トップページ > くらし・健康・教育 > 生活・税金 > 住まい > 省エネ住宅のススメ > なぜ省エネ住宅にしなければならないの?

更新日:2024年4月1日

ここから本文です。

省エネ住宅のススメ

なぜ省エネ住宅にしなければならないの?

昨今、エネルギー消費量を削減した住宅(省エネ住宅)が注目を集めており、国は省エネ住宅の普及に力を入れています。その背景には気候変動問題がありますが、省エネ住宅にすべき理由はそれだけではありません。省エネ住宅に住まう人々にとっても大きなメリットがあります。

省エネ住宅にすべき理由やメリットについて、詳しく見ていきましょう。

身近に迫る気候変動

周知のとおり世界平均気温が上昇しており、大きな問題となっています。

この影響は身近なところにもみられ、たとえば下のグラフは富山市の8月の日平均気温の月平均値を示していますが、上昇傾向にあります。「最近の夏は暑い」と感じる方も多いと思いますが、気象データにもそのことが表れています。

画像1-1

(参考:気象庁過去の気象データ検索

1.5℃の約束

気候変動問題を受けて、2015年に開催されたCOP21(第21回締約国会議)では「パリ協定」が採択されました。パリ協定では、世界共通の長期目標として、産業革命前からの平均気温の上昇を2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力をすること、そのために、できる限り早期に温室効果ガス排出量をピークアウトし、21世紀後半には温室効果ガス排出量と吸収量のバランスをとることを掲げています。日本もパリ協定の締結国となり、地球温暖化対策と経済成長の両立を目指しています。

画像1-2

(参考:今さら聞けない「パリ協定」~何が決まったのか?私たちは何をすべきか?~

2050年カーボンニュートラルへ

しかし、世界の平均気温はすでに1.1℃上昇しているとされ、1.5℃に抑えるという目標を達成するにはもう一刻の猶予も許されない状況です。2018年に公表された報告書では、世界の平均気温の上昇を1.5℃の水準に抑えるためには、二酸化炭素排出量を2030年までに2010年水準から約45%減少させ、2050年前後に正味ゼロとすることが必要とされています。

こうした動きを受け、日本政府は2030年度に温室効果ガス排出量を46%削減(2013年度比)し、2050年にはカーボンニュートラルを実現すると宣言しました。

画像1-3

富山県においても、令和5年3月に「富山県カーボンニュートラル戦略」を策定し、2050年カーボンニュートラルに向けた中期目標として、2030年度の温室効果ガス排出量53%削減(2013年度比)を掲げています。

住宅における対策

カーボンニュートラルの実現に向けて、住宅の分野においても温室効果ガス排出量を削減する必要があります。住宅の温室効果ガス排出量を削減するにはエネルギー消費量を削減することが必要であり、省エネ住宅の普及が急がれます。

なお、石油やガスと比べて電気はクリーンであるというイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、日本では発電電力量の約75%を火力発電が占めており、発電するために温室効果ガスを排出しているので、クリーンとは言えません。

「断熱」と「気密」

住宅を省エネ化するために重要なのが、「断熱」と「気密」です。

断熱とは、断熱材を敷き詰めるなどして、住宅の中と外との間で熱の出入りを防ぐことを指し、気密とは、壁などの隙間をふさぐことで、住宅の中と外との間で空気の出入りを防ぐことを指します。断熱性能や気密性能を高めることで、冬には室内から外への熱の流出を防ぎ、夏には外から室内への熱の侵入を防ぐことができます。これにより、冷暖房の効きがよくなり、省エネにつながります。

たとえば、断熱性能や気密性能が低い住宅の場合、冬に暖房をしても熱が外に逃げてしまうので、いつまで経っても室内が暖まらず、暖房には負荷がかかり続けるので、エネルギーを浪費してしまいます。一方、断熱性能や気密性能が高い住宅の場合、暖房の熱が外に逃げないので、比較的すぐに室内が暖まり、暖房の負荷が軽減するので、エネルギーを節約できます。

画像1-4

「暑さや寒さは我慢してしのぐ」という誤解

省エネ住宅は気候変動問題の解決のために有効であるほか、そこに住まう居住者にとってもメリットがあります。

まず、断熱性能や気密性能が高いと、冷暖房の効きがよくなるので、特に夏と冬の間に快適な温度で過ごすことができます。省エネ住宅の普及が進む今では、「暑さや寒さは我慢してしのぐ」という考えはもはや常識ではありません。省エネ住宅にすることで快適な暮らしを手に入れることができます。

寒い家は健康にも悪影響

住宅の温度は快適さのみならず、健康にも影響を及ぼします。WHO(世界保健機関)は「住宅と健康ガイドライン」において、住宅の室内気温を18℃以上にするよう強く推奨しています。しかし、日本にはこの水準に満たない住宅が多くあると考えられます。

冬によく過ごす場所の室温を測ってみてください。18℃に満たない場所があった場合は、健康に悪影響を与えるリスクがあります。

また、住宅の寒暖差が大きいとヒートショックのリスクが高まることが知られています。

住宅の断熱性能や気密性能を高めることで、寒暖差が緩和され、温熱環境が整います。省エネ住宅は、居住者の健康を守るためにも有効です。

画像1-5

有事の際にも活躍

省エネ住宅は有事の際にも役立つ場合があります。たとえば、停電などで暖房機器が満足に使えないとき、断熱性能や気密性能が高ければ、最低限のストーブだけでもある程度の温度を保つことができます。また、太陽光パネルや蓄電池を設置していれば、停電時でも電気を使えるようになります。

光熱費の削減

省エネ住宅は、エネルギー消費量が削減されるので、それに伴い電気やガスなどの光熱費も削減されます。省エネ住宅にするためにかかる費用をすべて光熱費の削減分でまかなえるとは限りませんが、毎月の支払いが軽減されるのはうれしいポイントです。

まとめ

気候変動問題は先延ばしできない喫緊の課題であり、その対策として省エネ住宅の普及が急がれています。また、省エネ住宅はそこに住まう居住者にとっても快適性、健康、防災、光熱費などの面で大きなメリットがあります。

これから住宅を建てられる方や改修を検討されている方は、ぜひ「省エネ」という観点を持っていただきたいと思います。

画像1-6

 

次回「省エネ住宅にするにはどうすればいいの?」 〉

「省エネ住宅のススメ」トップページに戻る 〉

お問い合わせ

所属課室:土木部建築住宅課住みよいまちづくり係

〒930-8501 富山市新総曲輪1-7 防災危機管理センター8階

電話番号:076-444-3357

ファックス番号:076-444-4423

関連情報

 

このページに知りたい情報がない場合は

より良いウェブサイトにするためにみなさまのご意見をお聞かせください

このページの情報は役に立ちましたか?

このページの情報は見つけやすかったですか?