特集

平成16年全国消費実態調査から見た富山の家計

統計調査課 ベリー啓子・宮林陽子


全国消費実態調査の
シンボルマーク

総務省の全国消費実態調査は、国民生活の実態について、家計の収支及び貯蓄・負債、耐久消費財、住宅・宅地などを総合的に調査し、消費・所得・資産の3つの観点から世帯の状況を明らかにすることを目的に、平成16年9月から11月までの3か月間実施されました。昭和34年以降5年毎に実施されており、今回は10回目の調査にあたります。

調査世帯は県内15市町村の二人以上の世帯720世帯※(うち勤労者世帯422世帯)と単身世帯39世帯です。(全国では二人以上54,372世帯(うち勤労者世帯31,025世帯)、単身世帯5,002世帯)

単身世帯は世帯数が少ないので、ここでは二人以上の世帯のみをご紹介します。

※この調査の世帯は、世帯主の職業によって大きく次のように区分されています。
全世帯
勤労者世帯 勤労者世帯以外の世帯
世帯主が会社、官公庁、工場、商店などに雇われて勤めている世帯 世帯主が自営業者、法人役員、個人経営者、無職世帯など
■目次
1 家計収支
2 主要耐久消費財
3 品目クイズ
全国消費実態調査の調査の概要、購入先別の支出割合、貯蓄・負債、統計表や、本稿のより詳しい内容については下記を参照してください。
とやま統計ワールド


家計収支(二人以上の世帯、平成16年9〜11月の1か月平均)

全世帯の1か月平均消費支出(生活費)は342,588円で、全国第5位

全世帯の1か月平均消費支出(生活費)は、1世帯当たり342,588円で前回(平成11年9月〜11月平均)の399,843円に比べて名目(-)14.3%(年率(-)3.0%)、消費者物価の変動を除いた実質では、(-)11.4%(年率(-)2.4%)減少し、この調査が開始されてからはじめての減少となりました。全国平均の320,063円を2万円以上上回り、全国第5位です。



1世帯当たり1か月平均 消費支出 (全世帯)


勤労者世帯の1か月平均実収入(税込み収入)は547,178円で、全国第3位

勤労者世帯の1か月平均実収入(税金や社会保険料を控除する前の収入)547,178円で、前回の633,630円に比べ、名目(-)13.6%(年率(-)2.9%)、実質(-)10.7%(年率(-)2.2%)減少し、全世帯の消費支出と同様に調査開始以来はじめての減少となりましたが、全国平均の502,114円を大きく上回り、全国第3位となっています。これは、実収入のうちの世帯主の勤め先収入が、全国平均を下回っていますが、配偶者の勤め先収入が全国第2位、他の世帯員の勤め先収入が全国第3位、公的年金給付などの社会保障給付が全国第2位と多く、いずれも全国平均を大きく上回っているためです。

勤労者世帯の1か月平均消費支出は、356,013円で、前回に比べ名目(-)15.6%(年率(-)3.3%)の減少、実質(-)12.7%(年率(-)2.7%)の減少となりました。

勤労者世帯での実収入から税金などの非消費支出を引いた可処分所得468,750円(全国425,513円)で、全国第2位です。勤労者世帯の平均貯蓄率(可処分所得に占める貯蓄純増の割合)は、前回より、(+)0.8ポイント上昇し15.2%となり、全国平均の9.6%より(+)5.6ポイント上回り、全国第2位となっています。

つまり、富山県の勤労者世帯の1か月平均の家計は、手取り収入47万円のうちの76%、36万円を生活費に費やし、7万円を預貯金や積立生命保険掛け金などに充て、残りの4万円を住宅ローンなどの借金返済に使っています。



1世帯当たり1か月平均 実収入及び消費支出 (勤労者世帯)


1か月平均勤労者世帯実収入の内訳


ま と め

今回の全世帯の消費支出金額の全国順位は、1位が神奈川県、2位 茨城県、3位 東京都、4位 栃木県と1位から4位までが全て関東地方で占められており、その次の5位に富山県が入っています。また、勤労者世帯の実収入では、1位が福井県、2位 神奈川県で、その次の3位が富山県となっています。

以上のことから、「富山県民は、家族の多くで働き、年金をもらっている65歳以上の親とも同居し、しっかり稼いでよく使い、貯蓄も堅実に」という暮らしぶりがうかがえます。



「保健医療」、「交通・通信」、「教養娯楽」が増加、「住居」、「その他の消費支出」などが減少

全世帯の消費支出の10大費目別の対前回実質増減率をみると、「保健医療」、「交通・通信」、「教養娯楽」の3費目が増加しましたが、「住居」、「その他の消費支出」をはじめ、7費目が減少しました。



1か月平均消費支出の費目別対前回実質増減率(全世帯)

1か月平均電話通信料支出金額の推移(全世帯)

※平成6年以前は電話通信料の中の移動電話、固定電話の内訳なし。


全世帯の消費支出に占める費目別支出割合の推移と消費支出金額指数をみると、「食料」の割合(エンゲル係数)は、今回(+)0.8ポイント上昇し、21.8%となりましたが、全国平均(22.6%)と比べると低くなっています。

「住居」の割合は(-)1.9ポイント低下し、3.3%(全国5.9%)となりました。本県は持ち家率が高いことと(平成12年 富山県79.3%、全国第1位、全国61.6%:総務省「国勢調査」)、家賃が比較的安いことなどにより、家賃支出が少なく、「住居」の支出金額は全国43位と低くなっています。

「交通・通信」は、携帯電話の普及などで大変な勢いで伸びてきています。電話通信料はこの10年で2倍以上に増加しました。これは、移動電話通信料がこの5年間で3倍以上増加したためで、固定電話通信料の2倍以上となりました。家計調査(富山市)でみると、平成14年に移動電話通信料はついに固定電話通信料を上回り逆転しました。後ほど−主要耐久消費財−で述べますが、携帯電話の所有数量は、1世帯当たり前回1.1台⇒今回1.9台、(+)68.0%と大幅に増加しました。

「教育」は、金額でみると、全国平均を大きく下回っています。本県では小・中学校が国公立のみである(平成16年まで)ことや、高等学校生徒数に占める公立学校生徒数の割合が高いことから授業料の支出が少ないことと、本調査の分類上、別居して県外で暮らす大学生等の子供の授業料・生活費は「仕送り金」として分類されること、が要因と考えられます。

交際費、仕送り金、こづかい(のうち使途が不明なもの)* を含む「その他の消費支出」の割合は、昭和54年から平成11年まで上昇していました。今回は(-)4.9ポイント低下し、32.8%となりましたが、金額、支出割合とも全国第1位です。これは金額で見ると、こづかい(のうち使途が不明なもの)が全国第1位、理美容サービスなどの諸雑費が第4位、交際費が第9位といずれも高い消費水準にあるためです。こづかい(のうち使途が不明なもの)が多いのは、家族の人数や家族で働いている人の数、65歳以上の年金受給者が多く、財布の数が多いためでしょうか。諸雑費の中の理美容サービスのみでは第3位となっており、家族で働いている人の数が多く、清潔に身ぎれいにしている人が多いようです。交際費が多いのは、義理人情に篤く、人付き合いを大切にする県民性の表れでしょうか。



* こづかい : 当調査でいう「こづかい」とは、家計から家族へ渡された「こづかい」のうち、その使いみちが不明なもの(使途不明金)のことです。なお、「こづかい」からの支出で家計簿に内訳の記入がある場合は、それぞれの該当費目に分類されます。例えば、「こづかいから書籍を購入」であれば、その支出金額は「こづかい」ではなく「教養娯楽費」となります。


1か月平均消費支出の費目別割合の推移(全世帯)


富山県の費目別消費支出金額指数(全国=100、全世帯)
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主要耐久消費財(二人以上の世帯、平成16年10月末日現在)

情報・通信関連の耐久消費財が増加

携帯電話(PHSを含む)の所有数量 * は(1000世帯当たり、以下同じ。)1,907台(全国第12位、全国1,823台)で、前回に比べ(+)68.0%増加し、普及率 * * は前回より(+)21.2ポイント上昇の87.2%(全国第9位、全国84.7%)となりました。

パソコンの所有数量は991台(全国第20位、全国999台)で、前回に比べ(+) 91.7%増加し、普及率は前回より(+)33.0ポイント上昇の71.7%(全国第13位、全国69.3%)となりました。



*  所有数量: 1000世帯当たりの所有数量を表す。(720世帯の集計結果を1000世帯当たりに換算)
* * 普及率: 当該主要耐久消費財を所有している世帯の割合
   


情報・通信関連耐久消費財の普及率の推移(全世帯)


自動車の普及率全国第5位 〜新車で購入した車を持つ世帯の割合全国第2位〜

自動車の所有数量は2,020台(全国第6位、全国1,446台)で前回に比べ(+)2.6%増加し、普及率は前回に比べ(+)1.1ポイント上昇の95.7%(全国86.2%)で全国第5位となりました。

全世帯のなかで1台でも新車で購入した車を持つ世帯の割合85.2%(全国70.7%)で、全国第2位(新車で購入した車の所有数量は第3位)です。

自動車の所有数量が多いのは、1世帯当たりで働いている家族の人数が多いためと、道路整備率が高いこと(平成16年71.7%、全国第1位、全国54.0%:国土交通省「道路統計年報」)、都市部に比べ公共交通機関の利便性がやや劣ることなどがその要因といえるでしょう。



耐久消費財の複数所有化 〜ルームエアコン、自動車〜

ルームエアコン所有台数別世帯割合をみると、3台以上所有する世帯の割合が、前回に比べ(+)9.8ポイント上昇の49.2%、特に、4台以上所有する世帯の割合が28.4%で最も大きくなっています。

ルームエアコンの数が多いのは、湿度が高く(年平均相対湿度 76%、全国第1位、全国67%:気象庁「気象庁年報」)、住宅延面積が大きく(平成12年 146.4u、全国第1位、全国91.3u:総務省「国勢調査」)、部屋数が多いこと(平成15年 6.66室、全国第1位、全国4.73室:総務省「住宅・土地統計調査」)がその理由として考えられます。

自動車を2台以上所有する世帯の割合は、前回に比べ(+)3.1ポイント上昇の70.3%(全国41.6%)で全国第4位です。



温水洗浄便座の普及率は全国第1位
空間占拠型の耐久消費財の所有数量は全国上位

温水洗浄便座の所有数量は939台、普及率は71.2%で、平成6年調査から3回連続全国第1位です。

これは、富山県は住宅規模にゆとりがある世帯が多いことからトイレの改造が容易なことに加え、下水道普及率が近年全国よりも早いテンポで高まってきている(下水道処理人口普及率 平成6年度40%(全国51%)⇒ 平成16年度69.9%(全国第11位、全国68.1%))ことから、トイレを改造する際に温水洗浄便座の設置が進んでいると考えられます。

空間占拠型耐久消費財であるサイドボード・リビングボード、整理だんす、ベッド・ソファーベッドなどは所有数量が全国第1位から5位にランクされています。これは、規模から見て大型家具を置くだけのゆとりのある住宅が多い富山県の特徴といえます。

しかし、空間占拠型耐久消費財のうち、いわゆる婚礼家具セットに見られるたんす類等の所有数量は、その多くが減少傾向にあります。



耐久消費財の所有数量と普及率(全世帯、主なものを掲載)
〜富山県の1位から5位のもの〜(1000世帯当たりの所有数量) (全世帯)
1位 温水洗浄便座(939台)、サイドボード・リビングボード(862台)
2位 システムキッチン(696台)、じゅうたん(369枚)、カラーテレビ(2,676台)
3位 自動車(国産)のうち新車で購入(1,551台)
4位 洗髪洗面化粧台(852台)、冷蔵庫(1,478台)、電気掃除機(1,637台)、ビデオテープレコーダー(1,301台)
5位 整理だんす(2,299竿)、ベッド・ソファーベッド(1,484台)、DVDレコーダー(311台)


1000世帯当たり主要耐久消費財の所有数量、普及率(平成16年)及び所有数量の増減(平成11年から16年まで)(図をクリックで拡大)

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全国消費実態調査(平成16年実施)都道府県別 品目クイズ
(1) 富山県(二人以上の世帯の1世帯当たり、以下同じ。)の「米」の支出金額は全国何位でしょうか?
(2) 富山県の「魚介類」の支出金額は全国何位でしょうか?
(3) 富山県の「コーヒー飲料(缶、ペットボトル入りなど)」の支出金額は全国2位と多くなっていますが、その要因は何でしょうか?
(4) 富山県の「副食調理食品(コロッケ、カツレツ、天ぷら・フライなどの惣菜。ただし冷凍食品は除く。)」の支出金額は全国5位と多くなっていますが、その要因は何でしょうか?
(5) 富山県の支出金額が全国最下位のものに、「食用油」、「砂糖」、「マヨネーズ・ドレッシング」がありますが、その要因は何でしょうか?
(6) 富山県の「電気代」は全国3位と上位ですが、その要因は何でしょうか?
(7) 富山県の「書籍」購入金額は全国43位と下位ですが、その要因は何でしょうか?

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とやま経済月報
平成18年6月号9998