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更新日:2025年12月18日

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富山県 News Release

木材利用による防災・減災の取り組み   ~スギ大径材利用技術の開発~

発表日 2025年12月18日(木曜日)

 木材研究所では、能登半島地震や頻発する豪雨災害などの教訓を踏まえ、県産スギを活用した防災・減災に役立つ木製工作物の開発に取り組んでおり、今回は現在開発中の『木質耐震シェルター』と『木製ダム』をご紹介します。

開発の経緯

1.木質耐震シェルター

 能登半島地震では、古い木造家屋の倒壊が多くの犠牲者を出したことから、家屋内の安全な避難空間を確保するため、令和6年度より県産スギ(大径材)を活用した『木質耐震シェルター』の開発に取り組みました。

2.木製ダム

 当所では、県産スギ(大径材)の利用拡大と脱炭素化を推進する活動として、令和3年度より県内3箇所(氷見市、魚津市、南砺市)の小渓流に、高さ2~3mの低い木製ダムを試験的に設置しました。この取り組みは、各農林振興センターと協力して行い、現場での施工性や経年変化などの検証を目的としました。

今年度の取り組み

1.木質耐震シェルター

 今年度は主に、地震で木造2階建ての1階が壊れる被害を想定し、天井を強くする研究を重ねました。その結果、新たな天井構造を開発し、丈夫な構造体が完成しました。さらに、一般の方々を対象としたオープンハウス(写真1)を開催し、実用化へ向けた市場調査にも取り組みました。

2.木製ダム

 新川農林振興センターとの連携により、魚津市内の荒廃渓流において、過去最大となる高さ5mの大型木製ダムを実証施工しました(写真2)。今回の大型化にあたっては、これまでの実証結果を踏まえ、木材の接合方法に独自の新たな工夫を取り入れました。

今後の予定

1.木質耐震シェルター

 これまで開発した技術を特許出願するとともに、今後は、さらに低コストで機能的な改良を加え、市販を希望する民間企業に技術移転を進めます。

2.木製ダム

 施工済みの木製ダムも対象に、部材の経年劣化を検証し、その知見を設計・施工マニュアルに体系化して実用化を進めます。

 

掲載写真

お問い合わせ先

部局・担当名

電話番号

担当者

農林水産部 農林水産総合技術センター 木材研究所

0766-56-2915

成田(総括)、堂田、柴(担当)