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天然記念物は生物であったり、自然に生成されたものであったりするため、その保存には大変な苦労がかかります。そのため、天然記念物に対して状態を変えるような行為をすることには許可が必要となっています。
例えば、生物の場合は、その維持のために捕獲(採取)が禁じられているほか、動物では許可を得ない飼育もできません。また、野生の場合はその成育環境を悪化させる行為もできるだけ避けなければなりません。特に植物では、外来種の侵入や植生の変化をもたらさぬように、立ち入り制限が必要とされることもあります。
地質鉱物などの場合は、採取(採掘)することが禁じられているほか、地形などを覆ってしまったり、変形させる行為も禁じられます。
些細な事でも、あらかじめ管轄する市町村教育委員会もしくは県教育委員会に相談する事が肝要です。
上記に述べたように、天然記念物はそのままありの姿を維持することが大事なわけですが、その維持は簡単ではありません。
動物の場合は病気や、環境汚染による個体数の減少を防がなくてはなりません。そのために、環境保全と病気の治療が行われます。野生の状態が最も好ましいのですが、野生化での個体の維持が困難となった場合は、動物園や水族館での飼育も行われます。
植物の場合は、病気による治療のほか、植生に変化が起こらぬよう配慮する必要があります。また、外来種が侵入しないように、定期的な観察や場合によっては草刈りなども必要です。特に、元来人間が手を入れて維持されてきた(富山県の沢スギなど)植生の場合は、あえ間伐などによって手を入れてやることも重要となります。いずれにしても、的確な管理計画を定めて行うこととされています。
地質鉱物は比較的維持が容易なものですが、岩石や地層などは経年の風化による崩壊が考えられます。この場合は、岩石や地層の表面をコーティング保護したり、崩落防止工事をおこなったりして保全します。
天然記念物の場合は、自然の状態そのままを観察する事が最良なため、あまり人工的な整備を行うことはありません。ただし、例外として人間の観光等の立ち入りによる影響を防ぐため、遊歩道を整備したり、展望台を設置することがあります。
ただし、これではなかなか天然記念物を理解することが困難なため、解説ボランティアを活用したり、解説パンフレットを用意することもあります。また、さらに学習効果を高めるために、敷地外に学習用資料館を整備する場合もあります。
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