知事コメント（令和6年度政府予算等）

1.本文

〇本日令和6年度政府予算案が閣議決定されました。今回の予算案は、足下の物価高に対応しつつ、デフレからの完全脱却と持続可能な成長の実現に向け、令和5年度補正予算と一体的に編成されており、地方の実情にも十分配慮いただき、政府・与党関係者の皆様のご努力に厚く御礼申しあげます。

〇本県が提案・要望していた重点事項については多くのものが盛り込まれました。

最初に、令和6年度の地方財政対策については、令和5年度を上回る地方一般財源総額が確保されました。地方交付税の増額や臨時財政対策債の発行抑制など、地方の安定的な財政運営に加え、財政の健全化にも配慮されたものとなっています。

〇次に、子育て支援・少子化対策については、児童手当の拡充などの経済的支援の強化や、保育士配置基準の改善、男性の育休取得促進のための育休給付の引上げ(実施はR7年度から)などが盛り込まれました。さらに、これら国の加速化プランの実施に必要な地方負担分も含む財源の確保に加え、こども・子育て支援事業債(仮称)の創設など、地方独自の取組みへの財政措置も拡充されました。県としても、「こどもまんなか社会」の実現に向け、出産・子育て支援ポイント制度の導入や新川こども施設(仮称)の整備などに取り組んでいるところであり、感謝申しあげます。

〇学校教育の充実については、G7富山・金沢教育大臣会合の富山・金沢宣言に盛り込まれた「子どもたち一人一人のウェルビーイングを向上するための教育」の実現を強く求めていましたが、教職員定数の改善をはじめ、1人1台端末の更新(R5補正)やスクール・サポート・スタッフ等の外部人材の配置拡充、部活動地域移行に係る支援の拡充、不登校・いじめ対策の強化などが予算化されたところであり、県としても教育環境の更なる改善や教員の働き方改革を進めてまいります。

〇地方創生・人口減少対策については、デジタル技術による地域活性化に活用できるデジタル田園都市国家構想交付金が確保されたほか、東京一極集中の是正に向け、東京圏の大学生の地方での就活の交通費・移転費用への支援が新たに盛り込まれました。これらを活用し地方創生や移住促進に努めてまいります。

〇地域公共交通については、地域鉄道の再構築に活用できる社会資本整備総合交付金が確保されました。今後JR城端線・氷見線の再構築実施計画が国に認定されれば、計画を円滑に実施し、持続可能な地域公共交通の実現に向けて取り組んでまいります。

〇防災・減災対策については、国土強靱化関係の予算が確保され、頻発・激甚化する災害に対処するため、流域治水の推進や線状降水帯の予測精度向上などの防災気象情報の高度化などが盛り込まれました。県では県単独の事前防止対策に取り組んでいますが、国の予算も活用し河川、砂防、農地防災等の事業を推進し、県民の安全・安心の確保に努めてまいります。

〇北陸新幹線については、従来、着工後に行っていた調査を先行的・集中的に実施する「北陸新幹線事業推進調査」が今年度よりも増額されました。この予算を最大限に活用して施工上の課題の早期解決を図っていただき、一日も早く大阪までの全線開業を実現できるよう、政府等に強く働きかけてまいります。

〇このほか、地域脱炭素移行・再エネ推進交付金の大幅な拡充や次なる感染症に備えた体制強化、クマ緊急出没対応事業の創設(R5補正)などが盛り込まれました。また、医療・介護施設等の物価高への対応や医療・介護従事者等の処遇改善を図るための報酬改定の方針も示されました。

〇今回の政府予算案の本県への重点配分に努め、最大限に活用し、喫緊の課題である物価高の影響を受ける県民や事業者等への支援にスピード感をもって取り組むとともに、未来に向けた「人づくり」と「新しい社会経済システム」の構築を進め、「幸せ人口1000万～ウェルビーイング先進地域、富山～」の実現に向け、各種施策を着実に実行してまいります。

〇最後に、このたびの予算化の実現は、国会議員や県議会議員の皆様のお力添えをはじめ、市町村長や各界の皆様のご支援・ご協力の賜であり、厚く感謝申しあげます。

 

2.関連ファイル

知事コメント（令和6年度政府予算案等）（PDF：161KB）