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更新日:2024年4月16日
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富山県薬事総合研究開発センターは、昭和4年(1929年)に富山県売薬同業組合により設立された売薬試験場を前身とし、富山県売薬試験場を経て、昭和27年(1952年)薬事研究所と改称され、平成30年(2018年)に薬事総合研究開発センターに改組されました。この間、昭和、平成、そして令和へと受け継がれてきた90年以上の歴史を背景に、薬事総合研究開発センターは全国都道府県立で唯一の薬事に関する研究機関として、「薬事に関する研究開発、試験、分析、技術指導と医薬品等の品質、有効性及び安全性の確保を図り、県内の薬業振興と県民の保健衛生の維持向上に資するための業務」を主な使命としています。これらを達成するため、薬事総合研究開発センターは「創薬研究開発センター」、「製剤開発支援センター」、「薬用植物指導センター」の3センターを設置し、伝統地場産業として発展を遂げた富山県の医薬品産業支援の一翼を担っています。具体的には「技術相談や依頼試験等の技術支援」、「製剤化研究、医薬品の分析法の開発、育薬研究」、「医薬品の承認審査等の行政試験」を実施し、県内大学生の人材育成にも寄与しています。創薬研究開発センターは高度な質量分析機器類や細胞自動分離解析装置等を配備し、企業によるバイオ医薬品等の高付加価値医薬品の研究開発支援や微量成分の分析法の開発支援をしています。製剤開発支援センターは、ユニークな技術を活かした製剤技術力の向上、新製剤の開発と生産拡大に資する支援をしています。また、外部精度管理試験により県内製薬企業の試験検査能力の実態を把握し、その継続と向上も図っています。薬用植物指導センターは、センターで栽培しているシャクヤク品種の中から、優れた薬理効果を有し、病害虫に強く育てやすい富山ブランドシャクヤク品種「春の粧」を発掘し、関連メーカーへの導出を目指しています。
平成17年の薬事法改正により、医薬品製造のアウトソーシングの完全自由化や新剤型・新投与経路の医薬品開発、ジェネリック医薬品の使用促進が推奨されたのを機会に、富山県の医薬品生産金額は大幅に増加し、平成27年の医薬品生産金額は6,603億円と過去最高を記録し初めて全国で第1位に躍進しました。県の中核的な産業である医薬品産業の更なる発展を図るため、富山県は「世界に注目される薬都とやま」の実現を目指すビジョンを策定し、取り組むべき施策を推進しています。世界でもトップクラスの生産管理技術を有している本県製薬業界は、今後の製薬産業のグローバル化を踏まえ、バイオ医薬品や予防・診断薬の開発、機能性食品の開発等の世界的な競争力を高め、付加価値の高い医薬品の製造推進、県内の大学における医薬品分野の研究開発や人材育成を推進する必要があります。県内医薬品産業の製造基盤の強化、アカデミアとの連携強化による医薬品シーズの探索・実用化研究も重要です。「産学官の強力な連携による産業振興、人材育成と地方大学の活性化」を目指したプログラムである「くすりのシリコンバレーTOYAMA」創造コンソーシアムの事業計画は平成30年10月に国の「地方大学・地域産業創生事業」に採択され、内閣府と県の支援の下、継続中です。髙津聖志前所長が目指した「経鼻投与ワクチンの作用を強めるアジュバントの開発研究」「天然薬物による免疫代謝の調節による生活習慣病予防研究」についても、同コンソーシアムの下、最終的な製品化を目標に推進予定です。
薬事総合研究開発センターは引き続き、富山大学、富山県立大学、県薬業連合会や政府関係機関、スイス・バーゼル地域と連携・協働し、「医薬品の品質、有効性及び安全性の確保」を基盤としながら、「医薬品産業の振興」と「グローバル化に対応した医薬品産業を支える専門人材の育成」を目指します。
世界に羽ばたく「薬都とやま」の実現に向け、県民の皆様から信頼される薬事総合研究開発センターとなるよう、所員・スタッフ一同、より一層業務に邁進する所存ですので、ご支援のほど、宜しくお願い申し上げます。
薬事総合研究開発センター所長 合田幸広
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