更新日:2021年2月24日

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天然記念物

天然記念物は、貴重な大自然を記念するもので獣や鳥、昆虫などの「動物」、樹木や草花などの「植物」、断層や化石などの「地質・鉱物」、そして、それらに富む天然保護区域を指します。過去に、神社の境内にある巨木が多く指定されたため、現在でも天然記念物の中では巨木の件数が高い割合を占めています。近年では全国的に開発が進み、貴重な自然が失われ始めたことにより、絶滅のおそれがある動植物を保護する機運が高まっています。天然記念物はほかの文化財とは異なり、人間が手を加えず、自然のまま残すことによって守られるという特徴があります。ですからなかなか訪ねて行きにくい場所にあるものも少なくありません。しかし、近年では、もっと天然記念物が皆さんに親しまれるように、見学施設を作ったりして積極的な活用がはかられるようになりました。ぜひ、富山の大自然や生命の神秘に触れてみてください。

ちょっと寄り道 魚津埋没林(うおづまいぼつりん)編

魚津埋没林

魚津市にある埋没林博物館を訪れてみましょう。ここには、昭和5年に魚津漁港から発見された特別天然記念物魚津埋没林の樹根が展示されています。

  • この埋没林は、海の高さが上昇したことによって約1500年前に海面下に沈んだものだと考えられています。昔は陸地だったなんて驚きますね。
  • 全国で14件ある化石の国指定天然記念物のうち、海底林が指定されているのはここだけです。埋没林としても、これほど良好な保存状態で発見される例はめずらしく、近年に富山県の入善沖、石川県の松任沖で発見されたものと並んで全国でも3本の指に入るものと言えるでしょう。

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この埋没林で最も多い木(樹種)は何でしょう。

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ちょっと寄り道 杉沢(すぎさわ)の沢スギ(さわすぎ)編

杉沢の沢スギ黒部川扇状地の末端にある、杉沢の沢スギを訪れてみましょう。JR入善駅から海側に車を走らせて約10分。いちめんの水田の中の一角の、うっそうと繁った森が目印です。

  • このあたりは、黒部川扇状地の地下水の湧水地域で、かつてはJR北陸線から海側に150haにもわたって杉林が広がっていましたが、圃場整備により急速に減少し、わずかに残されたのがこの一帯です。この森の一角に、「沢スギ記念館」がありますので、まずは、ここで沢スギについての基礎知識を勉強してから森に入りましょう。
  • 沢スギ林では、杉林とともに豊かな植物群や動物のほか、円い礫にも注目してみましょう。意外な生き物と出会えるかもしれません。

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沢スギは、他のスギとは違った生え方をしています。さて、どのような生え方をしているのでしょうか。また、その理由もわかるかな。

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ちょっと寄り道 カモシカ編

カモシカ

山道を歩くと、茂みで「ゴソゴソ」。一瞬、「熊か?」と驚くこともありますが、今や県内で最も身近にみられるようになった天然記念物「カモシカ」との出会いです。かつて、絶滅が心配されたカモシカも、手厚い保護が実り、現在では県内の低山地帯でも見ることができるようになりました。「熊よりもずっとたくさんいるカモシカが、何で天然記念物なの?」って思われる方もいるかもしれませんが、「ニホンカモシカ」の名のごとく、日本以外にはごくわずかしかいない貴重な動物なのですよ。立山町にある立山博物館付属の「カモシカ園」や富山市の「ファミリーパーク」で飼育しているカモシカを見ることができます。

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カモシカには大きくはないけれど角があります。さてオスとメスどちらに生えているでしょうか。

ファイナルアンサー?

ちょっと寄り道 ホタルイカ郡遊海面(ぐんゆうかいめん)編

ホタルイカ

富山市から魚津市にかけて、ホタルイカ群遊海面が国の天然記念物になっています。「えっ?ホタルイカ群遊海面が天然記念物?すると、滑川の海岸でホタルイカをとって食べると、罰せられるの?」ご安心下さい。ホタルイカの種を指定しているのではなく、海面の指定ですので、とって食べても大丈夫です。しかし、ホタルイカが来なくなるような環境汚染には目を光らせましょう。当然、自分たちもマナーは守って。

かもしか先生の[ひとくちコラム]

カモシカが出没したときの反応

国の特別天然記念物であるカモシカは、本来、山などの岩場で生活している動物ですが、最近はしばしば平野部へ降りてきます。見慣れない動物と出会うため、あわてる方も少なくないようですので、出会ったときの対応をお教えしましょう。カモシカは「シカ」と名が付くものの「ウシ」科の動物です。ですから本来のんびりした性格の持ち主です。(ちなみに「カモシカのような足」という褒め言葉がありますが、これは外国産のカモシカのことで、「ニホンカモシカのような足」では褒め言葉になりません。)出会ったときは、カモシカもびっくりしています。カモシカは人を襲いはしません。そっと見守って下さい。帰る道は知っていますので、そのうち山へ帰っていきます。もし、小さな子どもがたくさんいる場所や車の交通が激しい場所の場合は、すぐに最寄りの警察もしくは市町村教育委員会へ連絡して下さい。へたに追い回したりすると事故につながります。また、明らかに怪我をしていたり、病気にかかっているような場合も、さわったり騒いだりせずに連絡して下さい。みなさんのご協力をお願いします。

■天然記念物の一覧

お問い合わせ

所属課室:教育委員会生涯学習・文化財室 

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7  県庁南別館4階   

電話番号:076-444-3434

ファックス番号:076-444-4434

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