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更新日:2023年9月5日
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二度とイタイイタイ病を起こさないためには、カドミウム汚染の発生源である神岡鉱山での対策を進める必要があります。
このため、被害を受けた住民たちは、専門家等の協力を得て、今日まで神岡鉱山への立入調査や改善要求などを行ってきています。また、原因企業も調査結果を踏まえ、精力的に改善に取り組んでいます
住民たちと原因企業との間で結ばれた「公害防止協定書」に基づき、1972(昭和47)年以来毎年、住民や専門家からなる調査団の立入調査が行われています。
立入調査には、毎年1回、鉱山全体を一斉に調査する「全体立入調査」と、年6~7回、詳細に調査を行う「専門立入調査」が実施されています。第1回からの延べ参加人数は2021(令和3)年現在、約9,000人にもなります。
現在、神岡鉱山では、輸入鉱石や廃バッテリーから亜鉛・鉛などを生産しています。
立入調査では、これらの全ての工程で発生する鉱石のくず(廃さい)、排水や排煙、さらには休・廃止鉱山や採掘跡からの坑内水について、カドミウムなどの処理が適切に行われているかをチェックしています。
原因企業は立入調査の結果や住民たちの要望を踏まえ、さまざまな施設改善を行っています。
休廃坑などから流出する水には、カドミウムなどを多く含む水と、ほとんど含まない水があるため、これらの分離を徹底しています。現在は、その処理方法や水質をチェックしています。
神岡鉱山には、鉱石のくずである廃さいを溜めるたい積場があります。ここには、水分を多く含むドロドロとした廃さいを水と固形物に分離する沈殿池があり、分離した水や浸透水の水質などを調査しています。
工場内の施設からもれ出した汚水が、地下を通る発電用水路を汚染していたため、原因企業は、施設の建替え、湧水回収施設の設置、旧施設跡地での地下水のくみ上げなどの対策を行っています。
山肌が荒れたままとなっていた休廃坑や廃石の捨て場周辺において、くずれないようその形を整えた上で、草木を植え、カドミウムなどを含む汚れた水の流出を防ぐ取組みを行っています。植樹等の面積は約75haに及び、今では山肌の多くで緑が復活してきています。
工場やたい積場での排水の処理対策をチェックします。また、神岡鉱山の7つの排水口と神通川水系で定期的な水質検査を行っています。
亜鉛や鉛の製錬工程で出る重金属を含んだ排煙対策を進めています。特に、亜鉛の製錬工程で出る排煙にはカドミウムが含まれていたため、残りカスを乾かす処理から湿ったまましぼる方式に改善し、排煙を出さないようにしました。現在、工場の内外で定期的に測定し、その結果を確認しています。
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