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産業連関表とは、一定地域(通常国又は県という行政区域)の一定期間(通常1年間)における財貨・サービスの産業間の取引を一つの行列(マトリックス)に示した統計表である。
産業連関表は、表作成年次の産業構造を読み取ることができるだけでなく、表を加工し条件設定することによって、各種の経済分析や経済予測が可能となる。 |
産業連関表は、縦の列方向に見ると、ある産業がその生産物をつくるために原材料その他をどの産業からどれだけ仕入れてきたかという投入費用構成が示されている。また、横の行方向に見ると、各産業の生産物がどの産業・最終消費者に売られていったかという販路構成が示されている。そのため産業連関表は、別名「投入産出表」(Input-Output Table、略してI-O表)とも言われている。
2 産業連関表の見方
表を縦方向にみると、平成7年の第1次産業の生産額は1,387億円で、その生産のために第1次産業から158億円、第2次産業から223億円、第3次産業から199億円の原材料やサービスを購入し、806億円の雇用者所得や営業余剰などの粗付加価値を生みだしたことを示している。
一方、横方向にみると、第1次産業は中間需要部門の第1次産業へ158億円、第2次産業へ914億円、第3次産業へ114億円を原材料などの中間財として販売し、最終需要部門の家計や県外などへは1,186億円販売したことを示している。
中間需要と最終需要をあわせた2,372億円から移輸入額985億円を差し引いた1,387億円は県内生産額になる。
@ 表自体から表作成年次の県経済の構造を把握できる。
ア 県経済全体の規模、産業構造
イ 各業種の生産額
ウ 各業種の原材料費等の内訳(縦方向にみる)
エ 各業種の生産物の販売状況(横方向にみる)
A 産業連関表を加工した逆行列表などを用い、条件設定することにより、新たな投資、消費等を行った場合の地域産業全体への経済波及効果などの分析ができる。