統計情報ライブラリー/生活・環境家計調査報告書
全国からみた富山市の特徴

住居費(平成10年、11年、12年の3か年平均)
 富山市の1世帯当たりの消費構造をみるとき、大きなウエイトを占めていると考えられる住居に関する費用(家や土地の取得に関わる直接の費用)は、「実支出以外の支出」の中に「預貯金」等といっしょに集計されるために把握できない。
 「住居費」として表章されているのは、家賃地代と設備修繕・維持費であり、その特徴は次のとおりである。
 家賃地代については、持ち家住宅率が高いことと(富山県80.6%:「平成10年住宅・土地統計調査」全国第1位)、家賃支払い金額が都市圏に比べて比較的安いことなどにより、1か月の消費支出に占める割合は1.6%と低く全国47位である。 一方、設備修繕・維持費の割合は2.8%と全国18位になっている。この結果、住居費全体としては4.3%で全国47位となった。(表4)
表4 消費支出に占める住居費割合(全世帯)      単位:%、円
都市名 平 成 12 年 平成10、11、12年の平均値
住居費 家賃・地代 設備修繕費 住居費 家賃・地代 修繕・維持費
月平均額 割合 順位 月平均額 割合 順位 月平均額 割合 順位 割合 順位 割合 順位 割合 順位
富山市 16,864 4.4 46 5,339 1.4 46 11,525 3.0 14 4.3 47 1.6 47 2.8 18
金沢市 22,624 6.3 25 8,146 2.3 44 14,478 4.1 3 6.0 28 2.5 41 3.5 3
福井市 19,116 6.1 29 11,031 3.5 29 8,085 2.6 17 5.0 40 3.1 33 2.0 39
全国平均 20,787 6.6 11,962 3.8 8,825 2.8 6.4 3.8 2.6

交通・通信費
 携帯電話やPHS、インターネットが急速に普及したことなどにより、電話通信料が年々増加している。富山市においても全国同様増加しており、5年前(平成7年)と比べると、1.6倍となっている。また、電話通信料の32.8%が 移動電話通信料で、全国の29.0%を上回っている。(図10)
                           単位:円
全 国 富山市
固定電話通信料 移動電話通信料 固定電話通信料 移動電話通信料
平成12年 69,791 28,582 65,204 31,832

教育費と仕送り金 (平成10年、11年、12年の3か年平均)
 富山市の1世帯当たりの消費支出に占める教育費への支出割合は、「図5−2消費支出割合(富山市・全国の比較)」からもわかるように全国平均を大きく下回り、全国44位となっている。これは、富山県の小・中学校が公立のみであること、高等学校生徒数に占める公立学校生徒数の割合が79.2%(全国14位「平成12年学校基本調査 」)であることから授業料の支出が少ないことと、本調査の分類上、県外で暮らす大学生等への教育費用が「教育費」には含まれないことが要因と思われる。
 県外大学への進学率は82.8%(全国60.4%「平成12年学校基本調査」)と非常に高く、大学生の5人のうち4人は、県外の大学で学生生活を送っていることになる。この場合、調査上はその生活費だけでなく、通常なら「教育費」に含まれる大学の授業料なども「仕送り金」として分類される。富山市ではこの「仕送り金」の支出割合は5.0%(全国7位) で、全国平均(2.9%)を上回っている。(表5)
表5 消費支出に占める教育費の割合(全世帯)       単位:%、円
都市名 平 成 12 年 平成10、11、12年平均値
教育費 仕送り金 教育関係費 教育費 仕送り金 教育関係費
月平均額 割合 順位 月平均額 割合 順位 月平均額 割合 順位 割合 順位 割合 順位 割合 順位
富山市 11,683 3.0 46 14,841 3.9 27 25,948 6.8 41 3.1 44 5.0 7 8.0 31
金沢市 13,187 3.7 34 13,674 3.8 28 27,416 7.7 32 4.4 21 3.4 31 8.0 32
福井市 12,569 4.0 29 12,818 4.1 20 25,894 8.2 26 4.1 32 4.2 17 8.6 18
全国平均 13,860 4.4 9,225 2.9 24,123 7.6 4.3 2.9 7.5

教養娯楽費 (平成10年、11年、12年の3か年平均)
 富山市の1世帯当たりの教養娯楽費への支出割合は(図5−2消費支出割合)、全国に比べて低い。なかでも教養娯楽サービスへの支出割合の乖離が目立ち、常に全国平均を大きく下回ってきた。
 しかし、平成12年はサービスで大きな割合を占めるパック旅行の支出が大きく伸びたこと、また、衛星放送や、ケーブルテレビなどの放送受信料、パソコンの接続料を含む他の娯楽サービスが堅調に伸びたことにより、サービスの支出割合を伸ばした。
 勤勉で倹約型といわれてきた富山の個人消費ではあるが、趣味やレジャーにあるいは生活の質を高めるものに選別してお金を使うことも、徐々に現れてきているといえる。   (表6、図11)
表6 消費支出に占める教養娯楽費の割合(全世帯)     単位:%、円
都市名 平 成 12 年 平成10、11、12年平均値
教養娯楽費 うち 教養娯楽サービス 教養娯楽費 教養娯楽サービス
金額 割合 順位 金額 割合 順位 割合 順位 割合 順位
富山市 33,602 8.7 44 19,096 5.0 31 8.3 47 4.3 47
金沢市 32,661 9.1 40 18,315 5.1 27 9.5 32 5.1 28
福井市 32,921 10.5 15 18,584 5.9 15 9.5 33 5.3 19
全国平均 32,126 10.1 17,257 5.4 10.1 5.5
パック旅行費支出割合
prevPREV  NEXTnext