統計情報ライブラリー/労働就業構造基本調査
  平成14年就業構造基本調査結果の概要
就業構造基本調査について
 就業構造基本調査は、国民の就業・不就業の状態を調査し、我が国の就業構造の実態、就業に関する意識、就業異動の実態などを明らかにすることを目的として、昭和31年以来3年ごと(57年以降は5年ごと)で実施されてきた。
今回の調査は14回目にあたり、平成14年10月1日現在で、全国約29,000調査区から抽出された約44万世帯(県内は487調査区、約7,500世帯)を対象に行われた。
なお、この調査は調査日前の1週間の就業状態を調査する労働力調査等とは異なり、普段の就業の状態を調査するユージュアル方式により行われている。
1.完全失業率
 就業構造基本調査に基づく
          都道府県別、男女別、年齢階級別完全失業率(平成14年9月)は こちら
2.有業者の状況
−前回調査と比較して、有業者数は56,600人の減少、有業率は4.8ポイントの低下−
富山県の15歳以上人口965,500人のうち、有業者は593,600人となった。15歳以上人口に占める有業者の割合(有業率)は、61.5%で前回(平成9年)調査と比較すると4.8ポイント低下した。全国の有業率は59.5%(対前回3.3ポイント減)で、本県は全国と比較すると2.0ポイント高くなっている。(表1)

表1 男女別・年齢別15歳以上人口・有業者数・有業率 (千人、%)

 有業者数の推移をみると、昭和52年〜平成9年まで堅調に増加していたが、14年に減少に転じた。
また、有業率は、前回調査まで65%〜68%までの間で推移していたが、今回初めて65%を下回った。(図1)
図1 有業者数・有業率の推移(昭和52年〜平成14年)

 有業率を男女別、年齢階級別にみると、概ね各階級において全国平均を上回っており、特に女性の有業率が高い。(図2)

図2 男女別・年齢階級別有業率
3.雇用者
−女性の非正規就業者が4割となる―
 有業者593,600人のうち雇用者は495,600人で、これを雇用形態別にみると、「正規の職員・従業員」
が346,300人(雇用に占める割合 69.9%)、「パート」が62,900人(同 12.7%)、「アルバイト」が24,200人(同 4.9%)、「契約社員・嘱託」が19,400人(同 3.9%)などとなっている。
 また、雇用者に占める非正規就業者の割合を男女別にみると、前回(平成9年)と比較して男性は8.5%から11.4%に、女性は32.1%から40.0%へと大きく上昇した。(表2)


 「パート」・「アルバイト」の雇用者に占める割合の推移は、男性は昭和62年から平成14年の15年間に2.7%から6.1%へ、女性は23.9%から32.5%へと上昇した。(図3)

図3 雇用者に占める男女別パート、アルバイトの割合
4.就業日数・時間
−年間就業日数は、短期と長期に二極化の傾向―

男性の雇用者の年間就業日数は、短期(200日未満)の割合と長期(250日以上)の割合がそれぞれ上昇し、二極化の傾向を示している。女性では短期が20%を超え、長期は微減となった。(図4)

図4 雇用者の男女別年間就業日数構成比(平成14年、9年)


−週間就業時間は、短時間(35時間未満)就業と長時間(49時間以上)就業の二極化―
男女とも、長時間就業者の割合が上昇している一方で、女性では短時間就業者の割合も上昇している。就業時間の低下が顕著なのは、男女とも35〜42時間である。(図5)

図5 男女、週間就業時間別雇用者数の構成比(平成14年、9年)
(年間就業日数200日以上)

5.離職者・転職者の状況
―調査日前1年以内の離職の理由は「人員整理・勧奨退職・会社倒産などのため」が最も多い―
調査日前1年以内に前職を辞めた者は56,500人で、前回調査時より8,500人(17.7%)増加した。
前職の離職理由別構成比をみると、男性では「人員整理・勧奨退職・会社倒産などのため」が24%と最も多く、次いで「定年または雇用契約の満了のため」が18%、「先行き不安、一時的についた仕事だから」が14%となった。女性では、「人員整理・勧奨退職・会社倒産などのため」が17%と最も多く、「育児、家族の介護・看護のため」が12%、「先行き不安・一時的についた仕事だから」が11%となった。平成4年と比較すると、男女とも「人員整理・勧奨退職・会社倒産などのため」の構成比が大幅に(男性10%→24%、女性7%→17%)上昇した。(図6)

図6 調査日前1年以内に前職を辞めた理由別構成比(平成14年、9年)


−転職希望率は、若年層で高い―
調査日前1年以内に前職を辞めた者のうち、転職者数は、25,100人で、前回調査時より1,100人(4.6%)増加した。また、調査日現在も無業である離職者数は、31,500人で、前回調査時より7,500人(31.3%)増加した。
年齢階級別の転職希望率は、若年層で高くなっている。男女別にみると、54歳未満では女性が高く、55歳以上では男性が高くなっている。(図5)

図7 男女別、年齢階級別転職希望率

転職を希望する者の希望理由は、男女とも「収入が少ない」が最も多く、次いで「肉体的・精神的に負担が大きい」となった。男性ではこの他「事業不振や先行き不安」、女性では「一時的についた仕事だから」が多かった。
6.無業者の状況
−男性では就業希望率、求職者率とも上昇−
無業者371,900人のうち、「就業希望者」は86,100人、「求職者」は39,000人であった。就業希望率は男性が24.7%、女性が22.4%、求職者率は男性が13.4%、女性が9.0%であった。就業希望率、求職者率について平成9年と比較すると、男性ではどちらも上昇し、女性では横ばいとなった。
就業希望率は、過去3回とも女性が高かったが、今回男女間で逆転した。(図8)

図8 男女別無業者の就業希望率、求職者率の推移(昭和62年〜平成14年)
7.妻の就業状況
−共働き率は58.0%、平成9年と比較して4.0ポイント低下−
夫婦のいる世帯(236,600世帯)のうち妻が有業である世帯の割合は62.5%で、平成9年(67.4%)と比較すると、4.9ポイント低下した。
夫が有業の世帯(195,700世帯)における妻の就業状況を世帯の家族類型別にみると、妻が有業である世帯の割合は、「夫婦のみ」世帯の62.9%、「夫婦と親」世帯の74.8%、「夫婦と子供」世帯の65.7%、「夫婦と子供と親」世帯の81.2%であった。平成9年と比較すると、「夫婦のみ」世帯のみ上昇したが、他の家族類型では低下した。(図9)

図9 世帯の家族類型別、夫が有業の世帯に占める妻の有業世帯割合(平成14年、9年)

 また、夫・妻ともに有業である(共働き)世帯の家族類型による構成比を平成9年と比較すると、「夫婦と子供」世帯の割合は減少し、他の家族類型では増加した。全国では、「夫婦と子供」世帯が50%を超えているが富山県では40%を下回り、他方「夫婦と親」「夫婦と子供と親」世帯の割合が多くなっている。(図10)

図10 夫が有業の世帯に占める妻の有業世帯の家族類型別構成比