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―消費支出は、対前年比実質0.2%の増加(全国は1.2%の増加)−
平成19年の富山市総世帯(平均世帯人員2.74人、世帯主の平均年齢57.6歳)の消費支出は、1世帯当たり1か月平均302,328円(全国平均261,526円)で、前年に比べ名目0.3%の増加(全国平均1.3%増加)となった。また、消費者物価指数が前年比0.1%の上昇(全国平均0.1%上昇)となったことから、実質でも0.2%の増加(全国平均1.2%の増加)となった。
総世帯のうち二人以上の世帯(平均世帯人員3.42人、世帯主の平均年齢55.4歳)の消費支出は、1世帯当たり1か月平均357,909円(全国平均297,782円)で、前年に比べ名目2.9%の減少(全国平均1.0%の増加)、実質でも3.0%の減少(全国平均0.9%の増加)となった。
図1 消費支出額と対前年実質増減率の推移(富山市)(注1)平成11年以前の実数及び平成12年以前の増減率は、農林漁家世帯を除いた結果による。
(注2)総世帯については、平成12年から集計が開始されたため、平成11年以前の実数及び平成12年以前の増減率はなし。
※注1、注2については以下の図及び表でも同じ。
また、二人以上の世帯の消費支出を総世帯の消費支出と比較すると、約1.2倍となった(図2)。
図2 消費支出の内訳
平成19年の総世帯の1か月平均消費支出(302,328円)を費目別にみると、次のような特徴がみられる。
1世帯当たり64,938円で、名目2.6%、実質2.5%の増加となった。外食、酒類、果物が実質減少となったが、その他の費目が実質増加となり、全体として実質増加となった。イ 住 居 <実質減少>
1世帯当たり13,787円で、名目33.3%、実質33.8%の減少となった。家賃地代が大幅な実質減少となったほか、設備修繕・維持も実質減少となったため、全体として実質減少となった。ウ 光熱・水道 <実質減少>
1世帯当たり21,895円で、名目5.3%、実質5.9%の減少となった。電気代が実質増加となったが、ガス代、他の光熱(灯油など)、上下水道料が実質減少となったため、全体として実質減少となった。エ 家具・家事用品 <実質増加>
1世帯当たり8,339円で、名目7.8%、実質9.7%の増加となった。寝具類、家事用消耗品が実質減少となったものの、家庭用耐久財、室内装備・装飾品、家事雑貨、家事サービスが実質増加となったため、全体として実質増加となった。オ 被服及び履物 <実質減少>
1世帯当たり11,812円で、名目2.7%、実質3.1%の減少となった。洋服、下着類、靴下などの他の被服、被服関連サービスが実質増加となったが、和服、シャツ・セーター類、履物類が実質減少となったため、全体として実質減少となった。カ 保健医療 <実質増加>
1世帯当たり8,848円で、名目2.7%、実質2.8%の増加となった。医薬品が実質減少となったが、保健医療用品・器具、保健医療サービスが実質増加となり、全体として実質増加となった。キ 交通・通信 <実質減少>
1世帯当たり35,617円で、名目5.8%、実質5.6%の減少となった。鉄道通勤定期代などの交通、移動電話通信料などの通信が実質増加となったが、自動車等関係費が実質減少となったため、全体として実質減少となった。ク 教 育 <実質増加>
1世帯当たり10,163円で、名目32.0%、実質30.4%の増加となった。ケ 教養娯楽 <実質増加>
1世帯当たり33,167円で、名目21.0%、実質21.2%の増加となった。書籍・他の印刷物が実質減少となったものの、教養娯楽用耐久財、教養娯楽用品、宿泊料や入場・観覧・ゲーム代などの教養娯楽サービスが実質増加となったため、全体として実質増加となった。コ その他の消費支出 <名目増加>
1世帯当たり93,762円で、名目0.9%の増加となった。仕送り金、理美容サービスなどの諸雑費が減少したが、交際費、こづかい(使途不明)が増加となった。
表1 消費支出の費目別対前年実質増減率(富山市総世帯、二人以上の世帯)−平成19年−
(注1) ※印は名目増減率
項 目 総世帯 二人以上の世帯 月平均額
(円)構成比(%) 増減率(%) 月平均額
(円)構成比(%) 増減率(%) 消 費 支 出 302,328 100.0 0.2 357,909 100.0 -3.0 食 料 64,938 21.5 2.5 75,977 21.2 -0.4 穀 類 5,721 1.9 3.8 6,928 1.9 -3.3 魚 介 類 7,027 2.3 10.6 8,482 2.4 -0.8 肉 類 5,157 1.7 11.0 6,676 1.9 6.8 乳 卵 類 2,608 0.9 2.1 3,185 0.9 0.9 野 菜 ・ 海 藻 7,815 2.6 7.2 9,424 2.6 0.7 果 物 2,522 0.8 -1.6 2,782 0.8 -8.0 油 脂 ・調 味 料 2,447 0.8 5.8 3,059 0.9 2.3 菓 子 類 4,597 1.5 10.6 5,562 1.6 8.9 調 理 食 品 8,576 2.8 5.4 9,448 2.6 -0.6 飲 料 3,922 1.3 9.9 4,065 1.1 4.2 酒 類 3,254 1.1 -7.4 3,756 1.0 -15.7 外 食 11,293 3.7 -11.4 12,611 3.5 -2.5 住 居 13,787 4.6 -33.8 12,882 3.6 -18.9 家 賃 地 代 5,646 1.9 -52.3 5,086 1.4 29.7 設 備 修 繕 ・維 持 8,142 2.7 -8.8 7,796 2.2 -34.9 光 熱 ・ 水 道 21,895 7.2 -5.9 25,838 7.2 -8.0 電 気 代 9,453 3.1 4.1 10,988 3.1 -1.4 ガ ス 代 4,503 1.5 -21.4 5,107 1.4 -14.0 他 の 光 熱 3,062 1.0 -11.0 3,918 1.1 -17.0 上 下 水 道 料 4,877 1.6 -2.5 5,824 1.6 -6.8 家 具 ・家 事 用 品 8,339 2.8 9.7 9,610 2.7 -2.4 家 庭 用 耐 久 財 2,925 1.0 20.3 3,312 0.9 -0.2 室内装備・装飾品 832 0.3 19.1 1,026 0.3 3.8 寝 具 類 515 0.2 -20.0 641 0.2 -28.3 家 事 雑 貨 1,736 0.6 21.3 2,020 0.6 10.0 家 事 用 消 耗 品 1,786 0.6 -7.8 2,198 0.6 -0.2 家 事 サ ー ビ ス 544 0.2 12.8 412 0.1 -33.0 被 服 及 び 履 物 11,812 3.9 -3.1 13,445 3.8 1.8 和 服 115 0.0 -87.5 170 0.0 -78.7 洋 服 4,787 1.6 10.8 5,126 1.4 15.9 シャツ・セーター類 2,618 0.9 -10.2 2,981 0.8 2.9 下 着 類 1,019 0.3 6.0 1,265 0.4 -2.9 生 地 ・ 糸 類 176 0.1 - 190 0.1 - 他 の 被 服 853 0.3 5.1 866 0.2 -17.6 履 物 類 1,277 0.4 -6.4 1,623 0.5 5.1 被服関連サービス 968 0.3 17.9 1,225 0.3 13.5 保 健 医 療 8,848 2.9 2.8 10,883 3.0 5.3 医 薬 品 1,114 0.4 -20.3 1,315 0.4 -10.6 健康保持用摂取品 984 0.3 - 1,053 0.3 - 保健医療用品・器具 1,746 0.6 7.6 2,366 0.7 22.1 保健医療サービス 5,003 1.7 3.8 6,149 1.7 2.7 交 通 ・ 通 信 35,617 11.8 -5.6 41,872 11.7 -10.4 交 通 3,797 1.3 35.8 4,492 1.3 28.2 自動車等関係費 21,325 7.1 -14.6 24,458 6.8 -21.1 通 信 10,495 3.5 4.9 12,922 3.6 5.3 教 育 10,163 3.4 30.4 14,138 4.0 19.9 教 養 娯 楽 33,167 11.0 21.2 35,884 10.0 14.5 教養娯楽用耐久財 5,512 1.8 159.0 5,682 1.6 67.6 教 養 娯 楽 用 品 6,087 2.0 6.0 6,982 2.0 -7.8 書籍・他の印刷物 4,160 1.4 -0.9 4,588 1.3 3.3 教養娯楽サービス 17,408 5.8 14.1 18,631 5.2 18.1 その他の消費支出※ 93,762 31.0 0.9 117,380 32.8 -6.5 諸雑費 21,668 7.2 -4.7 25,372 7.1 -8.6 こ づ か い ※ 38,122 12.6 3.2 52,797 14.8 -5.4 交際費 25,894 8.6 6.9 28,246 7.9 -2.0 仕 送 り 金 ※ 8,078 2.7 -12.7 10,964 3.1 -17.8
(注2) 交際費の実質増減率は、消費者物価指数(持家の帰属家賃を除く総合)で実質化した。
(3) 消費支出の費目別構成比
―食料、教養娯楽が上昇、光熱・水道、交通・通信が低下―
平成19年の総世帯の消費支出の費目別構成比をみると、「食料」の占める割合(エンゲル係数)は、魚介類、野菜・海藻、肉類の増加などにより、前年に比べ0.5ポイント上昇して21.5%となった。エンゲル係数は、平成17年以降3年連続して上昇している。
また、「教養娯楽」(11.0%)が1.9ポイント、「教育」(3.4%)が0.8ポイント、「家具・家事用品」(2.8%)が0.2ポイントそれぞれ上昇した。「その他の消費支出」(31.0%)については、交際費、こづかい(使途不明)が増加し、0.2ポイントの上昇となった。
一方、「住居」(4.6%)が2.3ポイント低下したほか、自動車等関係費が減少した「交通・通信」(11.8%)が0.7ポイント、ガス代、他の光熱などが減少した「光熱・水道」(7.2%)が0.5ポイント、「被服及び履物」(3.9%)が0.1ポイントそれぞれ低下した。なお、「保健医療」(2.9%)は前年と変わらなかった。
図4 消費支出費目別構成比の推移(富山市総世帯)