更新日:2025年9月16日

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富山県 News Release

食中毒の発生について

発表日 2025年9月16日(火曜日)

南砺市内の学校において、ヒスタミンによる食中毒が発生しました。

砺波厚生センターが調査したところ、患者らは9月11日(木曜日)に、南砺市内の小中学校及び義務教育学校で調理された給食を喫食しており、6校の約100名が口唇の腫れや発疹等のアレルギー症状を呈していました。また、患者らを診察した医療機関から砺波厚生センターに、ヒスタミン食中毒の疑いがあると連絡がありました。検査の結果、給食の食材から高濃度のヒスタミンが検出されました。

1.探知

 令和7年9月11日(木曜日)午後2時30分頃、南砺市学校給食担当者から「本日提供の給食を喫食した生徒数十名が、口唇の腫れや発疹等の症状を呈している」旨、砺波厚生センターに連絡があった。

2.患者の状況(9月16日(火曜日)午前11時現在)

  1. 喫食者数:約2,400名(調査中)
  2. 患 者 数 :105名(男性51名、女性54名)(12名が医療機関を受診し、入院者はなし)
  3. 年 齢:10歳未満~40歳代(調査中)
  4. 主な症状:かゆみ、口唇の腫れ、発疹等

3.原因施設

 不明

 ※学校給食施設での調理工程に問題はなかったものの、原材料の流通から切身の製造までに、複数の施設及び汚染原因となる工程があったため、断定できず

4.原因食品

 患者らに共通して提供された食事は9月11日(木曜日)の給食であり、各学校において調理されていた。給食メニューには「フクラギ」が含まれており、衛生研究所が行った検査により、調理前及び調理後のフクラギ切身から高濃度のヒスタミンが検出された。また、患者の症状と潜伏期間がヒスタミンによるものと一致していたことから、9月11日の給食食材「フクラギ」を原因食品とする食中毒と断定した。

5.病因物質

 ヒスタミン

6.措置

 厚生センターにおいて、原材料の流通・製造業者及び各学校の給食施設に対し、ヒスタミン食中毒にかかる食品の衛生的な取扱い等の留意事項を指導し、原因食品の流通及び汚染経路について、遡り調査を引き続き実施中である。

7.ヒスタミンによる食中毒について

【症状】

〇食べた直後から1時間以内に、口の周りや耳たぶが赤くなったり、じんましん、頭痛、嘔吐、下痢等の症状が出ます。

〇重症の場合は、呼吸困難や意識不明になることもありますが、死亡事例はありません。

【原因食品】

〇原因となる食品は、「ヒスチジン」というアミノ酸が多く含まれる赤身魚とその加工品がほとんどです。(マグロ、ブリ、サンマ、イワシ、サバなど)

【ヒスタミンとは】

〇食品中のヒスチジンが、ヒスタミン産生菌が産生する酵素の働きで、ヒスタミンに変換されます。

〇ヒスチジンが多く含まれる食品を常温に放置する等の不適切な管理をすることで、食品中のヒスタミン産生菌が増殖し、ヒスタミンが生成されます。

【食物アレルギーとの違い】

〇ヒスタミンによる食中毒もアレルギーと同様の症状が出ますが、食品中に含まれるヒスタミンを食べたことが原因であるため、アレルギー体質とは関係ありません。ヒスタミン食中毒は、誰にでも起こる可能性があります。

8.食中毒の発生状況(令和7年9月16日現在、本事例含む)

年次 令和7年 令和6年
食中毒発生件数 25件(851名) 18件(123名)

( )内は患者数(富山市分を含む)

 

9.食中毒事例(過去3年)

   

令和6年

令和5年

令和4年

全国

事件数

1,037

1,021

962

患者数

14,229

11,803

6,856

富山県

事件数

18

10

7

患者数

123

55

8

患者数は富山市分を含む

 

10.ヒスタミンによる食中毒の予防のポイント

〇ヒスタミンは熱に安定であり、調理加工工程で除去できないため、一度生成されると食中毒を防ぐことはできません。

〇ヒスタミン産生菌の増殖と酵素作用を抑えてヒスタミンを生成させないようにするため、原材料(魚の場合は死んだ瞬間から)から最終製品の喫食までの一貫した温度管理が重要です。

【消費者の皆様へ】

  1. 生魚は常温で放置せず、速やかに冷蔵庫で保管しましょう。
  2. ヒスタミン産生菌はエラや消化管に多く存在するので、魚のエラや内臓は購入後できるだけ早く除去しましょう。
  3. 冷蔵の場合でも、できるだけ早く食べましょう。
  4. 鮮度が低下したおそれのある魚は食べないようにしましょう。
  5. 赤身魚の干物など加工品も、低温保存しましょう。
  6. 冷凍した赤身魚を解凍する時は、冷蔵庫で解凍するなど、可能な限り低温で短時間のうちに解凍しましょう。凍結と解凍の繰り返しは避けましょう。
  7. ヒスタミンが大量にできていると、食べたときに舌が「ピリピリ」することがあります。香辛料によるものでなければ、食べるのをやめてください。
  8. くちびるや舌先に通常と異なる刺激を感じた場合は、食べずに処分して下さい。

【事業者の皆様へ】

 ヒスタミンによる食中毒を防止するために、下記の衛生管理を徹底して下さい。 

  1. 魚を生のまま保存する場合は、すみやかに冷蔵、冷凍すること。
  2. 解凍や加工においては、魚の低温管理を徹底すること。
  3. 鮮度が低下した魚は使用しないこと。
  4. 信頼できる業者から原材料を仕入れるなど、適切な温度管理がされている原料を使用すること。

 

関連リンク

〇厚生労働省のホームページ

 ヒスタミンによる食中毒について(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130677.html

〇食品安全委員会の資料

 ファクトシート(科学的知見に基づく概要書):ヒスタミン(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

 https://www.fsc.go.jp/factsheets/index.data/210330histamine.pdf

お問い合わせ先

部局・担当名

電話番号

担当者

厚生部 生活衛生課

076-444-3230(当日18時まで対応します)、090-4326-0868

食品乳肉係 西尾、黒田