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更新日:2026年2月24日

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令和8年2月定例会 知事の提案理由説明

はじめに

 本日、令和8年2月定例県議会が開催されるにあたり、提出しました令和8年度予算案その他の議案につきまして、その概要を申しあげ、あわせて、県政運営について所信の一端を申しあげます。

 説明に先立ちまして、ひとこと申しあげます。
 去る8日、衆議院議員総選挙が行われました。この選挙におきまして、県民の衆望を担ってめでたく当選されました国会議員各位に、心からお祝いを申しあげます。今後のご活躍を期待申しあげますとともに、県政に対しましても積極的なご尽力を賜りたいと存じます。

 さて、1月下旬からの断続的な大雪につきましては、人的被害や事故による交通障害が発生するなど、県民生活に影響を及ぼしました。亡くなられた方とそのご遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、被害を受けられた方々に心からお見舞いを申しあげます。県としては、大雪におけるタイムラインに基づき、速やかに危機管理連絡会議を開催し、関係機関と情報共有を図るとともに、県民の皆様への除雪作業時の安全対策や車での不要不急の外出自粛をお願いするなど情報発信に努めました。こうした予防的な対応等により、大規模な渋滞や立ち往生の発生などは回避できたところです。昼夜を問わず除雪作業に従事いただいた建設企業の皆様など、県民の生活を守っていただいている関係の方々に、心からお礼を申しあげます。引き続き、国や市町村など関係機関と連携し、今後の対応に万全を期してまいります。

 私は、知事に就任して以来、「県民目線」、「スピード重視」、「現場主義」を徹底した県政運営に努めてまいりました。令和6年11月に2期目を担当させていただいてからこれまで、令和6年能登半島地震からの復旧・復興や地域防災力の向上、また、未来に向けた新しい富山県の創造をめざして、こどもまんなか社会の実現、教育改革の推進、本県の強みを活かした新産業の育成、行政・産業・地域社会のDX推進などの基盤づくりや、持続可能で最適な地域交通サービスの実現、観光振興による誘客促進、農林水産物の輸出促進など、県民のウェルビーイング向上に向けた取組みを、積極的に進めてきました。
 本日、令和8年度の予算案等をご審議いただく2月定例会を迎え、あらためて県民の皆様の負託と期待に応えるべく、全力で県政に取り組んでいく決意を新たにしています。
 国においては、強い経済を実現するため、投資を強力に促進するとともに、物価高騰・手取り増加対策や国土強靱化、人材総活躍の環境づくりを進めることとされています。また、地方の暮らしと安全を守るため、地域の産業クラスターの形成や地方のDX化を推進するほか、地域公共交通の維持に取り組むことが示されています。
 県としては、12月末に策定した、本県の目指すべき将来像と今後の県政運営の基本方針を示す総合計画に基づき、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」の実現に向けて、こども・子育て、教育などの「未来に向けた人づくり」と、まちづくり・交通、産業・GXなどの「新しい社会経済システムの構築」に係る施策を着実に実行してまいります。
 今後とも、知事に就任した際の初心を忘れず、県民一人ひとりの豊かで幸せな暮らしと本県の持続的な発展のため、県議会議員の皆様はもとより、県民や事業者の皆さんと一体となって積極果敢に取り組んでまいります。
 なにとぞ、議員各位のご指導、ご協力と県民の皆様のご支援を心からお願い申しあげます。

1.予算編成の基本方針

 つぎに、令和8年度予算編成の基本方針について申しあげます。

 令和8年度予算編成にあたっては、能登半島地震からの復旧・復興の加速化を最優先課題とし、また、「人材確保・活躍の富山モデル」の構築に向けた、斬新で先駆的かつ分野横断の事業に加え、総合計画を推進するため、「未来に向けた人づくり」、「新しい社会経済システムの構築」に向けた成果目標の達成に寄与する事業や人口減少対策を緩和と適応の両面から戦略的に行う事業に対し、重点的に予算を配分することとしました。
 一方で、本県財政については、物価高騰や賃上げへの対応、少子高齢化に伴う社会保障関係経費や公債費をはじめとした義務的経費の増加に加え、震災からの復旧・復興への対応などもあり、引き続き厳しい状況にあります。このため、全国知事会とも連携し、地方の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保・充実を国に強く求めるとともに、限られた人的・財政的資源を効果的に活用していく必要があることから、一層の選択と集中、改革と創造を念頭に、既存事業の抜本的見直し・再構築の徹底を行いました。そのうえで、小学校給食費や高等学校等授業料の負担軽減、県民生活の向上のための施設整備など、重点分野へのメリハリある配分を進めてきたところです。
 特に、現下の人手不足や物価高騰など厳しい社会経済情勢をふまえ、先週20日に取りまとめた、人材確保、働き方改革、人材育成、省力化・省人化の4つの柱を軸とした「人材確保・活躍パッケージ」と、生産性向上を起点とした持続的な賃上げの実現や物価高騰対策・消費喚起の取組みを進めるため、必要な施策を11月補正予算に盛り込み展開している「経済の好循環加速化パッケージ」の2つの施策パッケージを一体的に展開し、「人」と「経済」の対策を両輪で強力に推進することとしました。
 この結果、令和8年度一般会計予算案は、6,338億円余となり、国の総合経済対策に呼応した令和7年度11月補正予算および今回提出した2月補正予算案をあわせた16か月予算では、6,866億円余となりました。また、予算規模が前年度を上回る一方で、財源の確保等にも努めたところ、県債残高は令和8年度末時点において引き続き減少する見込みとなっています。財政の健全性にも十分留意しつつ、富山の新しい未来を創る積極的な予算としています。

2.歳出予算の概要

 つぎに、歳出予算の概要について申しあげます。
 令和8年度予算案は、一般会計6,338億1,538万円、特別会計2,998億4,620万円となっており、令和7年度補正予算案は、一般会計136億2,799万円となっています。
 以下、これらの予算案の要点について、重点政策に沿って申しあげます。

(1) 能登半島地震からの復旧・復興の加速化

 まず、能登半島地震からの復旧・復興の加速化について申しあげます。

 令和6年能登半島地震からの復旧・復興につきましては、県ではこれまで、災害対応検証をふまえ、ロードマップの点検・見直しを図りつつ、液状化対策や避難所の環境改善に向けた資機材整備などの取組みを着実に進めています。先月には、地震被害想定・津波シミュレーション調査の中間報告として、対象となる断層における最大震度分布が示され、今後は、建物や人的被害の想定調査等を実施します。また、県内全市町村との間で大規模災害時に迅速に応援職員を派遣する相互応援協定を締結したところであり、引き続き、市町村と連携し、被災者に寄り添った支援に努めるとともに、安全・安心な県づくりに万全を期してまいります。
 地域防災力の向上につきましては、防災資機材の整備などに対する支援を拡充するほか、避難所の生活環境の改善に向け、災害対応車両を導入する民間事業者を支援します。また、県立学校体育館への空調設備の整備を進め、児童生徒等の熱中症対策に加え、避難所としての機能を強化します。さらに、地震発生時の火災リスクを低減する感震ブレーカーの設置促進や防災井戸の整備に取り組む市町村を支援するとともに、中部7県の連携による緊急消防援助隊の合同訓練を実施するなど、市町村や関係機関等とワンチームとなって取組みを進めます。加えて、県内の災害医療体制を強化するため富山版DMATを創設するとともに、災害時に学校の早期再開に取り組む支援チームの創設に向けた準備を進めるなど、支援体制の構築を推進します。このほか、家屋の被害認定調査等に関する研修会の実施や、防災士の養成研修に新たに学生枠を設けるなど、防災力向上に向けた人づくりの強化に取り組んでまいります。
 被災された方々の生活再建につきましては、引き続き、液状化被害を受けた宅地の地盤改良等の復旧への支援や住宅の再建に係る融資借入額の利子分に対する助成を行います。また、木造住宅の耐震改修等を支援し、住宅の耐震化を後押ししてまいります。
 地域産業の再生につきましては、なりわい再建支援補助金により、被災した中小企業等の施設・設備の復旧等を支援するとともに、震災対策特別融資の取扱期間を延長し、資金繰りを支援してまいります。また、被災した水産業施設の復旧整備を支援するほか、水産資源等の回復状況を把握するため、富山湾の漁場環境に係る調査を実施します。さらに、震災により延期となっている黒部宇奈月キャニオンルートの一般開放・旅行商品化に向けたPR等を実施するとともに、旅行商品の造成に対し支援するなど、観光関連産業の復興を後押しします。
 このほか、黒部峡谷鉄道の全線開通に向けた欅平園地等の安全対策や、忠霊塔広場の修繕を進めてまいります。

(2) 総合計画の推進

 つぎに、総合計画の推進について、未来に向けた人づくり、新しい社会経済システムの構築、重点的に推進する人口減少対策の3つの柱に沿って申しあげます。

(3) 「未来に向けた人づくり」に係る重点政策

 まず、「未来に向けた人づくり」に係る重点政策について申しあげます。

人材確保・活躍の富山モデルの構築に向けた取組みの推進

 人材確保・活躍の富山モデルの構築に向けた取組みの推進につきましては、人材確保・活躍パッケージに基づき、本県に人が集まり活躍する好循環を目指し、実効性のある取組みを展開してまいります。
 人材確保、働き方改革については、エッセンシャルワーク分野をはじめとする人材不足への対応や多様な働き方を推進するため、スポットワークを切り口とした県独自の人材マッチングプラットフォ―ムを構築します。また、人材活躍推進センターの窓口機能や情報発信を強化するとともに、障害者雇用に取り組む企業を支援する推進員を配置します。さらに、県内での就職や転職を促す情報発信に加え、企業と転職希望者との交流イベントを実施するなど、県外からの人材確保に取り組みます。加えて、女性の活躍促進官民連携会議等を通じて、誰もが働きやすい職場環境づくりを進めるほか、DXを推進するため県内市町村にデジタル人材を派遣するなど、官民一体となって取り組んでまいります。
 このほか、バス運転手の確保を図るため、免許取得への支援等を行うとともに、介護人材の裾野拡大に向け、人材マッチングの強化や外国人材の定着を支援するほか、学校における校務DXの推進や地域人材の活用などの働き方改革と、ワークショップ等を通じた教員確保の取組みを一体的に展開してまいります。
 人材育成、省力化・省人化については、まちづくりの担い手を育成する研修プログラムを実施し、地域の活性化を推進するとともに、観光分野におけるビジネス化の観点を意識した実践的な「とやま観光ビジネスアカデミー」を開講します。また、中小企業のリーダー人材の育成のため、「富山版MBA」の開講に向けた準備を進めます。さらに、農業の担い手確保に向け、とやま農業未来カレッジの実習棟整備を進め、研修体制を強化するほか、ICT等の活用による木材生産等の効率化・省力化の実証など、スマート林業の普及に取り組みます。加えて、介護ロボットやICT機器の導入を支援し、福祉・介護現場における負担の軽減や生産性の向上を図ってまいります。

こども・子育て施策の推進

 こども・子育て施策の推進につきましては、未来を担うすべてのこどもがウェルビーイングで生活を送ることができる「こどもまんなか社会」の実現を目指し、こどもたちの意見も取り入れた条例を今議会に提案しています。今後、この条例に定める理念や内容の普及啓発を行うとともに、こどもの権利を守る附属機関を立ち上げるなど、社会全体でこどもの支援に取り組むための施策を推進してまいります。
 様々な困難を抱えるこどもへの支援については、こども安心センター(仮称)の令和9年4月の開設に向け、着実に整備を進めます。また、医療的ケア児とそのご家族のニーズに速やかに対応できるよう、一時的な受入れを行う医療機関への支援を拡充するとともに、身近な地域における訪問看護による支援体制を整備します。さらに、不登校などの困難を抱えるこどもの特色ある居場所づくりに取り組む民間団体やこども食堂の安定的な運営を支援するほか、低所得のひとり親世帯に対する電子ポイントの交付など生活支援を行います。加えて、困難な問題を抱える女性とそのこどもが安心できる居場所を確保するため、民間団体との協働による支援体制の構築や、相談窓口等の周知徹底を図ってまいります。
 子育て環境の充実については、「こども誰でも通園制度」により、就労要件を問わず保育所等の利用を可能とするほか、新川こども施設の令和9年8月の開業に向け整備を進めます。

教育の振興

 教育の振興につきましては、先月の総合教育会議で取りまとめた「新時代とやまハイスクール構想」実施方針に基づき、第1期校などの具体的な検討を始めたところであり、こどもまんなかの視点で構想を着実に推進してまいります。また、砺波工業高校の建設系コースの開設に向けた環境整備に取り組むとともに、夜間中学の令和9年4月の開校に向け、学校説明会を開催するなど準備を進めてまいります。さらに、中学校における部活動の地域展開を進める市町村を支援するほか、特別支援教育について、関係機関の連携を強化し、一人ひとりの教育的ニーズに応える支援体制づくりに取り組みます。加えて、国の施策に対応し、高等学校等の授業料などの負担を軽減するとともに、小学校の学校給食費の負担を軽減するため、県内市町村に対して食材費相当額の支援を行います。
 教育大綱については、先月開催した総合教育会議において、第3期富山県教育大綱の案を示し、ご了承いただいたところです。今後、来月中に正式決定し、基本理念である「生涯にわたる学びを通して、県民一人ひとりのウェルビーイングを高める」教育の実現に向け、取組みを進めてまいります。

文化・スポーツの振興

 文化・スポーツの振興につきましては、ユネスコ無形文化遺産「山・鉾・屋台行事」の登録10周年、「放生津八幡宮祭の曳山・築山行事」の追加登録を記念したシンポジウムや展示会を関係市と連携して実施します。また、国の重要伝統的建造物群保存地区である高岡市山町筋において民間事業者が行う保存・活用事業に対し、国、高岡市とともに支援します。さらに、立山砂防について、県営事業の開始から120年、国の直轄事業に移管して100年の節目の年にあたることから、フォーラム等を通じて世界遺産登録に向けた県民意識の醸成を図るほか、障害者の社会参加促進に向け、文化や芸術に関する発表の機会を創出します。加えて、去る1月に起工式を実施した県武道館については、令和9年度中の開館に向け整備を進めるほか、老朽化が進む県営弓道場等についても必要な改修に向けた検討に取り組んでまいります。

健康・医療・福祉の充実

 健康・医療・福祉の充実につきましては、物価高騰の影響を受ける介護・障害福祉サービス事業所等が行う、設備・備品等の整備や食事の提供を支援します。また、孤独・孤立に対する理解促進を図るイベント等を開催するとともに、認知症に対する正しい理解を深めるため、認知機能の簡易検査の実施や難聴対策の重要性の周知に取り組むほか、歯と口腔の健康づくりについて普及啓発を行ってまいります。さらに、平和の尊さを次世代に語り継いでいくため、戦争や富山大空襲に関する資料収集や展示のあり方について検討する協議会を設置します。
 なお、物価高騰等により厳しい経営状況にある県立中央病院について、医療サービスの提供に支障が生じないよう、一般会計からの繰出しを増額するとともに、引き続き経営改善の取組みを進めてまいります。

スタートアップ支援

 スタートアップ支援につきましては、総合計画を力強く推進するため今月新たに策定した戦略に基づき、取組みを進めてまいります。
 北陸からグローバルに活躍するスタートアップを創出・育成するため、北陸三県が共同でマッチングイベントに出展するなど、エコシステム形成に取り組みます。また、県外の起業志望者を対象に、スタートアップを体系的に学ぶ講座を実施するとともに、県内企業との連携を促進するなど、起業家人材の流入・定着を推進してまいります。さらに、県内の製薬企業がベンチャー企業等と連携して実施する、革新的で新規性の高い医薬品等の研究・開発を支援します。加えて、県内でのエコシステムの形成に向けて、大きな成長が期待される県内企業への集中的な支援や、起業家を支援する機運醸成に取り組んでまいります。

人材活躍・共生社会の実現

 人材活躍・共生社会の実現につきましては、デジタル技術を活用し、場所に縛られずに仕事を行う「デジタルノマド」人材を呼び込むため、事業者向けのセミナー等を実施します。また、外国人材の県内定着に向けて、日本語習得から職場環境の整備、地域交流までの一連の取組みを行うモデル企業への伴走支援を行うとともに、地域おこし協力隊を活用し、外国人材の地域交流を促進します。さらに、次代を担う高校生を対象に、富山の未来を考えるワークショップを開催するほか、ウェルビーイング向上による地域づくりや人口減少対策についての機運醸成を図るフォーラムを、北陸三県で連携して開催します。加えて、小学生とその保護者に対し、アンコンシャス・バイアスへの気づきを促す体験型のイベントを実施するほか、友好提携先であるアメリカ・オレゴン州と訪問団の相互派遣を行うなど、国際交流の推進に取り組んでまいります。

(4) 「新しい社会経済システムの構築」に係る重点政策

 つぎに、「新しい社会経済システムの構築」に係る重点政策について申しあげます。

経済の好循環の加速化

 経済の好循環の加速化につきましては、生産性向上を起点とした持続的な賃上げの実現のため、県内中小企業・小規模事業者を後押しするとともに、物価高騰対策や消費喚起の取組みを進めるなど、「経済の好循環加速化パッケージ」をより一層展開し、県内経済のさらなる活性化につなげてまいります。

インフラ・県土強靱化の推進

 インフラ・県土強靱化の推進につきましては、国の補正予算を最大限に活用し11月補正予算と今回提出した2月補正予算案、令和8年度予算案をあわせ、橋梁やトンネル、ダム、港湾施設等の老朽化対策や、河川の改修・浚渫、海岸保全施設の整備など治水・海岸・土砂災害対策、農業用水路の整備を前倒しで実施します。また、幹線道路や通学路、消雪施設の整備、港湾・漁港の機能強化など、物流と生活を支える持続可能な社会資本の整備を推進し、県土の強靱化を着実に進めます。さらに、県立高校の特別教室の空調整備、交通安全施設の改良、各種施設の維持修繕に計画的に取り組んでまいります。
 なお、インフラの老朽化対策が課題となるなか、令和8年度から令和11年度までの4年間を「令和の公共インフラニューディール道路メンテナンス集中期間」として位置づけ、道路改良事業等を一旦縮減するとともに、区画線の引き直しや舗装補修などの道路維持修繕を強化することとし、令和8年度は区画線の整備に重点的に取り組んでまいります。
 安全・安心な地域づくりについては、昨年、ツキノワグマの出没件数が大幅に増加し、人身被害が発生したことなどをふまえ、クマ対策に関する技術的助言を行う専門人材の配置や、緊急銃猟の実地訓練の開催など人材の育成・確保に取り組みます。また、クマの出没情報の早期把握・情報提供に取り組むとともに、速やかな捕獲体制を確保するほか、市町村が行うクマ対策への支援を拡充するなど、総合的な対策を講じ、被害防止に万全を期してまいります。さらに、砺波・高岡・新川地域での新警察署の整備を進めるとともに、複雑化・巧妙化する詐欺被害の未然防止を図るため、SNS等を活用した啓発を強化します。加えて、犯罪被害者やそのご家族に適切な支援を行うため、関係機関が連携したワンストップのサービス体制を構築します。このほか、今議会に自転車損害賠償保険等への加入を義務付ける「富山県自転車活用推進条例の一部を改正する条例」を提案しており、動画等を活用した周知に取り組んでまいります。

持続可能なまちづくりと公共交通

 持続可能なまちづくりと公共交通につきましては、城端線・氷見線の再構築実施計画に基づき、利便性・快適性の向上のための施設整備や直通化調査等に対し支援します。また、富山地方鉄道鉄道線については、運行主体である富山地方鉄道の一定の負担を前提に、県と沿線7市町村が収支差の一部を負担するほか、再構築に向け、私が会長となる新たな検討組織を設置し、沿線市町村とともに調査や検討に取り組みます。さらに、立山線を観光路線として持続可能なものとするため、利用者の増加を図るプロモーションを展開します。加えて、混合型コンセッションの導入に伴い、民間事業者による運営を開始する富山空港のさらなる活性化に向け、新たに個人向けの会員組織を立ち上げ、子育て世帯などの利用を促進するほか、ビジネスでの利用に対する助成やプロモーション等に、全日空や運営事業者と連携し、積極的に取り組んでまいります。

農林水産業の振興

 農林水産業の振興につきましては、持続可能な地域農業を実現するため、新規就農者の農業機械の導入等を支援するとともに、共同利用施設等の再編集約・合理化等を重点的に支援します。また、ロボットや自動操舵農機などの導入支援や人材の育成を通じ、スマート農業の普及拡大を加速するとともに、農地情報のデータベース化や、農業経営への他産業等からの参入・連携の促進を進めてまいります。さらに、農林水産物の輸出拡大に向け、全国知事会や北陸三県と連携し、ニューヨークやメキシコなどにおいてプロモーションを展開するとともに、園芸の振興のため、令和9年3月から横浜市で開催される国際園芸博覧会に出展し、県産の花きの魅力を国内外に発信します。加えて、チューリップ球根生産の省力化と収益性向上を図るモデル的な取組みの確立・普及を後押しするほか、水産資源や漁場環境に係る調査能力の向上のため、調査船「新立山丸(仮称)」の建造を進めます。このほか、地域おこし協力隊を活用し、地域資源の発掘や情報発信を行うなど、農村地域における関係人口の創出に取り組んでまいります。

産業振興・GXの推進

 産業振興・GXの推進につきましては、県内企業の新分野への進出をサポートするため、発注企業と受注企業をつなぐコーディネーターを配置するほか、研修講座の開催や相談対応を通じ、中小企業のデジタル化を引き続き後押しします。また、ウェルネス産業振興の一環として、本県の地域資源を活かしたサウナの魅力を県内外に発信し、産業の裾野拡大とビジネス機会の創出に取り組みます。さらに、企業立地助成制度については、成長産業分野の企業や若者や女性が活躍する企業に対し重点的に支援する制度に見直すなど、県外からの企業誘致を強力に進めます。加えて、県内金融機関と一体となって造成した「中小企業成長応援ファンド」を活用し、新商品開発、販路開拓、事業承継のほか、被災事業者の事業再建やスタートアップの取組み等を支援します。このほか、伝統工芸品の販路拡大を図るため、北陸三県が連携し中国での販売イベントを開催するなど、海外での新たな販路開拓に取り組んでまいります。

観光の振興

 観光の振興につきましては、インバウンド誘客の拡大に向け、体験コンテンツの造成に取り組む事業者を支援するとともに、近隣県との周遊促進に向けた観光プロモーションを実施するほか、ロサンゼルスやニューヨークでの観光PRを行い、本県の多彩な魅力を発信します。また、北陸三県が一体となって、新たに東北エリアをターゲットとした情報発信を行い、さらなる誘客促進につなげてまいります。さらに、「寿司といえば、富山」を中心としたブランディングの推進を図るため、地域おこし協力隊を活用した魅力発信を行うとともに、民間事業者や他の自治体との連携、国際学会への出展による情報発信等を行います。加えて、本年秋に国内最大級のファッションイベント「TGC TOYAMA」を開催し、県内外の若者等に対し、本県の魅力を発信します。このほか、令和9年7月に本県で開催される「宇宙技術および科学の国際シンポジウム」に向け、航空宇宙に関する講演会を開催し、機運醸成を図ってまいります。

自然環境・生活環境の保全

 自然環境・生活環境の保全につきましては、魚津地域におけるバイナリー方式での地熱発電の導入に向けた可能性調査を進めます。また、省エネ性能の高い家電・機器等への買い換えを促進するキャンペーンを実施し、エネルギー価格の高騰による負担軽減と温室効果ガスの削減を推進します。さらに、クマを人里に近づけないための森林整備に集中的に取り組むほか、ニホンザルへの対策を強化するため、GPSを活用した新たな捕獲対策を実証します。加えて、自然の再興や環境保全活動の推進を図るためのイベントや動画を通じた普及啓発に取り組んでまいります。

(5) 重点的に推進する人口減少対策

 つぎに、重点的に推進する人口減少対策について申しあげます。

人口減少の緩和

 人口減少の緩和につきましては、国のふるさと住民登録制度の創設を見据え、地域活性化のための課題解決プロジェクトに県外からの参画を呼び込むモデル的な取組みを実施するとともに、移住検討者等を対象とした、地域での暮らし体験プログラムを連携して展開し、関係人口の創出を図ります。また、出会いや結婚を希望する若者に対し、広く出会いの機会を提供するイベントを充実させるほか、首都圏のメディア等に対し、ニーズに応じた情報提供を戦略的・効果的に行い、認知度向上と観光誘客の促進につなげてまいります。さらに、富山空港の国際路線の定期便再開や安定運航、新規路線の就航に向け、旅客の確保やエアポートセールス等に、インバウンドとアウトバウンドの両面から戦略的に取り組みます。加えて、国内外から多様な人材が集まる地域を目指し、ものづくり企業のバイオ・医薬分野への参入や、ものづくり産業未来戦略に基づく成長産業分野やサーキュラーエコノミーに関する研究開発を推進してまいります。

人口減少社会への適応

 人口減少社会への適応につきましては、将来の目指すべき医療提供体制を示す新たな地域医療構想の策定に向け、ビジョンや方向性の検討のためのデータ分析等を行います。また、ツキノワグマをはじめとする鳥獣被害防止の担い手を確保するため、経験が少ないハンターを対象とした研修の実施や銃購入への支援等を新たに実施します。さらに、小中学生が自身の生き方を主体的に考える力を育むキャリア教育を推進するほか、インフラ施設の持続可能なマネジメントの実施に向け、道路・橋梁等の利用状況調査や将来推計等を行い、基本方針の策定を進めてまいります。
 なお、今後、人口減少による状況変化を見極めながら、持続可能な行財政運営に向け、老朽化が進行する公用施設を計画的に改修・整備するための安定的な財源確保を図るため基金を創設します。

(6) 県庁活性化・未来共創の取組み

 つぎに、県庁活性化・未来共創の取組みについて申しあげます。

 組織機構については、総合計画を着実に推進する体制の再構築、広域鉄道ネットワークの維持に向けた体制の強化、電力市場や県民ニーズに対応し、効率的・効果的な電気事業運営ができる体制への強化を図ります。
 また、職員人材育成・確保基本方針に基づく人材の育成や確保、職場環境の整備、職員のエンゲージメント向上などに取り組むほか、市町村の人材確保支援や官民連携・民間活力の活用を進めてまいります。
 事業の見直しについては、官民協働事業レビューの評価結果等をふまえた県民目線での見直しをはじめ、既存事業の抜本的な見直し・再構築の徹底を行いました。
 このほか、人口減少や少子高齢化、多様化する県民ニーズ等に対応するため、国における地方制度のあり方に関する検討状況も注視しながら、持続可能な行政サービスのあり方について、引き続き議論を深めてまいります。
 今後とも、ウェルビーイング向上に資する持続可能な県政推進体制を構築し、県民が主役の富山県をめざしてまいります。

3.歳入予算の概要

 つぎに、歳入予算のうち、主なものについてご説明申しあげます。
 令和8年度予算案につきましては、一般会計において、県税は、国の経済見通しや地方財政計画、税制改正や、県内企業の収益動向等を勘案して、1,645億円を、地方交付税は、国の算定方針等をふまえて積算のうえ、1,491億円を、それぞれ計上しています。
 国庫支出金は、634億円を、県債は、467億円を、それぞれ計上しています。
 使用料および手数料については、国の法改正に伴うもののほか、近年の物価上昇等をふまえ、所要の改定を行うことにしています。
 また、特別会計においては、事業収入の実績等を勘案のうえ所要額を計上しています。

4.予算以外の議案

 つぎに、予算以外の議案について申しあげます。条例としましては、新たに制定するものとして、「富山県こどもまんなか社会を実現するためのこどもの権利に関する条例」など3件を、改正するものとして、「富山県行政手続条例の一部を改正する条例」など18件を、廃止するものとして、「元気とやま未来創造基金条例を廃止する条例」を提案しています。
 また、条例以外の議案2件のほか、報告案件として、地方自治法第179条および同法第180条の規定による専決処分などについて報告しています。

 以上をもちまして、令和8年度における県政運営の基本方針および今回提出しました諸案件の説明といたします。
 なにとぞ慎重ご審議のうえ、適正な議決をいただきますようお願い申しあげます。

お問い合わせ

所属課室:議会事務局  

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 

電話番号:076-444-3405

ファックス番号:076-444-3471

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