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更新日:2023年1月11日

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高岡銅器の伝統技術による世界初の鋳造製ポットスチルが第9回ものづくり日本大賞中部経済産業局長賞を受賞

発表日 2023年1月11日(水曜日)

株式会社老子製作所(高岡市)と若鶴酒造株式会社(砺波市)および県産業技術研究開発センター(高岡市)が共同で実施した「高岡銅器の伝統技術による世界初の銅合金鋳造製ウイスキー蒸留器ポットスチルの開発」が、第9回ものづくり日本大賞において県内から唯一選ばれ、中部経済産業局長賞を受賞しました。

本技術は、地域の伝統的製品である高岡銅器に着目し、鋳造で製作する新たな工法の開発により、従来の板金製ポットスチルが抱える課題の解決と高付加価値を実現したものです。伝統産業である高岡銅器の産地活性化に向けた役割を果たすとともに、新たな産業の創出支援、経済循環の促進と地域経済の活性化が期待されます。

1.受賞内容

(1)受賞件名

「高岡銅器の伝統技術による世界初の銅合金鋳造製ウイスキー蒸留器ポットスチルの開発」

(2)受賞者

  • 元井 秀治(もとい ひではる):株式会社老子製作所 取締役会長
  • 老子 祥平(おいご しょうへい):株式会社老子製作所 代表取締役社長
  • 稲垣 貴彦(いながき たかひこ):若鶴酒造株式会社 代表取締役CEO
  • 氷見 清和(ひみ きよかず):富山県産業技術研究開発センター 副主幹研究員

(3)ものづくり日本大賞について

事業名:第9回ものづくり日本大賞

主催:経済産業省

事業目的:「ものづくり日本大賞」は、製造・生産現場の中核を担っている中堅人材や伝統的・文化的な「技」を支えてきた熟練人材、今後を担う若年人材など、「ものづくり」に携わっている各世代の人材のうち、特に優秀と認められる人材を顕彰するものです。本賞は、経済産業省、国土交通省、厚生労働省、文部科学省が連携し、平成17年より開催しており、今回で9回目を迎えます。

2.開発の技術の内容

(1)概要

本技術は、伝統産業である高岡銅器の鋳造技術を、耐久性・気密性が求められる工業用大物鋳物製造技術に発展させ、食の安全性に優れる鉛フリーの銅合金を用いた世界初の鋳造製ウイスキー蒸留器ポットスチルです。

従来、ポットスチルは、職人が板金加工により製作されていますが、酒質調整には形状の変更以外の手立てがなく、同一形状の再現が難しいことから量産にも不向きであり、また、薄板を用いるため耐久性や保温性にも課題がありました。

本開発における高岡銅器の鋳物技術の適用には、鋳造することが困難な鉛フリー合金の使用に加え、鋳造欠陥を低減させる等、工芸品と異なる高度な仕様が求められていましたが、梵鐘や複雑形状の一品モノの鋳造で培ってきた伝統の銅器鋳造技術を深化させ、鋭意設計の最適化を図り、これらの課題を解決することができました。

本技術によるポットスチルは、合金成分の組成制御とポット部形状の変更により多様な酒質を実現できることに加え、酒質の再現性や量産性、更にランニングコストやメンテナンス性にも優れています。

(2)これまでの関連実績

<本技術に関する受賞>

2020年4月 りそな中小企業振興財団「第32回中小企業優秀新技術・新製品賞」 優秀賞産学官連携特別賞
2020年7月 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2020 特別賞銀賞
2020年11月 素形材センター「第36回素形材産業技術賞」 経済産業大臣賞産業デザイン財団賞
2020年12月 中部科学技術センター「第19回中部科学技術センター顕彰」 大賞コーディネート賞
2021年2月 富山県「第7回富山県ものづくり大賞」 大賞
2021年11月 洋酒技術研究会「第9回洋酒技術研究会」洋酒技術研究会賞
2021年11月 日本鋳造工学会 2021年Casting of the Year賞
2022年5月 東京ウイスキー&スピリッツコンペティション2022 銀賞

3.その他

表彰式は、3月7日(火曜日)に名古屋市で開催される予定です。

4.関連ファイル

概要(PDF:536KB)

お問い合わせ先

部局・担当名

電話番号

担当者

商工労働部 産業技術研究開発センター

0766-21-2121

企画調整課 住岡(本受賞に関すること)

商工労働部 産業技術研究開発センター

0766-21-2121

デジタルものづくり課 氷見(研究内容に関すること)