統計情報ライブラリー/産業農林業センサス
2000年世界農林業センサス結果の概要(速報)
1 農家調査
農家数
総農家数
経営耕地規模別農家数(販売農家)
主副業別農家数(販売農家)
農産物販売金額別農家数(販売農家)
農業経営組織別農家数(販売農家)
専兼業別農家数(販売農家)
農家人口
農家人口(総農家)
就業状態(販売農家)
農業後継者の状況(販売農家)
土地
経営耕地
耕作放棄地及び不作付け地
農業生産(販売農家)
作物(露地)の生産
施設園芸
家畜




(1)農家数


ア 総農家数 〜 総農家数は47,227戸で12.7%の減少 〜

 総農家数は47,227戸で前回(平成7年2月1日現在。以下同じ。)に比べ6,840戸(12.7%)減少した。
 これは、農地の流動化(農地の貸付)や、協業経営を行う組織への加入、農業者の高齢化などによる。
 全国は、前回に比べ9.4%減少した。
 このうち、販売農家数は39,397戸(総農家数に占める割合83.4%)で6,445戸(14.1%)減少し、自給的農家数は7,830戸(同16.6%)で395戸(4.8%)減少した。

○ 農   家 … 経営耕地面積が10a以上の農業を営む世帯又は農産物販売金額が15万円以上の世帯
○ 販売 農家… 経営耕地面積が30a以上又は農産物総販売金額が50万円以上の農家
○ 自給的農家 … 経営耕地面積が30a未満かつ農産物総販売金額が50万円未満の農家


イ 経営耕地規模別農家数(販売農家) 〜 10ha以上の大規模農家が大幅に増加 〜
 販売農家を経営耕地面積規模別に前回と比べると、5ha未満で減少、5ha以上で増加している。特に10ha以上の農家は、前回に比べ63戸(46.0%)と大幅に増えており、農地の借入により経営規模を拡大して大規模階層へのシフトを強めていることがわかる。
これは、都府県(北海道を除く。)も同じ傾向である。
表1 経営耕地規模別農家数  単位:戸,%
経営耕地規模別 平12 平7 増減率
戸数
(A)
構成比 戸数
(B)
構成比 A/B
1ha未満 19,513 49.5 22,810 49.8 -14.5
1〜3 18,250 46.3 21,465 46.8 -15.0
3〜5 1,039 2.6 1,063 2.3 -2.3
5〜10 395 1.0 367 0.8 7.6
10〜 200 0.5 137 0.3 46.0




ウ 主副業別農家数(販売農家)  〜 副業的農家の割合は約3分の2で全国を大きく上回っている 〜


 販売農家を主副業別にみると、農業の担い手として期待される主業農家数は1,887戸(販売農家に占める割合4.8%)、準主業農家数は10,850戸(同27.5%)、副業的農家数は26,660戸(同67.7%)となった。全国に比べ、主業農家の割合が小さく、副業的農家の割合が大きいことが本県の特色となっている。主業農家の経営規模は販売農家平均と比べ、1戸当たりの経営耕地面積で3.1倍、水稲作付面積で2.8倍となっている。
表2 主副業別農家数(販売農家)   単位:戸,%
主副業別 平12 平7
A 構成比 構成比
(全国)
B 構成比 増減率 A/B
39,397 100.0 100.0 45,842 100.0 △ 14.1
主業農家 1,887 4.8 21.4 2,170 4.7 △ 13.0
準主業農家 10,850 27.5 25.7 14,623 31.9 △ 25.8
副業的農家 26,660 67.7 52.9 29,049 63.4 △ 8.2
表3主副業別にみた経営概要(1戸当たり)
区分 経営耕地面積
(a)
うち水稲作付面積
(a)
販売農家平均 128.5 96.5
主業農家 401.9 274.6
準主業農家 146.6 111.9
副業的農家 101.8 77.6
○主業農家 … 農業所得が主で、65歳未満の農業従事60日以上の者がいる農家
○準主業農家 …農外所得が主で、 〃
○副業的農家 … 65歳未満の農業従事60日以上の者がいない農家
 主副業別分類は、農業所得と農業労働力の状況を組み合わせた分類。下記E専兼業別分類の専業農家に高齢専業農家が含まれているなど、現実に即さない面があるので、農業生産の担い手をより鮮明に分析するため、前回センサスから分類されているもの。





エ 農産物販売金額別農家数(販売農家) 〜 米価の下落などにより販売金額が減少 〜
 販売農家を農産物販売金額規模別にみると、100万円未満の農家の割合が57.5%で、前回に比べ15.9ポイント高まっている。
 これは生産調整に伴う水稲作付面積の減少、米価の下落などが要因としてあげられる。

オ 農業経営組織別農家数(販売農家) 〜 稲作単一経営農家が9割以上 〜

表4 農業経営組織別農家数の構成比(販売農家)  単位:戸,%
区分 平12 平7
戸数 構成比 構成比
(全国)
戸数 構成比
販売のあった農家 38,690 100.0 100.0 45,356 100.0
単一経営 36,193 93.5 77.4 43,320 95.5
   うち稲作 35,143 90.8 54.3 42,441 93.6
複合経営 ※ 2,497 6.5 22.6 2,036 4.5
*準単一複合経営農家を含む
単一経営 … 主位部門の販売金額が8割以上の農家
準単一複合経営 … 〃 6割以上8割未満の農家
複合経営 … 〃 6割未満の農家

 販売のあった販売農家を農業経営組織別にみると、単一経営の割合が93.5%と9割以上を占め、そのうち稲作の割合が90.8%となっている。
 全国と比べ本県では単一経営農家の割合が高く、またそのほとんどが稲作経営となっていることが特色といえる。複合経営については前回と比べ、わずかに増加している。




 カ 専兼業別農家数(販売農家) 〜 専業農家の7割は高齢者のみの世帯 〜
表5 専兼業別農家数(販売農家)  単位:戸,%
専兼業別 平12 平7
A 構成比 構成比(全国) B 増減率 A/B
39,397 100.0 100.0 45,842 △ 14.1
専業農家 2,771 7.0 18.2 2,091 32.5
うち男子生産年齢人口のいない世帯 2,079 75.0 53.1 1,490 39.5
兼業農家 36,626 93.0 81.8 43,751 △ 16.3
第1種兼業農家 2,067 5.2 15.0 1,908 8.3
第2種 〃 34,559 87.7 66.8 41,843 △ 17.4
 販売農家を専兼業別にみると、専業農家数は2,771戸と前回に比べ32.5%増加し、兼業農家数は36,626戸で16.3%減少した。
専業農家のうち、男子生産年齢人口(15歳以上65歳未満)がいない農家は2,079戸で、その割合は75.0%(全国53.1%)を占めている。
兼業農家率は93.0%となり、全国2位(前回95.4%1位)となった。
○専 業 農 家 … 世帯員に兼業従事者が1人もいない農家
○第1種兼業農家 … 世帯員に兼業従事者が1人以上おり、農業所得を主とする農家
○第2種兼業農家 … 〃 農業所得を従とする農家


(2)農家人口



ア 農家人口 〜 農家人口の26.4%が65歳以上 〜
 農家人口(総農家の世帯員数)は219,463人で前回に比べ34,868人(13.7%)減少した。また、県の総人口(「富山県人口移動調査」平成11年10月1日現在)に占める農家人口の割合は19.5%で、前回(22.6%)に比べ3.1ポイント減少した。
男女別構成比をみると、男が106,020人で48.3%、女が113,443人で51.7%となった
 年齢構成をみると、65歳以上の占める割合は26.4%で、前回に比べ3.5ポイント上昇し、高齢化が一層進行した。また、この割合は県の総人口に占める老年人口割合20.2%を6.2ポイント上まっている。




イ 就業状態(販売農家) 〜 農業労働力は減少 〜

表6農家世帯員の就業状態(販売農家) 単位:人,%
区分 平12
A
平7
B
増減率
A/B
農業従事者 124,987 137,365 △ 9.0
農業就業人口 50,870 51,256 △ 0.8
基幹的農業従事者 18,401 16,080 14.4
 うち65歳未満 6,160 7,579 △ 18.7
 うち65歳以上 12,241 8,501 44.0
 農業従事者は 124,987人で前回(137,365人)に比べ9.0%減少、農業就業人口は50,870人で前回(51,256人)に比べ0.8%減少した。一方、基幹的農業従事者は65歳以上の者が増えたことから前回(16,080人)に比べ14.4%増加し、18,401人となった。
○農業従事者 … 15歳以上の世帯員のうち1年間に1日以上農業に従事した世帯員
○農業就業人口 … 農業のみに従事又は農業と兼業の従事日数のうち農業の従事日数の長い世帯員
○基幹的農業従事者 … 農業就業人口のうち、ふだんの主な状態が仕事(農業や他に勤務)に従事していた世帯員



ウ 農業後継者の状況(販売農家) 〜 農業に主として従事する農業後継者は5.6% 〜
表7 農業後継者がいる農家     単位:戸,%
区分 平12 平7
戸数
A
構成比 戸数
B
構成比 増減率
A/B
39,397 100.0 45,842 100.0 △ 14.1
後継者がいる 31,432 79.8 36,411 79.4 △ 13.7
  同居後継者がいる 27,210 69.1 31,053 67.7 △ 12.4
 うち主に農業に従事 2,212 5.6 1,903 4.2 16.2
別居後継者がいる 4,222 10.7 5,358 11.7 △ 21.2
後継者がいない 7,965 20.2 9,431 20.6 △ 15.5
○農業経営の後継者 …予定者も含む



 同居農業後継者が主に農業に従事している農家は2,212戸で、販売農家に占める割合は5.6%となり、前回に比べて1.4ポイント上昇した。
農業後継者がいる農家は31,432戸となった。このうち同居後継者がいる農家は27,210戸で、別居後継者がいる農家は4,222戸であった。




(3)土地


ア 経営耕地 〜 特に10ha以上の大規模農家層で借入耕地が増加 〜
<総農家>
総経営耕地面積は52,155haで、前回に比べ5,448ha(9.5%)減少した。
また農家1戸当たりの平均経営耕地面積は110aで、前回に比べ3a増加した。
<販売農家の耕地借入状況>
販売農家の借入耕地は10,086haで、前回(8,265ha)に比べ1,821ha(22.0%)増加した。
経営耕地規模別に借入状況をみると、規模の大きい階層ほど借入農家1戸当たりの借入耕地面積が大きい。とくに10.0ha以上では1510.7aと前回に比べて165.7a(12.3%)増加しており、大規模層において借地による農地の流動化が図られている。
また販売農家の経営耕地規模別に耕地の集積状況をみると、3.0ha未満の各階層では減少しているが、3.0〜5.0haでは6.9%から7.5%に増え、特に5.0ha以上の農家の耕地シェアは8.0%から12.0%と4.0ポイント増えており、大規模層への農地の集積が進んでいる。



イ耕作放棄地及び不作付け地 〜 とくに中間農業地域、山間農業地域で放棄率が高い 〜
表8耕作放棄地    単位:ha,%
区分 耕作放棄地
A
経営耕地
B
耕作放棄地率
A/(A+B)
1,100 52,155 2.1
販売農家 807 50,631 1.6
都市的地域 101 7,141 1.4
平地農業地域 273 36,011 0.8
中間農業地域 345 6,268 5.2
山間農業地域 89 1,211 6.8
表9不作付け地(販売農家)  単位:ha,%
区分 不作付け地 A 経営耕地 B A/B
4,133 50,631 8.2
都市的地域 796 7,141 11.1
平地農業地域 2,770 36,011 7.7
中間農業地域 453 6,268 7.2
山間農業地域 114 1,211 9.4
<総農家>
総農家の耕作放棄地は1,100haで、前回(790ha)に比べ39.2%増加した。耕作放棄地率は2.1%となり、全国(5.1%)に比べ低くなっている。
<販売農家>
販売農家の耕作放棄地面積は807haで、耕作放棄地率を農業地域類型別にみると、中間農業地域で5.2%、山間農業地域で6.8%と高くなっている。

また、販売農家の不作付け地は4,133haで、前回(865ha)に比べ377.8%増加した。
農業地域類型別にみると、都市的地域の不作付け面積割合が高くなっている。
○耕作放棄地 … 過去1年間作付けせず、今後作付けする意志のない土地
○不作付け地 … 〃 今後作付けする意志のある土地



(4) 農業生産(販売農家)


ア 作物(露地)の生産  〜 稲作中心の構成 〜
 販売農家で販売目的で露地に作付けした農家は38,549戸であった。
内訳をみると、稲の作付面積は88.5%、農家数は98.9%と稲作中心の構成になっている。
表10 販売目的で作付けした作物の類別作付け面積と構成比 単位:ha,戸,%
区分 麦類 豆類 野菜類 花き類・花木 その他 合計
作付面積 37,229 390 3,155 531 290 482 42,077
構成比 88.5 0.9 7.5 1.3 0.7 1.1 100.0
農家数 38,120 732 6,584 2,736 560 2,446 38,549
構成比 98.9 1.9 17.1 7.1 1.5 6.3 100.0
イ 施設園芸  〜 1戸当たりの施設面積が拡大 〜
表11 施設のある農家数と施設面積 単位:戸,a、%
区分 平12 平7 増減率
施設のある実農家数 641 688 △ 6.8
ハウス 599 622 △ 3.7
ガラス室 91 118 △ 22.9
施設面積
ハウス 5,251 4,543 15.6
ガラス室 545 535 1.9
一戸当たり面積
ハウス 8.8 7.3 20.0
ガラス室 6.0 4.5 32.1
施設のある農家数は641戸で、前回に比べ6.8%減少したものの、1戸当たりの施設面積でみると、ハウスは8.8aで前回に比べ20.0%、ガラス室は6.0aで、前回に比べ32.0%増加した。



ウ 家畜  〜 全ての畜種で1戸当たりの規模が拡大 〜



 全ての飼養農家数は、全ての畜種で減少しているが、一戸当たりの飼養頭羽数は増加している。
表12 家畜を販売目的で飼養している農家数と飼養頭羽数(販売農家) 単位:戸,頭,百羽
区分 農家数 頭羽数 一戸当たり飼養頭羽数
平12 平7 増減率 平12 平7 増減率 平12 平7 増減率
乳用牛 95 133 △ 28.6 3,671 4,564 △ 19.6 38.6 34.3 12.6
肉用牛 79 125 △ 36.8 5,472 5,833 △ 6.2 69.3 46.7 48.4
26 50 △ 48.0 18,260 27,975 △ 34.7 702.3 559.5 25.5
採卵鶏 24 80 △ 70.0 3,335 3,317 0.5 139.0 41.5 235.1
ブロイラー 7 9 △ 22.2 3,803 3,930 △ 3.2 543.3 436.7 24.4

2 農家以外の農業事業体調査  3 林家調査及び林家以外の林業事業体調査