教育・文化

≪教育≫

 
教育の充実・生涯学習の推進については、学校教育を充実するとともに、生涯を通じた学習を推進し、創造性と自立心が旺盛でたくましい行動力を持った人材、社会への責任感にあふれた心豊かな人材の育成を目指している。これまで、「いつでも、どこでも、だれでも」学ぶことができるようにするため、昭和63年10月以降、「県民生涯学習カレッジ」、「放送大学富山学習センター」、「県映像センター」、「県民生涯学習カレッジ新川地区センター」、「同砺波地区センター」、「同高岡地区センター」、平成25年1月には「同富山地区センター」が開設された。また、平成24年8月に「第36回全国高等学校総合文化祭」・令和元年8月に「第19回全国中学校総合文化祭富山大会」を開催し、学校文化活動の一層の活性化を図った。

 大学や短大への進学率は全国に比べ高い水準にあり、現在、県内の高等教育機関としては、大学5校、短大2校、高等専門学校1校が整備されている。
 
 富山大学は、平成30年に新設した「都市デザイン学部」を含め9学部を擁する日本海側有数の総合大学であり、本県の知の拠点として、地域に貢献し、世界に向けて情報発信する特色ある大学となるよう期待されている。


 富山県立大学は、平成27年4月の公立大学法人化を契機に、県内産業等に求められる人材育成と若者の定着に貢献し、一層魅力ある大学となるよう学部学科の拡充・新設を進め、平成31年4月に「看護学部(入学定員120名)」を新設、開学30周年を迎える令和2年4月には「電気電子工学科」・「情報システム工学科」を再編拡充した。また、最新の実験設備を導入した中央棟の供用開始など教育研究環境の充実を図り、地域課題を解決できる学生の育成と、産官学連携による環境調和型の技術開発研究などに取り組んでいる。

 私学では、現代社会学部に「英語国際キャリア専攻」を開設した富山国際大学や高岡法科大学等、それぞれ特色ある教育を推進している。

 また、平成25年4月には、大学院大学を除く7高等教育機関により、大学等の知的資源を活かし地域社会に貢献する「大学コンソーシアム富山」が設立され、平成30年4月から富山駅前CiCビル5階に拠点を移し、教育・学生支援や地域の課題解決事業に取り組んでいる。
 スポーツの振興については、令和2年に「第2期元気とやまスポーツプラン」を策定し、県民がスポーツに親しむことができる環境の充実を推進するとともに、運動好きでたくましい子どもの育成と学校体育・スポーツの充実、全国や世界の檜舞台で活躍できる選手の育成、スポーツを支える人材の育成と活用、スポーツを通じた地域の活性化に取り組んでいる。

≪文化≫

 
文化の振興については、県内の文化団体が各々のジャンルを越え、積極的な活動を行っている。平成9年からは、「第11回国民文化祭とやま‘96」などの成果を継承して、「県民芸術文化祭」を開催している。平成8年に制定した「県民文化条例」に基づき、平成10年に「県民文化計画」、平成18年に「新世紀とやま文化振興計画」を策定し、その後、本県の文化を取り巻く環境の変化に対応するため、平成24年5月、平成30年3月に改定版を策定した。これらの計画に基づき、文化の力による「元気とやま」の創造を目指し、とやま世界こども舞台芸術祭、日露文化フォーラム、世界ポスタートリエンナーレの開催など、国際文化交流に力を入れているほか、平成18年3月に全国初の芸術特区に認定された利賀芸術などで、令和元年に「第9回シアター・オリンピックス」を開催するなど、世界第一線の舞台芸術公演や国際的な人材育成を行っている。

美術館・博物館等については、平成11年に富山県水墨美術館、平成24年7月に高志の国文学館が開館し、平成29年8月には富岩運河環水公園に富山県美術館が全面開館するなど、人口当たりの設置数は全国トップクラスとなっており、各館の特徴を活かした展示など、美術館の更なる魅力向上に取り組んでいる。

また、文化財の保護については、伝統文化などの継承をとおした郷土への誇りと愛着の深まりを目的として、世界遺産である五箇山の合掌造り集落、国宝の瑞龍寺や国指定重要文化財の勝興寺、常願寺川砂防施設などに代表される歴史的な建造物や土木構造物、曳山や獅子舞等の伝統的な祭り行事や芸能など、文化財の保存・活用と継承に努めている。