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移輸入率の高い業種には新たな県内生産に対する県内需要の受け皿はあるが、その需要は完成品である場合が多い。
A.相互流通型(移輸出率、移輸入率ともに50%以上)
県内で生産したものの多くを県外へ移輸出し、県内で需要するものの多くを県外から移輸入している業種。部門内で生産する財貨・サービスがかみ合わないものである。例えば、輸送機械でみると、県内で生産されるのは部品が多く、これらの多くは県外の組立工場へ移輸出されており、一方、需要の多い完成品は移輸入の割合が高くなっている。また、精密機械は、県内で製造する完成品は、一製品に特化しており、これを移輸出する一方、他の製品を移輸入しているためこの分類に含まれる。このような相互流通型に分類されるのは精密機械、化学、輸送機械等11業種である。なお、製造業計はこの類型に属し、富山県製造業は相互流通型であるといえる。B.移輸出特化型(移輸出率50%以上、移輸入率50%未満)
県内需要に比べ、比較的生産額のウエイトが高く、県内需要をある程度満たしながら移輸出のウエイトが高い業種。パルプ・紙等2業種が含まれる。C.県内自給型(移輸出率、移輸入率ともに50%未満)
財貨・サービスの性質から移輸入、移輸出ともに起こりにくい業種や属地性の強い業種が該当する。建設、公務、通信・放送、対個人サービスなど15業種が含まれる。なお、産業総合もこの類型に属しており、富山県産業は県内自給型であるといえる。D.移輸入依存型(移輸出率50%未満、移輸入率50%以上)
県内需要はあるが生産額の小さい業種、県内に天然資源の乏しい業種が該当する。鉱業、対事業所サービス業など4業種が含まれる。
第3次産業は、移輸出率、移輸入率ともに通常は低い場合が多く、県内自給型に属する場合が多いが、本県の場合、対事業所サービス業は移輸入依存型に属している。このことからも対事業所サービス業の生産が伸びる余地があるといえる。
表 産業別移輸出入率
移輸出率 移輸入率 農林水産業 0.573139 0.622671 鉱業 0.016803 0.841861 食料品 0.508679 0.681351 繊維製品 0.741612 0.665568 パルプ・紙・木製品 0.579394 0.478392 化学製品 0.879240 0.816029 石油・石炭製品 0.519313 0.704405 窯業・土石製品 0.352104 0.399892 鉄鋼 0.321176 0.680327 非鉄金属 0.468286 0.538151 金属製品 0.936207 0.758561 一般機械 0.834398 0.696365 電気機械 0.685638 0.506130 輸送機械 0.744845 0.791422 精密機械 0.928099 0.967592 その他の製造工業製品 0.741941 0.748347 建設 0.000000 0.000000 電力・ガス・熱供給 0.405296 0.001967 水道・廃棄物処理 0.027184 0.000000 商業 0.219599 0.146637 金融・保険 0.020433 0.268115 不動産 0.018101 0.001903 運輸 0.333098 0.213748 通信・放送 0.138448 0.183153 公務 0.000000 0.000000 教育・研究 0.002823 0.397719 医療・保健・社会保障 0.025995 0.010949 その他の公共サービス 0.537940 0.000000 対事業所サービス 0.265803 0.531609 対個人サービス 0.160520 0.263255 事務用品 0.000000 0.000000 分類不明 0.148407 0.082124 産業計 0.406948 0.365089