特集

作品大募集!!富山県統計グラフコンクール

富山県 経営管理部 統計調査課


もうすぐ夏休み。お子さんから、夏休みの自由研究について相談されることはありませんか?そこでおすすめしたいのが、統計グラフコンクールの作品作りです。統計グラフコンクールは、自由なテーマで観察や調査を行い、その結果をグラフにまとめ、自分の考えを表現したポスターを募集するものです。

「ものを調べる・数える・グラフにする・それによって、いろいろなことがわかる」という統計の基本的な体験ができるのはもちろん、説得力のあるポスターを作るために、言葉やグラフ、デザインなどを工夫する奥の深さもあります。また、選んだテーマを追究して、自由研究の大作に発展することも可能です。

以下では、グラフコンクールについてご紹介します。



1 統計グラフコンクールとは


統計グラフコンクールは、統計思想の普及向上と統計の表現技術の研鑽に資するため、県内の小・中学生を中心に広く一般県民の方から作品を募集しており、今年で54回目、毎年、素晴らしい作品が集まっています。また、当コンクールは「統計グラフ全国コンクール」の第一次選考を兼ねています。


応募区分は次のとおりです。

第1部 → 小学校1年生及び2年生の児童
第2部 → 小学校3年生及び4年生の児童
第3部 → 小学校5年生及び6年生の児童
第4部 → 中学生の生徒
第5部 → 高等学校以上の生徒・学生及び一般
パソコン統計グラフの部 → 小学校の児童以上

課題は、各部とも自由ですが、小学校4年生以下の児童の応募については、児童が自ら観察又は調査した結果をグラフにしたものとします。用紙規格は、各部とも仕上げ寸法72.8cm×51.5cm(B2判)です。


募集要領は、次のページをご覧ください。
http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/news/gracon/yoryo.html



2 統計グラフコンクールの作品の作り方


表やグラフを作成するには、まず何について調べ、何を伝えようとするのか、目的を明確にして、テーマを決めることが重要です。

次に、目的・主題に合った資料をアンケートや観察、調査等を行って収集し、分かりやすい表やグラフの形にしていきます。


作品を作る手順は次のとおりです。

1 テーマを決める。
2 決めたテーマについて調べる。
3 調べたことを表などに整理する。
4 タイトル、見出しを考える。
5 グラフを選ぶ。
6 構図、レイアウトを考える。
7 下書きをする
8 仕上げる

次のページに、テーマの選び方、調べたことを表すのに適切なグラフの選び方、構図・レイアウトのアドバイスなどを詳しく掲載しています。


統計グラフコンクールの作品の作り方
http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/news/gracon/tsukurikata/index.htm



3 審査のポイント


応募作品は、次の基準によって審査します。


(1)共通基準

各部共通の基準として、次のようなものがあります。
目盛り、単位の取り方、文字・数字が正確か。
資料の出所、観察・調査の方法が書かれているか。
見出し(主題)の表現、配色は的確か。

これらは、統計グラフの基本的事項でもあり、十分留意してください。

作成上の留意点
http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/news/gracon/ryuiten.html


(2)各部別基準

第1・2部では、子供らしい身近な課題をとらえて、ふさわしい観察・調査をし、グラフに表しているかがポイントです。



みんながどこで誰と何をして遊んでいるかについて、友達にアンケートを取り、結果を棒グラフに表しています。

グラフにすると傾向がよく分かり、いまどきの子供らしく、家の中で友達又は1人でビデオやテレビを見たり、ゲームをしたりして遊ぶ人が多いようです。

この結果から、“もっと外であそぼう”と友達に呼びかけている感じがする元気な作品です。

第53回統計グラフ全国コンクール 第1部 入選
第53回富山県統計グラフコンクール 第1部 知事賞
魚津市立松倉小学校2年 東城 知樹


第3〜5部とパソコン統計グラフの部では、以下のことが審査されます。

統計データを正しく理解して、グラフ化することによってデータのもつ事象が理解されやすくなるよう、工夫されているか。
訴えたい主題が的確にグラフに表れているか。また、主題は斬新で興味を喚起するものであるか。
パソコン統計グラフの部では、パソコンの機能を十分に活用したものであるか。

インターネット・書籍雑誌・新聞・図書館などの情報源について、利用率などを調べ、各都道府県別に並べたものです。

4つの情報源の利用状況について、全国の中で富山県の位置がどのようなものなのか、一目でわかるように工夫した、まさにパソコンならではの作品です。

デザイン・センスが素晴らしいですね。

第52回 統計グラフ全国コンクール
パソコン統計グラフの部 入選
第52回 富山県統計グラフコンクール
第5部 統計協会長賞
一般 能登 有紀


4 これまでの応募作品の紹介


作品作りの参考に、これまでの応募作品を紹介します。

小学校1・2年生を対象とした第1部では、分からないことや不思議に思うことを友達にアンケートを取ったり、学校で育てた朝顔や野菜などを観察したりして、身近なことを分かりやすくまとめています。

小学校の低学年では、グラフなどを学んでいないため、数をシールなどで対応させて、グラフ状にする作品が多いようです。



例:あさがお さいたよ(朝顔の観察)

○月○日〜△日まで1日に咲いた朝顔の数を数え、色紙で作った朝顔を並べて表現したものです。

第53回 統計グラフ全国コンクール 第1部 佳作
第53回 富山県統計グラフコンクール
第1部 統計協会長賞
砺波市立出町小学校1年 今泉 明日翔


小学校3・4年生を対象とした第2部では、あいさつ、読書など、学校生活を通じた自分達のことに目を向けています。

例:テーマ あいさつ

家族にあいさつはするか、友達にあいさつはするか、あいさつをされるとどんな気持ちになるかを友達にアンケートをとり、円グラフ、棒グラフを使って表現。

小学校5・6年生を対象とした第3部では、環境問題、少子高齢化など、小学校高学年にもなると社会に目を向けるようになっています。

例:テーマ 少子高齢化

全国と県内の年齢区分別人口割合を、既存の資料から円グラフにまとめ、少子高齢化になる理由、改善策を友達と保護者にアンケートをとり、それぞれを帯グラフで表現。

中学生を対象とした第4部では、第3部同様、環境問題も多いですが、中学生ならではの心の揺れをテーマにした作品も見られます。

例:テーマ 中学生のストレス

ストレスを感じることがあるか、どんな場面で感じるか、ストレスの対処法、ストレスとはどんな存在かを中学1年生と3年生にアンケートを取り、円グラフや棒グラフにまとめて比較。

高校生以上を対象とした第5部では、多数のメディアから集めた情報をもとに、その情報を理解して作成した傾向が見られます。



小学生以上を対象としたパソコンの部では、年齢層により内容は様々です。

例:エースNo.を探せ!

NPB・MLBピッチャーの背番号を全て調べて、分布を棒グラフで表し、さらにNPBとMLBの背番号の付け方の違いを帯グラフで表し、比較。

第53回 富山県統計グラフコンクール
パソコン統計グラフの部 統計協会長賞
富山市立愛宕小学校6年 野原 慎輔


5 おわりに


統計グラフコンクールの作品を作るには、数字を整理してグラフ化する算数・数学の能力、言葉を選び駆使する国語の能力や感性、色使いや構図などの美的(美術・図画)感性など大きく3つの教科の能力や感性が求められます。あらゆる要素が組み合わさるため、難しいと思われる反面、やりがいもあるはずです。

そして、自分の身体を使って情報に取り組むということが、いろいろな発見を生み出します。アンケートを取る際に、対面でいろいろと話を聞くことによって、知りたかったこと以上のことを学ぶことができます。

また、自分が選んだテーマでグラフを作ることでグラフに親しんだり、グラフ化することで結果が見やすくなり、何かのきまりを発見したり、次の疑問や調べたいことが出てくることもあります。より深い目で物事を見て、整理することができるようになるかもしれません。

今年の夏は、統計グラフの作品作りに取り組んでみませんか。応募の締め切りは平成18年9月6日(水)です。たくさんのご応募をお待ちしています!

富山県統計グラフコンクールのホームページ
14年度からの入賞作品も、こちらで見ることができます。
http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/news/gracon/index.html
とやま経済月報
平成18年7月号