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更新日:2025年9月16日

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富山県 News Release

富山県内の野生イノシシにおける重症熱性血小板減少症候群ウイルスの抗体保有状況調査の結果について

発表日 2025年9月16日(火曜日)

富山県衛生研究所において、県内で捕獲された野生イノシシの重症熱性血小板減少症候群(SFTS)ウイルスの抗体保有状況調査を実施したところ、抗体陽性率が増加していることが確認されました。これは、SFTSウイルスを保有するマダニの割合が増加していることを示唆しています。

野外で活動される際には、マダニに刺されないようご注意ください。

 

【報道機関各位へお願い】

動物由来食品(肉や乳)を食べたことによって、人がSFTSに感染したという事例の報告はありません。

イノシシ等ジビエに対する風評被害が起きないよう、十分な配慮をお願いします。

1 衛生研究所での調査について

豚熱検査用として富山県に提供されたイノシシ血液のうち、豚熱陰性かつ提供自治体・施設より研究利用の同意が得られたもの(2019年7月~2024年10月、3,059検体)について、SFTSウイルス抗体保有状況について調査を実施

≪結果(抗体陽性率:%)≫

  2019 2020 2021 2022 2023 2024
西部   1.2   1.4   0.0   1.6   2.6   6.2
東部   0.0   0.0   0.0   0.0   0.0   1.4

 

≪SFTSウイルス抗体陽性イノシシの地理的分布図≫

SFTSウイルス抗体陽性イノシシの地理的分布図

参考資料:富山県内の野生イノシシにおける日本脳炎ウイルス及び重症熱性血小板減少症候群ウイルスの抗体保有状況調査(PDF:1,020KB)

 

今回の衛生研究所の調査は、抗体の保有率(過去にSFTSウイルスに感染したことがあるかどうか)を調べたものであり、現時点でウイルスを保有しているかどうかは不明です。また、抗体自体に病原性はありません。

野生動物を食用にする場合(ジビエなど)は、動物由来感染症や食中毒を防ぐ観点から、捕獲・処理・加工する際の衛生的な処理や十分な加熱等、適切な取扱いを行っています。

SFTSについても、十分に加熱調理されたものであれば、問題ありません。

2 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について

主にウイルスを保有しているマダニに刺されることにより感染するダニ媒介感染症です。

人と動物の共通感染症であり、国内では4~10月(5月に多い)にかけて、西日本を中心に人及び動物(犬、猫)の感染症例が報告されていますが、近年では東日本でも報告されています。

近年は、毎年100名以上の感染症例が報告されていますが、令和7年はすでに149名(令和7年9月9日現在、速報値)となっています。

県内での感染事例については、人が令和4年11月に1 名、令和7年6月に1 名、犬が令和4年5月に2頭、猫が令和7年8月に1頭確認されています。

3 予防方法等について

(1)マダニに咬まれないために
  • マダニは、主に森林や草地に生息していますが、郊外、市街地でも生息しています。
  • 草むらや藪などに入る場合は、肌が露出しないように長袖、長ズボン、手袋、長靴等を着用しましょう。
  • 服の上や肌の露出部分にダニ忌避剤(ディート、イカリジン)等を適切に使用しましょう。
  • 地面や草むらに直に寝転んだり、腰を下ろしたり、服を置いたりするのはやめましょう。
  • 屋外活動後はすぐに入浴し、ダニに咬まれていないか確認しましょう。
(2)マダニに咬まれた場合
  • マダニに咬まれているのを見つけたときは、無理に引き抜こうとせず、皮膚科などの医療機関で処置をしてもらいましょう。
  • マダニに咬まれた後、数週間は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。その際、マダニに咬まれたことを医師に説明してください。
  • SFTSのほかにも、マダニが媒介する感染症が多数存在しますが、すべてのマダニが病原体を保有しているわけではありません。
(3)動物からのSFTS感染を防ぐために
  • 動物を飼育している場合、過剰なふれあい(口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝たりすることなど)は控えてください。
  • 動物に触ったら必ず手を洗いましょう。また、動物に付着したマダニは動物病院で適切に駆除してもらいましょう。
  • 飼育している動物の健康状態の変化に注意し、動物が体調不良の際には、マスク、手袋などを着用し、咬まれたり舐められたりしないように注意したうえで、動物病院で診てもらって下さい。ペットがマダニに刺されないようノミダニ予防薬も有効ですので獣医師に相談しましょう。
  • 万一、飼育している猫や犬がSFTSと診断され、飼育者が発熱、消化器症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)、頭痛、筋肉痛等の症状がでた場合、医療機関を迅速に受診し、かつ、飼育している猫や犬がSFTSを発症したことを医師に説明してください。
  • 野生動物は、どのような病原体を保有しているか分かりません。野生動物との接触は避けてください。
(4)ジビエを安全に食するために
  • 野生動物を食用にする場合(ジビエなど)は、動物由来感染症や食中毒を防ぐ観点から、捕獲・処理・加工する際の衛生的な処理や十分な加熱調理等、適切な取扱いを行うことが重要です。

参考

  • 厚生労働省ホームページ(重症熱性血小板減少症候群(SFTS)について)

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000169522.html

  • 国立健康危機管理研究機構(JIHS)ホームページ(重症熱性血小板減少症候群(SFTS))

https://id-info.jihs.go.jp/diseases/sa/sfts/index.html

お問い合わせ先

部局・担当名

電話番号

担当者

厚生部 生活衛生課

076-444-3230

清水、西尾

厚生部 健康対策室

076-444-8921

感染症・疾病対策課 川辺、竹内

厚生部 衛生研究所

0766-56-8143

ウイルス部 谷、矢澤