統計情報ライブラリー/生活・環境家計調査報告書
1 総世帯の家計


 (1) 消費支出の概況
  ―消費支出は、対前年比実質5.5%の減少(全国は3.5%の減少)
  平成18年の富山市総世帯(平均世帯人員2.60人、世帯主の平均年齢52.9歳)の消費支出は、1世帯当たり1か月平均301,478円(全国平均258,086円)で、前年に比べ名目5.7%の減少(全国平均3.2%減少)となった。また、消費者物価指数が前年比0.2%の減少(全国平均0.3%上昇)となったことから、実質でも5.5%の減少(全国平均3.5%の減少)となった。
 総世帯のうち二人以上の世帯(平均世帯人員3.40人、世帯主の平均年齢53.3歳)の消費支出は、1世帯当たり1か月平均368,707円(全国平均294,943円)で、前年に比べ名目1.9%の減少(全国平均も同じく1.9%の減少)、実質でも1.7%の減少(全国平均2.2%の減少)となった。
          
図1 消費支出額と対前年実質増減率の推移(富山市)
        (注1)平成11年以前の実数及び平成12年以前の増減率は、農林漁家世帯を除いた結果による。
        (注2)総世帯については、平成12年から集計が開始されたため、平成11年以前の実数及び平成12年以前の増減率はなし。
        ※
注1及び注2については、以下の図及び表でも同じ。


 (2) 消費支出の内訳と対前年実質増減率

  ―食料,光熱・水道,保健医療が減少、住居,教育が増加
平成18年の総世帯の1か月平均消費支出(301,478円)を費目別にみると、次のような特徴がみられる。

  ア 食 料 <実質減少>
 1世帯当たり63,293円で、名目3.6%、実質3.5%の減少となった。調理食品、飲料、酒類、外食が実質増加となったが、その他の費目が実質減少となり、全体として実質減少となった。
  イ 住 居 <実質増加>
 1世帯当たり20,665円で、名目31.8%、実質31.4%の増加となった。家賃地代が大幅な実質増加となったほか、設備修繕・維持も実質増加となったため、全体として実質増加となった。
  ウ 光熱・水道 <実質減少>
 1世帯当たり23,124円で、名目1.2%、実質4.7%の減少となった。電気代、ガス代が実質増加となったが、他の光熱(灯油など)、上下水道料が実質減少となったため、全体として実質減少となった。
  エ 家具・家事用品 <実質減少>
 1世帯当たり7,738円で、名目15.6%、実質11.0%の減少となった。寝具類、家事用消耗品、家事サービスが実質増加となったものの、家庭用耐久財、室内装備・装飾品、家事雑貨が実質減少となったため、全体として実質減少となった。
  オ 被服及び履物 <実質増加>
 1世帯当たり12,146円で、名目5.3%、実質4.9%の増加となった。和服、洋服、シャツ・セーター類、靴下などの他の被服が実質減少となったが、下着類、履物類、被服関連サービスが実質増加となったため、全体として実質増加となった。
  カ 保健医療 <実質減少>
 1世帯当たり8,616円で、名目30.5%、実質28.9%の減少となった。すべての費目が実質減少となった。
  キ 交通・通信 <実質増加>
 1世帯当たり37,829円で、名目9.1%、実質8.4%の増加となった。鉄道通勤定期代などの交通が実質減少となったが、自動車等関係費、移動電話通信料などの通信が実質増加となったため、全体として実質増加となった。
  ク 教 育 <実質増加>
 1世帯当たり7,700円で、名目8.7%、実質8.5%の増加となった。
  ケ 教養娯楽 <実質減少>
 1世帯当たり27,404円で、名目5.3%、実質3.1%の減少となった。教養娯楽用耐久財、書籍・他の印刷物が実質増加となったものの、教養娯楽用品、宿泊料や入場・観覧・ゲーム代などの教養娯楽サービスが実質減少となったため、全体として実質減少となった。
  コ その他の消費支出 <名目減少>
 1世帯当たり92,963円で、名目16.4%の減少となった。理美容サービスなどの諸雑費が増加したが、交際費、仕送り金、こづかい(使途不明)が減少となった。                       


図2 消費支出の対前年実質増減率に対する費目別寄与度(富山市総世帯)
  
表1 消費支出の費目別対前年実質増減率(富山市総世帯、二人以上の世帯)−平成18年−

項 目 総世帯 二人以上の世帯
月平均額
(円)
構成比(%) 増減率(%) 月平均額
(円)
構成比(%) 増減率(%)
消  費  支  出 301,478 100.0 -5.5 368,707 122.3 -1.7
  食    料 63,293 21.0 -3.5 76,239 25.3 0.1
    穀 類 5,482 1.8 -5.4 7,120 2.4 5.1
    魚 介 類 6,413 2.1 -18.2 8,626 2.9 -8.1
    肉 類 4,513 1.5 -3.4 6,067 2.0 3.7
    乳 卵 類 2,568 0.9 -7.9 3,171 1.1 -4.9
    野 菜 ・ 海 藻 7,427 2.5 -8.1 9,535 3.2 -1.3
    果 物 2,358 0.8 -13.5 2,724 0.9 -12.2
    油 脂 ・調 味 料 2,336 0.8 -5.4 3,016 1.0 1.0
    菓 子 類 4,135 1.4 -5.7 5,082 1.7 -3.0
    調 理 食 品 8,085 2.7 5.2 9,435 3.1 9.8
    飲 料 3,603 1.2 1.8 3,937 1.3 0.9
    酒 類 3,570 1.2 10.4 4,523 1.5 17.4
    外 食 12,804 4.2 1.9 13,002 4.3 -5.0
  住    居 20,665 6.9 31.4 15,760 5.2 -10.5
   家 賃 地 代 11,857 3.9 71.5 3,931 1.3 -39.1
    設 備 修 繕 ・維 持 8,808 2.9 0.2 11,829 3.9 6.1
  光 熱 ・ 水 道 23,124 7.7 -4.7 27,916 9.3 1.5
   電 気 代 9,152 3.0 1.1 11,237 3.7 8.1
    ガ ス 代 5,588 1.9 3.3 5,787 1.9 -3.3
  家具 ・ 家事用品 7,738 2.6 -11.0 10,026 3.3 -2.8
    家 庭 用 耐 久 財 2,621 0.9 -6.2 3,577 1.2 12.6
  被 服 及 び 履 物 12,146 4.0 4.9 13,158 4.4 -2.9
    洋 服 4,327 1.4 10.9 4,431 1.5 -3.4
  保 健 医 療 8,616 2.9 -28.9 10,349 3.4 -15.0
  交 通 ・ 通 信 37,829 12.5 8.4 46,837 15.5 13.2
    交 通 2,793 0.9 -25.1 3,500 1.2 -9.2
    自動車等 関係費 24,793 8.2 19.2 30,777 10.2 21.6
    通 信 10,243 3.4 0.1 12,561 4.2 4.1
  教 育 7,700 2.6 8.5 11,655 3.9 23.2
  教 養 娯 楽 27,404 9.1 -3.1 31,257 10.4 2.7
   教養娯楽用耐久財 2,269 0.8 26.8 3,356 1.1 72.6
    教養娯楽サービス 15,108 5.0 -6.7 15,969 5.3 -8.9
  その他の消費支出※ 92,963 30.8 -16.4 125,509 41.6 -8.3
    諸 雑 費 22,577 7.5 6.8 27,567 9.1 12.0
    こ づ か い ※ 36,930 12.2 -28.3 55,820 18.5 -18.4
    交 際 費 24,204 8.0 -13.5 28,785 9.5 -6.6
    仕 送 り 金 ※ 9,253 3.1 -13.5 13,337 4.4 1.0
(注1) ※印は名目増減率
(注2) 交際費の実質増減率は、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で実質化した。

          
また、二人以上の世帯の消費支出を総世帯の消費支出と比較すると、約1.2倍となった(図3)。

図3 消費支出の内訳

(2) 消費支出の費目別構成比


 ―光熱・水道、交通・通信が上昇、その他の消費支出が低下―

 平成18年の総世帯の消費支出の費目別構成比をみると、「食料」の占める割合(エンゲル係数)は、調理食品、飲料、酒類、外食の増加などにより、前年に比べ0.5ポイント上昇して21.0%となった。
 また、原油価格の高騰により、電気代、ガス代、他の光熱が増加した「光熱・水道」(7.7%)が0.4ポイント、自動車等関係費などが増加した「交通・通信」(12.5%)が1.7ポイント上昇したほか、「住居」(6.9%)が2.0ポイント、「被服及び履物」(4.0%)が0.4ポイント、「教育」(2.6%)が0.4ポイントそれぞれ上昇した。
 一方、「家具・家事用品」(2.6%)が0.3ポイント、「保健医療」(2.9%)が1.0ポイントそれぞれ低下した。「その他の消費支出」(30.8%)については、こづかい(使途不明)、交際費、仕送り金が減少し、4.0ポイントの低下となった。なお、「教養娯楽」(9.1%)は前年と変わらなかった。

図4 消費支出費目別構成比の推移(富山市総世帯)

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