感染性胃腸炎、ウイルス性食中毒にご用心 !! | |
ノロウイルス感染症の相談窓口等についてはこちら(健康課) | |
毎年、冬季になると、小児科および内科医からの感染性胃腸炎患者の報告数が増加します。 | |
感染性胃腸炎には、ウイルス性のものと細菌性のものの他、寄生虫によるものがありますが、冬季に発生する感染性胃腸炎のほとんどがウイルス性の胃腸炎です。
原因ウイルスは、ロタウイルスとともにノロウイルス(Noro virus; かつてSRSVやNorwalk-like virus と呼ばれていたもの)が注目されています。ほかに、アデノ、アストロ、エンテロの各ウイルスが知られています。(*感染性胃腸炎については、こちらをごらんください。)
図1.ノロウイルスの電子顕微鏡像
1nm=100万分の1mm
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ウイルス性食中毒の主犯格はノロウイルス! | |
最近の調査でノロウイルスがウイルス性食中毒の原因ウイルスの9割を占めていることがわかり、ノロウイルスが食中毒の原因物質に加えられました。
ノロウイルス感染による食中毒事件は年間を通して報告されており、特に感染性胃腸炎が乳幼児の間で大流行をし始める冬季に多発する傾向が全国的に見られます(図2)。
図2
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ノロウイルスに感染したらどんな症状がおきるか? | |
ノロウイルスに感染すると、嘔吐、下痢(水様性下痢)、頭痛などの急性胃腸炎症状をおこします。この症状は2〜3日程度で、経過は比較的よいのですが、症状回復後2〜3週間にわたり糞便中にウイルスを排出し続けます。富山県でも、全く胃腸炎症状を呈しない人の糞便からノロウイルスが検出され、無症状でもウイルスを排泄していることが明らかにされています。
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ウイルス性食中毒と細菌性食中毒の違いは? | |
ウイルス性食中毒が細菌性食中毒と大きく異なる点は
1.ウイルスは食品では増殖しない。
2.食中毒をおこす細菌は動物(ヒトを含む)や環境由来ですが、ウイルスはヒト由来です。
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ノロウイルス感染はどうしておこるか:ノロウイルスの感染源・感染経路(図3) | |
冬季のウイルス性食中毒の原因食として最も報告が多いのは、生ガキです。
(ウイルスに汚染された二枚貝を生で食べることによって、ノロウイルスに感染するためです。)
ノロウイルス感染による胃腸炎の集団発生がおこるウイルスの伝播には
(1)下水または生活排水からウイルスが海に流れ、二枚貝が大量の海水を濾過することによってウイルスが二枚貝の中腸腺内で濃縮されその貝を生で食べた人が感染する。
(2)調理人の手を介して食品が汚染され、それを食べた人が感染する。
(3)ウイルスで汚染された水が、調理に使われる。
(4)食品媒介ではないが、施設内で人→人の密接な接触で、伝播する。
(5)吐物にもウイルスは排出されるので、吐物からも感染が広がる。
等が考えられます。
したがって、ウイルスはヒト由来ですので、患者が増えると二枚貝がノロウイルスに汚染されるチャンスが多くなりそうです。
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図3.ノロウイルスの感染経路 |
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富山県での感染性胃腸炎の発生状況は? | |
感染症動向調査によりますと、近年富山県内での感染性胃腸炎が激増しています。これから生ガキのおいしい季節ですが、ノロウイルスによる感染性胃腸炎患者も乳幼児に多数発生しております。
(富山県の患者報告数はこちらをご覧ください)
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ノロウイルスによる食中毒や感染性胃腸炎の流行を防ぐには? | |
ノロウイルスによる食中毒を防ぐには、カキ等の魚貝類を食べる時は十分に加熱して食べることです。食中毒をおこすウイルスは、二枚貝では中腸という器官に濃縮されていますので、調理場の衛生管理や食品の保存管理では防げない部分が多くあります。無症状の調理者からの汚染が原因の場合もありますので、調理者の手洗いも重要です。もしもノロウイルスに感染したならば、手洗いを十分に行い、他の人にうつさないように注意しましょう。
感染性胃腸炎患者が出た場合、ノロウイルスの感染様式は感染者からの糞口感染や汚染された水、食品を介する感染のほかに糞便や吐物の飛沫からの感染もありますので、汚物(糞便・吐物)の処理には充分注意してください。症状が回復しても手洗いを十分に行い、ヒトからヒトへの感染を防いでください。 |
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ノロウイルスによる食中毒にかかったら | |
症状は細菌性食中毒症状に比べて軽度ですが、他の原因も考えられますので自己判断せず、お医者さんを受診してください。
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