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1.消費支出の状況 2.消費支出の内訳と対前回実質増加率 3.消費支出の費目別構成比の内訳 4.全国比較 5.所得格差 6.購入先別支出 |
―消費支出は、1か月平均399,843円で全国第1位―
全世帯の平成11年9月〜11月の1か月平均(以下「1か月平均」という。)消費支出は1世帯当たり399,843円(全国平均335,114円)で全国第1位となった。前回調査の平成6年と比較すると名目で(+)4.1%の増加、消費者物価の上昇分を除いた実質で(+)1.9%増加の増加となっている。
これは、全国平均が名目(-)2.6%、実質(-)4.1%減少している中での増加である。
1世帯当たりの消費支出の実質増加率(対前回比較・5年間の実質増加率。以下同じ)の推移をみると、昭和54年(+)12.2%、59年(+)5.1%、平成元年(+)3.4%と伸びが縮少してきていた。バブル経済を経て平成6年には(+)8.7%と高くなったものの、その後の長引く不況の影響を受けて11年は(+)1.9%とわずかな伸びにとどまった。 (表1)(図1)
表1 1か月平均消費支出の推移(全世帯)
項 目 | 昭和54年 | 昭和59年 | 平成元年 | 平成6年 | 平成11年 | |
富 山 県 |
世帯人員(人) 有業人員(人) 世帯主の年齢(歳) 持家率(%) |
4.08 1.95 45.4 85.4 |
4.21 2.12 48.1 92.9 |
4.15 2.07 49.6 93.3 |
3.70 1.90 51.0 92.0 |
3.64 1.94 51.5 87.2 |
消費支出(円) 対前年名目増加率(%) 対前年実質増加率(%) 消費者物価上昇率(%) |
230,910 57.0 12.2 39.9 |
295,737 28.1 5.1 21.9 |
321,627 8.8 3.4 5.2 |
384,255 19.5 8.7 9.9 |
399,843 4.1 1.9 2.1 |
|
全 国 |
世帯人員(人) 有業人員(人) 世帯主の年齢(歳) 持家率(%) |
3.87 1.57 43.9 68.6 |
3.85 1.70 46.4 74.3 |
3.77 1.67 48.0 75.4 |
3.59 1.66 49.5 75.5 |
3.40 1.55 51.4 76.8 |
消費支出(円) 対前年名目増加率(%) 対前年実質増加率(%) 消費者物価上昇率(%) |
220,586 56.3 10.0 42.1 |
264,408 21.4 0.2 21.1 |
305,196 15.4 9.7 5.2 |
344,066 12.7 2.5 10.0 |
335,114 -2.6 -4.1 1.6 |
昭和59年から農林漁家世帯を含む。昭和59年の増加率は非農林漁家世帯。
図1 1か月平均消費支出の対前回増加率(全世帯)
<食 料> | 83,786円 名目(-)5.3%の減少。 実質 (-)8.2%の減少。 |
<住 居> | 20,660円 名目(+)80.8%の増加。 実質(+)65.2%の増加。 |
<光熱・水道> | 22,909円 名目(+)11.7%の増加。実質(+)10.3%の増加。 |
<家具・家事用品> | 12,996円 名目(-)6.8%の減少。 実質(+)3.2%の増加。 |
<被服及び履物> | 17,686円 名目(-)14.5%の減少。実質(-)19.3%の減少。 |
<保健医療費> | 10,435円 名目(+)9.2%の増加。 実質(-)2.9%の減少。 |
<交通・通信> | 38,042円 名目(-)2.3%の減少。 実質(+)1.5%の増加。 |
<教 育> | 13,247円 名目(-)8.2%の減少。 実質(-)18.1%の減少。 |
<教 養 娯 楽> | 29,383円 名目(-)8.8%の減少。 実質(-)7.0%の減少。 |
<その他の消費支出> | 150,696円 名目(+)12.4%の増加。 |
図2 1か月平均消費支出の費目別対前回実質増加率(全世帯)
−食料、被服及び履物の割合が減少、「その他の消費支出」の割合が増加−
全世帯の消費支出の10大費目別の内訳をみると、「その他の消費支出」が150,696円(消費支出に占める割合37.7%)で最も多く、以下、食料が83,786円(同=エンゲル係数21.0%)、交通・通信が38,042円(同9.5%)、教養娯楽が、29,383円(同7.3%)の順となっている。
各費目の消費支出に占める割合の推移をみると、食料は一貫して低下しており、昭和54年に28.5%であったが平成11年は21.0%(全国平均24.0%)となった。被服及び履物も低下の一途をたどり昭和54年の9.4%が平成11年は半分以下の4.4%(全国平均5.1%)となっている。
また、交通・通信および教育は、昭和54年から平成6年まで上昇を続け、同期間にそれぞれ9.0%から10.1%、2.3%から3.8%になっていたが、平成11年は低下しそれぞれ9.5%(全国平均11.7%)、3.3%(全国平均5.0%)となっている。教養娯楽費は昭和54年(10.8%)から低下、上昇、低下をたどり平成11年は7.3%(全国平均9.5%)となった。
一方、 交際費、仕送り金、こづかいを含む「その他の消費支出」は、昭和54年以降一貫して上昇しており、昭和54年の26.3%から、平成11年は37.7%(全国平均25.5%)に上昇し、全国第1位となった。 (図3-1、図3-2)
富山県の消費支出を全国比較すると、前回調査の全国第4位から上がって 第1位となった。 これは、交際費、仕送り金、こづかいなどが含まれる「その他の消費支出」が大きく全国を上回り、中でも仕送り金が20,755円で全国第3位(全国平均11,228円)、こづかいが74,229円で全国第1位(全国平均27,768円)と大幅に全国を上回ったことが主な要因である。。 (図4) |
10大費目別に1世帯当たり消費支出を、全国平均を100とした指数でみると、教育が全国平均を大きく下回っているが、教育に遊学仕送り金などを加えた教育関係費で見ると、全国平均を大きく上回っている。富山県では、小・中学校が国公立のみであることや、高等学校生徒数に占める公立学校生徒数の割合が高いことから授業料の支出が少ないことと、本調査の分類上、県外で暮らす大学生等の授業料も仕送り金として分類されることが要因と考えられる。 また都道府県間格差を、同じく全国平均を100とした指数の標準偏差で見ると、教育が23.9と最も大きくなっている。これも教育関係費でとらえると13.1に低下する。教育費を除くと、住居の標準偏差が22.3と格差が大きく、次に「その他の消費支出」が17.4となっている。これに対し、格差が小さいのは光熱・水道で7.0で、以下、保健医療7.4、食料7.7となっている。 (表2) |
また支出割合で全国比較すると、消費支出に占める「その他の消費支出」(37.7%)の割合が非常に高く全国第1位となり、 食料(21.0%)、保健医療(2.6%)、交通・通信(9.5%)、教養娯楽(7.3%)の割合は全国最下位となっている。 なお、交通・通信の中の通信費は、携帯電話やPHS、インターネットが急速に普及したことなどにより、その支出金額は富山県でも大幅に増加し、前回調査より実質(+)45.8%の高い伸びを示したにもかかわらず、支出割合でみると2.5%で全国最下位である。 (図5) |
表2 全国平均を100とした費目別指数の標準偏差と富山県の位置
項 目 | 消費支出 | 食 料 | 住 居 | 光熱・水道 | 家具・家事 用 品 |
被服及び 履 物 |
保健医療 | 交通・通信 | 教 育 | 教養娯楽 | その他の 消費支出 |
|
富山県の指数 | 119.3 | 104.3 | 96.5 | 113.4 | 114.0 | 103.9 | 91.4 | 96.7 | 79.1 | 92.1 | 176.5 | |
指 数 階 級 | 60未満 | 0 | 0 | 3 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 4 | 0 | 0 |
60〜65 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 0 | |
65〜70 | 0 | 0 | 5 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 10 | 1 | 0 | |
70〜75 | 0 | 0 | 12 | 0 | 0 | 2 | 0 | 1 | 3 | 1 | 1 | |
75〜80 | 1 | 1 | 6 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 2 | 5 | 1 | |
80〜85 | 4 | 2 | 2 | 1 | 2 | 2 | 3 | 4 | 7 | 6 | 4 | |
85〜90 | 3 | 6 | 2 | 4 | 1 | 5 | 1 | 8 | 1 | 3 | 2 | |
90〜95 | 9 | 7 | 4 | 5 | 11 | 12 | 10 | 4 | 7 | 8 | 4 | |
95〜100 | 7 | 10 | 5 | 10 | 9 | 8 | 10 | 7 | 0 | 3 | 7 | |
100〜105 | 14 | 14 | 2 | 18 | 9 | 7 | 11 | 9 | 0 | 8 | 7 | |
105〜110 | 5 | 7 | 1 | 5 | 5 | 4 | 8 | 6 | 3 | 5 | 8 | |
110〜115 | 3 | 0 | 1 | 4 | 5 | 5 | 3 | 2 | 1 | 4 | 3 | |
115〜120 | 1 | 0 | 1 | 0 | 3 | 1 | 1 | 1 | 2 | 2 | 3 | |
120〜125 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 3 | 0 | 4 | |
125〜130 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
130以上 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | 0 | 1 | 3 | 0 | 3 | |
標準偏差(11年) | 8.9 | 7.7 | 22.3 | 7.0 | 11.6 | 12.0 | 7.4 | 12.4 | 23.9 | 13.6 | 17.4 | |
標準偏差(6年) | 9.8 | 8.2 | 22.9 | 7.6 | 10.5 | 13.2 | 10.2 | 12.6 | 25.0 | 14.5 | 14.4 |
:富山県の位置 | (注) 標準偏差:平均を中心にどれくらいデータが散らばっているか を示す指標。ここでは各費目ごとに都道府県の指数(全国=100) の散布度(ばらつき度)を表す。数値が大きいほどばらつきの範囲 が大きい。 | |||||
数字は都道府県数を表す。 |
全世帯について、年間収入の世帯間格差をジニ係数でみると平成6年0.294、平成11年0.276となっている。消費支出の所得格差を擬ジニ係数でみると、平成6年0.151、平成11年0.181となっている。
ジニ係数は前回調査より0.018下降し、世帯間の所得格差は全国一小さくなった。 (表3、図6)
表3 年間収入のジニ係数及び消費支出の擬ジニ係数(前世帯)
項 目 | 平成6年 | 平成11年 | |
富山県 | 年間収入 消費支出 |
0.294 0.151 |
0.276 0.181 |
全 国 |
年間収入 消費支出 |
0.297 0.164 |
0.301 0.166 |
*ジニ係数;分布の集中度あるいは不平等度を表す係数で、0に近づくほど平等、1に近づくほど不平等になる。(下図、斜線部分面積の三角形ABCの面積に占める割合) 擬ジニ係数;所得の順位に消費支出を並べてジニ係数と同じ計算方法を適用し、所得階級間格差を測る係数である。 |
―一般小売店での購入割合が減少し、スーパーでの購入割合が増加―
サービス料金などを除く消費支出について、購入先別の支出割合をみると(平成11年11月分のみ調査)一般小売店が39.9%ともっとも高く、以下スーパー35.8%、百貨店8.8%、ディスカウントストア3.8%、生協・購買3.1%、通信販売1.9%、コンビニエンストア1.1%となっている。
前回調査と比べると、一般小売店が大幅に((−)8.6ポイント)減少し、その分スーパーが増加した。また百貨店、ディスカウントストア、通信販売での購入割合も若干上昇した。 (図7)
図7 消費支出(サービス料金を除く)に占める購入先別割合(全世帯)
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1.利用者のためにへ | 3.勤労者世帯の家計収支へ |