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平成24年富山県鉱工業指数年報はこちら(PDF)
1.生産動向 ―生産指数は低下―
平成24年の生産指数(原指数)は、前年比▲5.7%低下の97.1となり、3年ぶりに低下した(表1、図1、統計表第1表)。
平成24年の生産の動きを四半期別にみると、生産の前期比(季節調整済指数)は、T期0.5%と上昇したが、U期▲1.7%、V期▲2.6%、W期▲3.1%と3期連続で低下した。
また、前年同期比(原指数)は、T期▲6.0%、U期▲4.0%、V期▲6.2%、W期▲6.5%と平成23年V期から6期連続で前年を下回った(表1、図1、図2、図3、統計表第3表)。
2.在庫動向 ― 在庫指数は上昇 ―
平成24年の在庫指数(原指数)は、前年末比0.4%上昇の116.0となり、3年連続で上昇した(表5)。 ![]()
平成24年の在庫の動きを四半期別にみると、前期末比(季節調整済指数)は、T期6.0%と上昇し、U期▲2.4%、V期▲0.4%、W期▲2.4%と3期連続で低下した。
また、前年同期末比(原指数)では、T期17.8%、U期8.6%、V期3.2%、W期0.4%と平成22年W期から9期連続で前年を上回った(図8、図9、統計表第4表)。
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業種別にみると、製造工業13業種中、電気機械工業、鉄鋼業、プラスチック製品工業など6業種が上昇し、はん用・生産用・業務用機械工業、化学工業など7業種が低下した(表6、表7、図10、詳細は「2 業種別動向」を参照)。
在庫指数(原指数)全体の上昇に最も影響を与えたのは電気機械工業(寄与度6.68)で、電子部品などの増加により、前年末比157.3%上昇の337.0となった。ついで、鉄鋼業(寄与度1.43)は素製品(鋼半製品含)などの増加により、前年末比26.4%上昇の110.2となった。
一方、低下に最も影響を与えたのは、はん用・生産用・業務用機械工業(寄与度▲4.69)で機械工具などの減少により、前年末比▲23.3%低下の121.9となった。次いで、化学工業(寄与度▲2.22)がプラスチック樹脂などの減少で前年末比▲7.4%低下の118.1となった。
財用途別在庫指数(原指数)の前年末比は、最終需要財が3.8%上昇し、生産財が▲1.4%低下したことにより、全体で0.4%上昇した。
最終需要財では、投資財(寄与度0.60)が前年末比6.5%上昇し、消費財(寄与度0.74)が前年末比2.8%上昇したことにより、全体では3.8%の上昇となった。
生産財では、鉱工業用生産財(寄与度▲0.83)が前年末比▲1.4%の低下となった(表8)。
3.在庫循環
富山県の在庫循環図をみると、平成22年T〜W期、平成23年T期は「在庫積み増し局面」に、U〜W期、平成24年T、U期は「在庫積み上がり局面」へ、V、W期は「在庫調整局面」に移動した。
また、全国の在庫循環図をみると、平成22年T期〜W期は「在庫積み増し局面」に、平成23年T期、U期は「在庫調整局面」に、V期、W期、平成24年T期は「在庫積み上がり局面」へ移動し、U期は「在庫積み増し局面」に、V期は「在庫積み上がり局面」に、W期は「在庫調整局面」へ移動した。
<在庫循環の見方>
(在庫積み増し局面)
景気が上向いているときには、将来の需要増を見込み、原料を手当し、製品化を急ぎ、在庫を積み増す。
(在庫積み上がり局面)
景気の山を迎え、下降局面にはいると、企業の需要予測より実際の需要が下回ることになり、在庫がたまりはじめる(意図せざる在庫投資)。
(在庫調整局面)
企業は積み上がった在庫を減らすために、減産を行う。この結果、景気の停滞・後退はさらに進む。これが在庫調整であり、この在庫調整が終了する時期が、 ほぼ景気の谷となる。
(在庫減少局面)
景気が回復し需要が増えると、最初は生産が追いつかず、在庫が減少する。このように、在庫は、「在庫積み増し局面」→「在庫積み上がり局面」→「在庫調整局面」→「在庫減少局面」と景気の 局面 ごとに起こり、通常、時計反対方向にグラフが推移する傾向がある。