更新日:2025年5月14日

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富山県 News Release

食中毒の発生について

発表日 2025年5月14日(水曜日)

高岡厚生センター管内で、有毒植物「スイセン」による家庭での食中毒が発生しました。

高岡厚生センターが調査したところ、患者らは5月12日(月曜日)に、親戚から「ニラ」としてもらった植物を夕食時に家庭で調理しており、食事を喫食した1家族3名が、下痢、嘔吐等の食中毒様症状を呈していることが判明しました。また、親戚の2名も同日夕食に「ニラ」として喫食し、同様の症状を呈していたことが判明しました。

1.探知

 令和7年5月13日(火曜日)9時20分頃、高岡市内の医療機関から「スイセンをニラと間違えて喫食した患者を診察した」旨、高岡厚生センターに連絡があった。

2.患者の状況(5月14日(水曜日)11時現在)

  1. 喫食者数:5名
  2. 患者数:5名(3名が医療機関を受診し、入院者はなし。)
  3. 年齢:30歳代、50歳代、60歳代、80歳代(男性1名、女性4名)
  4. 主な症状:下痢、嘔吐等

3.原因施設

 家庭

4.原因食品

 高岡厚生センターで患者が喫食した植物を確認したところ、有毒植物の「スイセン」であり、有毒成分ガランタミンが検出された。また、患者の症状と潜伏期間が「スイセン」によるものと一致していたことから、「スイセン」を原因食品とする食中毒と断定した。

5.病因物質

 植物性自然毒(スイセン)

6.スイセンによる食中毒について

【特徴】

〇ユリ目ヒガンバナ科スイセン属に分類される植物です。

〇観賞用に全国で栽培されるほか、野生化して広く分布しており、庭先等でよく見られます。

〇葉が「ニラ」、「ノビル」に似ているため、花が咲いていないと間違えることがあります。

〇鱗茎は「タマネギ」に似ています。

〇「スイセン」には有毒成分であるヒガンバナアルカロイド(リコリン、ガランタミン等)が含まれています。

〇葉や球根など、全草が有毒部位です。

【症状】

〇食後30分以内の短い時間で悪心、嘔吐、下痢等を起こします。

【スイセンとニラの見分け方】

〇「スイセン」の葉には臭いがありませんが、「ニラ」の葉にはニラ特有の臭いがあります。「ニラ」を採る時は、必ず臭いを確認しましょう。

〇「スイセン」は「ニラ」に比較して、葉の幅が広い、草丈が高い、葉が厚い等の特徴があります。

〇家庭で「スイセン」と「ニラ」を栽培する場合は、離れた別々の場所で栽培しましょう。

スイセンとニラの比較

7.食中毒の発生状況(令和7年5月14日現在、本事例含む)

年次 令和7年 令和6年
食中毒発生件数 19件(730名) 18件(123名)

( )内は患者数(富山市分を含む)

8.食中毒事例(過去3年)

   

令和6年

令和5年

令和4年

全国

事件数

1,037

1,021

962

患者数

14,229

11,803

6,856

富山県

事件数

18

10

7

患者数

123

55

8

患者数は富山市分を含む

 

9.有毒植物による食中毒の予防のポイント

 全国では毎年、春先から初夏にかけて、有毒植物の誤食による食中毒が多く発生しています。

 令和6年は、イヌサフラン、バイケイソウ、スイセン等の有毒植物による食中毒事例が14件(患者数24名、死者2名)報告されています。

〇よくわからない植物は、絶対に「採らない、食べない、売らない、人にあげない」ようにしましょう。

〇家庭では、野菜と園芸植物を近くに植えないようにしましょう。植えた記憶がない植物は食べないようにしましょう。

〇身近な植物をむやみに食べないようにしましょう。

厚生労働省作成の下記ホームページを参照いただき、有毒植物の誤食を防止しましょう。

もし、中毒だと思ったら、すぐに医師の診察を受けましょう。食べたものが残っている場合は、受診の際、持参してください。

関連リンク

〇厚生労働省のホームページ

 有毒植物による食中毒に注意しましょう(外部サイトへリンク)

 自然毒のリスクプロファイル(外部サイトへリンク)(別ウィンドウで開きます)

 観賞用植物の誤食に注意!(リーフレット)(PDF:669KB)(別ウィンドウで開きます)

お問い合わせ先

部局・担当名

電話番号

担当者

厚生部 生活衛生課

076-444-3230(当日18時まで対応します)、090-4326-0868

食品乳肉係 西尾、黒田