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建設業のおしごとレポ《測量・地質調査編》

測量・地質調査最新の技術を駆使して設計の基礎をつくる(測量会社、地質調査会社)

1.測量・地質調査の仕事とは?

測量や地質調査は、詳細な設計の基礎となる、地形や地質に関するデータを得るために行います。

測量とは、地形の距離や角度・高さを測定し正確な位置や面積などを明らかにした地図を作成することです。

地質調査とは、地質、土質、地下水など地中の見えない部分について、その形、質、量を明らかにすることです。

測量の主な仕事【測量、測量図作成】、地質調査の主な仕事【調査ボーリング、地盤の解析】

2.現場の仕事を見てみよう!

測量・地質調査の現場をレポートします!

測量

基礎的な測量は「トータルステーション」を多く用います。

距離と角度を同時に測定し、3次元空間座標がその場で電子データとして得られます。

座標が容易に算出できるため、面積算出、位置計測で効果が発揮されます。

必要なデータや地形に応じて機材を使い分けています。

下の写真の測量機器は、自動で360度回って計測する「3Dレーザースキャナー」。地形を面的に測りたいときに使用します。

広範囲にわたる場所や災害などで人が入れないところでも安全に計測することができます。

現場レポ

すごい!自動で測量されていきます!

測量で使うドローンにはGPSがついており、風を受けても機体の位置の修正ができます。

また、カメラやスキャナなどの機材を付けて、飛行ルートをドローンに読み込ませることで、手元の画像を確認し、自動で飛行させながら測量することができます。

測量図作成

測量によって得られた高さや位置などのデータをもとにCADというソフトで測量図を作成します。

近年では、3次元で測量し得られたデータを活用することで、縦断図や横断図の作図が自由にできるとともに、より詳細に現地の地形を再現することができます。

現場レポ

測量データはすべての基本となる非常に重要な情報!時間をかけて、丁寧に描いていきます。この測量図から設計が始まっていくんですね

地質調査(調査ボーリング)

地質調査で最も直接的で有力な調査方法は「ボーリング」という、実際に地盤に穴を掘ってサンプルを採取する手法です。

地中の情報を直接入手して、その性質を明らかにします。

現場レポ

一つ一つ自分の目でみて、地質の状態を分析することが大切です!

人々の暮らしを災害から守ったり、建物や構造物の安全を確保するための基礎資料を提供する大切な仕事です。

時には、設計内容について設計担当者と打合せをすることもあります。

調査は現場に出る前から始まっていますよ!

現場作業をスムーズに進めるためには、道具の選定も大切です。

過去の資料や、これまでの経験から地中の状態をイメージして、現場に合った道具を選びます。

地盤の解析

採取した地中のサンプルから、地質を分類します。

実際に見て触りながら基準書と照らし合わせて分類していきます。

この地質データが設計の基盤になります!

専用のソフトを使用して、地中の状態を表や図に整理します。

また、調査目的に応じた解析・判定も行います。

3.レポーターが聞いてみた!

Q:測量の仕事をする時に必要な資格はありますか?

測量の仕事をしていく上では「測量士」または「測量士補」という国家資格が必要になります。

「測量士」は合格率が10%前後の難しい資格ですが、「測量士補」は高校や大学、専門学校でも取得することができます!私の場合は高校で測量士補を取得しました。

まだ測量士の資格は持っていませんが、仕事で培った知識を活かしてこれから資格の取得を目指します!

 

Q:測量の仕事に求められることを教えてください!

測量業務は主に屋外での作業が中心で、高低差のある場所や歩きにくい現場で測量機器を運ぶため、体力が求められます。

また、作業はグループで行うので、チームメンバーとの協調性が重要です。初めは周囲の人とのコミュニケーションや現場作業に慣れることが大切です!

 

Q:地質調査って、土の専門家じゃないと難しいですか?

そんなことはないですよ!

専門外の学校から就職する人も多いですし、仕事は入社してから現場を通して覚えます。

先輩方に教わりながら、本当にたくさんの知識を得ることができる職場です!

 

 

私も地質調査は初めてでしたが、ベテランの先輩に教わることで、どんどんできることが増えていっています。

最初に失敗するのは当たり前!この仕事は失敗しながら学んでいくことが多いので、経験を積むほど面白くなっていきます。

 

4.働く先輩を紹介します!

測量:泉晴生さん

北陸コンサルタント(株)測量調査部泉晴生さん北陸コンサルタント(株)測量調査部泉晴生さん自分の仕事からこの工事が始まったという実感が湧きます

泉さんにとって、仕事の魅力とは?

全ての建設工事は、測量からはじまります。

測量の結果に基づいて設計や施工計画が練られ、実際の工事へと移って行きます。

なので、正確な数値を出さなければならないプレッシャーもありますが、予定どおりに完成すると「自分の仕事からこの工事が始まった」という実感が湧き、とても満足感を味わうことができます。

 

測量:田中柊士郎さん

北陸コンサルタント(株)測量調査部田中柊士郎さん普段見ることのない景色や風景に出会えるのも、この仕事の魅力です。

田中さんにとって、仕事の魅力とは?

測量という仕事は一見地味ですが、その成果を目で確認できることに加え、社会貢献をしたという感触を得ることもできる点にやりがいを感じます。

また、街中や市街地等のほかに、自然豊かな川や山地で作業することがあります。

 

ある1日のスケジュール

コンサルタント会社(測量部門)のある1日のスケジュール(外業の日)コンサルタント会社(測量部門)のある1日のスケジュール(内業の日)


 

地質調査:中水隼さん

ダイチ(株)技術部中水隼さん「次はどんな地層が出てくるだろう」と、現場へ行くたびにワクワクします!

中水さんにとって、仕事の魅力とは?

場所によって全く違う地質に出会えることが魅力です。

様々な土地で調査をするので「次はどんな地層が出てくるだろう」と、現場へ行くたびにワクワクします!

また、地層の堆積を見て、その土地の歴史・成り立ちが分析できるのも、この仕事の面白いところです。

 

地質調査:小善裕翔さん

東城(株)土木部小善裕翔さん自分のデータが設計に採用されるとき、責任とやりがいを感じます。

小善さんにとって、仕事の魅力とは?

自分に仕事を任せてもらったとき、そして自分の取ったデータが設計に採用されるとき、責任感とともに、やりがいを感じます。

山間部での仕事もありますし、機材の運搬・組立てなども自分が主体となって行います。

そうやって一つの調査地点が掘り上がったときには大きな達成感があります。

 

ある1日のスケジュール

 

地質調査会社のある1日のスケジュール(外業の日)地質調査会社のある1日のスケジュール(内業の日)

 

「測量・地質調査」の現場おしごとレポ!“つくる”の基盤を描く、はじまりの仕事