統計情報ライブラリー/生活・環境家計調査報告書
勤労者の家計
1 実収入の概況
2 実収入の内訳
3 可処分所得の概況
4 消費支出の概況
5 平均消費性向、黒字率、平均貯蓄率等の推移
6 全国から見た富山市の特徴(勤労者世帯)

1.実収入の概況


―みんなで働き家計を支え,実収入は1か月平均 766,451円(全国1位)―

対前年比では(−)5.9%で4年振りに減少
 富山市勤労者世帯(平均世帯人員3.63人、世帯主の平均年齢48.7歳)の実収入は、1世帯当たり1か月平均766,451円(全国平均574,676円)で、前年に比べ名目で(-)5.9%の減少、実質でも(-)5.9%の減少(全国実質(-)2.0%減少)となった。
 富山市の実収入は、全国平均を大きく上回っており、過去3年間を見ても、平成9年は全国2位、10年、11年は2年連続全国1位と常に全国のトップレベルに位置している。
 これは、1世帯当たりの有業人員が1.97人(全国1位)と高く、配偶者、他の世帯員の収入も全国平均を上回っていることから、1世帯当たりの実収入が多くなっている。
 近年の動きをみると、平成元年から5年まで5年連続の実質増加となった後,6年、7年は2年連続の実質減少、8年、9年は回復して実質(+)2.8%、(+)2.2%の増加、10年には実質(+)12.6%の大幅な増加となったが、11年は実質(-)5.9%の減少となった。(図11)

図11 実収入の対前年増加率の推移(富山市勤労者世帯)

2.実収入の内訳


 ―世帯主収入、他の世帯員収入は実質減少、世帯主の配偶者(妻)収入は(+)14.9%の大幅増加―

 世帯主の勤め先収入は1か月平均484,274円で、前年に比べ名目、実質ともに(-)3.8%の減少となった。実収入に占める割合は63.2%となり、前年より1.4ポイント上昇した。

 一方、世帯主の配偶者(妻)の収入は86,583円で名目、実質ともに(+)14.9%と大幅な増加となり、実収入に占める割合は前年より2ポイント上昇し11.3%となった。

 また、他の世帯員の収入は88,208円(全国平均13,208円)で全国平均を大幅に上回り、全国1位となっている。前年に比べ名目、実質ともに(-)19.8%と大幅に減少し、実収入に占める割合は11.5%となり、前年より2ポイント低下した。     (図12、表9)

図12 実収入内訳の推移(富山市勤労者世帯)
表9 実収入内訳の推移(富山市勤労者世帯)
                                            (単位:人、円)
年次 世帯人員 有業人員 世帯主の年齢 a+b+c+d
実収入
a 
勤め先収入 
世帯主収入 妻の収入 他の世帯員収入  b
事業・内職収入
 c
他の経常収入
 d
特別収入
可処分所得
昭和55年 3.91 1.56 42.9 374,406 351,414 305,787 26,962 18,665 5,939 6,553 10,500 326,206
昭和60年 3.93 1.66 44.9 452,163 419,437 339,334 52,957 27,146 7,674 16,957 8,095 386,531
平成2年 3.74 1.86 47.7 603,289 546,931 427,960 59,351 59,620 4,571 33,367 18,420 517,031
平成7年 3.51 1.76 47.9 674,909 600,474 469,291 60,545 70,638 10,263 44,518 19,654 579,047
平成8年 3.30 1.68 47.7 691,476 629,132 491,734 76,462 60,936 2,700 38,779 20,865 586,654
平成9年 3.40 1.80 47.3 719,534 621,079 464,978 66,840 88,843 8,086 60,438 29,931 615,578
平成10年 3.45 1.95 49.5 814,226 688,807 503,488 75,380 109,939 4,066 63,251 58,102 701,906
平成11年 3.63 1.97 48.7 766,451 660,341 484,274 86,583 88,208 4,212 60,765 41,134 663,666

3.可処分所得の概況


 ―可処分所得は前年に比べ名目、実質ともに(-)5.4%の減少―

 可処分所得(実収入から社会保険料、税等の非消費支出を差し引いた、いわゆる手取り収入)は1か月平均663,666円(全国平均483,910円)で、前年に比べ名目、実質ともに(-)5.4%の減少(全国平均実質(-)2.0%減少)となったが、実収入と同様全国1位である。

4.消費支出の概況


―消費支出は対前年実質(+)8.0%で5年連続の増加―

 ア 消費支出

 勤労者世帯の1か月平均消費支出は445,315円で、前年に比べ名目、実質ともに(+)8.0%の増加(全国平均実質(-)1.7%減少)となった。 

  近年の動きをみると、平成6年は実質(-)7.9%の減少だったが、7年以降は5年連続の増加となった。  (図13)

図13 消費支出の対前年増加率(富山市勤労者世帯)

 費目別にみると「光熱・水道」「教育」「教養娯楽」「その他の消費支出」が増加となった。
 一方、「食料」「住居」「家具・家事用品」「被服及び履物」「保健医療」「交通・通信」は減少となった。

 イ 非消費支出

 税金、社会保険料などの非消費支出は、1か月平均102,786円(全国平均90,766円)で、前年に比べ名目(-)8.5%の減少(全国平均名目(-)2.4%減少)となった。

5.平均消費性向、黒字率、平均貯蓄率等の推移


―平均消費性向は全国40位―

 平均消費性向(可処分所得に占める消費支出の割合)は67.1%(全国平均71.5%)となり、前年より8.4ポイント上昇した。

 富山市の近年の動きをみると、昭和58年からは増減を繰り返しながら低下傾向がみられ、平成10年は一段と低下し全国最下位となったが、11年は上昇し全国40位となった。黒字(可処分所得−消費支出)は、218,351円(全国平均137,733円)で、前年に比べ名目で、(-)24.6%の大幅な減少(全国平均(-)3.2%減少)となったが、全国1位だった。黒字率(可処分所得に占める黒字額の割合)は32.9%(全国平均28.5%)となり、前年より8.4ポイント低下した。

 黒字のうち貯蓄純増は180,472円(全国94,003円)で、前年に比べ名目で(-)18.8%の減少(全国平均4.8%減少)となった。この結果、平均貯蓄率(可処分所得に占める貯蓄純増の割合)は27.2%で、前年より4.5ポイント低下することとなった。(図14)

図14 平均消費性向の推移 家計収支のバランス図


6.全国からみた富山市の特徴

  ―実収入 2年連続全国1位―

 平成11年富山市勤労者世帯の1世帯当たりの実収入は1か月平均766,451円で、2位の金沢市709,707円を引き離し、2年連続全国1位となった。
 また、全国平均の574,676円を大きく上回っており、過去3年間を見ても、平成9年は全国2位、10年、11年は全国1位と常に全国のトップレベルに位置している。
 可処分所得(手取り収入)については1か月平均663,666円で、実収入と同様全国1位である。
 これは、1世帯当たりの有業人員が1.97人(全国1位)と高く、特に妻の収入、他の世帯員の収入が全国平均を大きく上回っていることから、1世帯当たりの実収入が高くなっている。
 一方、平均消費性向は全国平均より常に低く、10年は全国最下位、11年は全国40位と全国で下位となっている。
 また逆に、黒字額は全国1位で、平均貯蓄率は全国3位となっている。
 富山市の勤労者世帯では、家族みんなで働き収入が多いが、お金を使わず貯蓄に回している姿がうかがえる。                    (表10、表11)

表10 1世帯当たり有業人員(人)
富山市平均 全国平均
平成9年 1.80 1.66
  10年 1.95 1.66
  11年 1.97 1.65

表11 1世帯当たりの1か月間の勤め先収入(円)
富   山   市 全       国 
実収入 うち勤め先収入 実収入 うち勤め先収入 
世帯主収入 妻の収入 他の世帯員収入 世帯主収入 妻の収入 他の世帯員収入
平成9年 719,534 464,978 66,840 88,843 595,214 487,356 56,115 14,775
   10年 814,226 503,488 75,380 109,939 588,916 480,122 55,891 14,898
   11年 766,451 484,274 86,583 88,208 574,676 468,310 55,766 13,208

表2 富山市の1世帯当たり年平均1か月間の収入と支出(勤労者世帯)
表4 全国の1世帯当たり年平均1か月間の収入と支出(勤労者世帯)
<参考>都道府県庁所在都市主要指標一覧