統計情報ライブラリー/生活・環境家計調査報告書
3 二人以上の世帯の家計


 (1) 消費支出の概況
  ―消費支出は、対前年比実質3.5%の増加(全国は0.4%の減少)−
 平成17年の富山市二人以上の世帯(平均世帯人員3.39人、世帯主の平均年齢53.3歳)の消費支出は、1世帯当たり1か月平均375,747円(全国平均300,531円)で、前年に比べ名目3.5%の増加(全国平均0.8%減少)となった。また、消費者物価指数が前年と同水準となったことから、実質でも3.5%の増加(全国平均0.4%減少)となった(P12 図1)。
 1か月の消費支出を1人当たりでみると、平成17年は110,840円で、前年に比べ実質5.6%の増加となった(全国平均94,805円、実質0.2%の増加)。近年の動きをみると、富山市は14年に大きく増加し、その後15年、16年と減少に転じた。17年は再び増加した(図7−1、7−2)。

図7−1 1人当たりの消費支出の推移(二人以上の世帯)

図7−2 消費支出の対前年増減率と世帯人員の推移(二人以上の世帯)



 (2) 消費支出の費目別構成比の推移

  ―その他の消費支出が上昇、教育が低下
 平成17年の二人以上の世帯の消費支出の費目別構成比をみると、こづかいや諸雑費の増加で「その他の消費支出」の占める割合が前年に比べ3.2ポイント上昇し36.4%となった。また、「住居」(4.7%)が0.3ポイント、「光熱・水道」(7.1%)及び「家具・家事用品」(2.9%)、「保健医療」(3.3%)が各0.1ポイントとそれぞれ上昇した。
 一方、「教育」(2.5%)が1.2ポイント、「交通・通信」(10.9%)が1.1ポイント、「被服及び履物」(3.6%)が0.7ポイントとそれぞれ低下し、「食料」の占める割合(エンゲル係数)が穀類や野菜・海藻、外食の減少で0.6ポイント低下し、20.3%となり、「教養娯楽」(8.3%)が0.3ポイントそれぞれ低下した。
 昭和55年以降の推移をみると、大筋では「その他の消費支出」、「交通・通信」、「光熱・水道」が上昇し、「食料」、「被服及び履物」が低下してきたが、平成12年からの消費支出金額全体の減少傾向に連動して、「食料」の動きも鈍化してきた。
 また、「交通・通信」は携帯電話の利用者増加やインターネットの普及により、消費支出に占める割合は急速に上昇してきたが、平成17年は低下した(図8−1、8−2)。

図8−1 消費支出費目別構成比の推移(富山市二人以上の世帯、用途分類)

図8−2 エンゲル係数の推移(二人以上の世帯、用途分類)


 (3) 全国からみた富山市の特徴
  ―1か月の消費支出7年連続全国1位(都道府県庁所在市別順位 以下同じ)―
 富山市の二人以上の世帯の1世帯当たり1か月の消費支出を全国と比較すると、平成17年は375,747円で前年(363,186円)に比べ増加し、平成11年から7年連続全国1位となった。
 消費支出の内訳を、平成15年、16年、17年の3か年の平均で全国と比べると、その他の消費支出(こづかい、仕送り金等)が全国を大きく上回っている(表9−1)。
 また全国の構成比を100として富山市の構成比をみると、その他の消費支出(こづかい、仕送り金など)の割合だけが全国より高く、他の費目は相対的に少なくなって、すべて全国を下回っている。とりわけ、住居、教育、家具・家事用品の割合が全国より大幅に低い。住居の割合が低いのは、持ち家率が高く家賃地代が少ないため、教育の割合が低く仕送り金の割合が高いのは、県外大学などへの遊学費用が仕送り金に分類され、教育費には含まれないためと考えられる。また、こづかいの割合が高いのは、1世帯当たりの有業人員が3か年平均で1.65人(全国1.42人)と多く、個人裁量のこづかいが多いことが理由としてあげられる(図9−2、図9−3)。

図9−1 消費支出の費目別支出金額
(二人以上の世帯、用途分類、平成15、16、17年の3か年平均 以下同じ)

図9−2 消費支出の費目別構成比

図9−3 消費支出の費目別構成比指数(全国=100)

 
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