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令和元年富山県人口移動調査の結果から

統計調査課 人口労働係

 

1 はじめに

富山県人口移動調査は、国勢調査以降の本県人口の毎月の移動数を調査し、人口の性別、年齢別構成及び地域間移動状況の実態を把握することにより、毎月の推計人口及び世帯数を明らかにして、各種行政施策の基礎資料を得ることを目的としています。

この調査は大正3年から昭和41年まで行われた「富山県常住人口調査」(各年12月31日現在)を前身とし、昭和42年以降、継続して行われています。

また、県単独の統計調査であり、県基幹統計調査に指定されているものです。

2 令和元年富山県人口移動調査の結果から

この調査の結果は、令和2年3月27日に公表しました。ここでは、その結果をもとに取りまとめた富山県の概要をご紹介します。

(1) 人口と世帯

令和元年10月1日現在の本県の総人口は前年比7,248人(0.69%)減の1,042,998人となりました。

総人口の推移をみると、平成10年の1,126,336人をピークに減少し続けています。

また、全国総人口に占める本県の割合は、昭和22年以降年々低下し、昭和45年には1%を割り、令和元年では、0.83%となりました。(図1・2)

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図1 総人口の推移

図2 総人口及び増減率(対前年)の推移
(平成21〜令和元年)


令和元年10月1日現在の総世帯数は409,109世帯で、前年に比べて4,180世帯(1.03%)増加しました。

世帯規模を示す一世帯当たりの人員は、昭和25年の5.23人をピークに減少し続けており、令和元年は2.55人で、前年に比べて0.04人の減少となりました。(図3)

図3 総世帯数および一世帯当たり人員の推移

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本県の令和元年の総人口を年齢3区分別にみると、「15歳未満の年少人口」が118,798 人(構成比11.5%)、「15〜64歳の生産年齢人口」が581,388人(同56.2%)、「65歳以上の老年人口」が333,776人(同32.3%)となっています。

前年と比較すると、年少人口では2,580人(2.1%)の減少、生産年齢人口では5,825人(1.0%)の減少、老年人口では1,157人(0.3%)の増加となっています。構成比を前年と比較すると、年少人口では0.2ポイント低下、生産年齢人口では0.2ポイント低下、老年人口は0.4ポイント上昇しました。(図4)

図4 年齢3区分別人口割合の推移

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令和元年の市町村別人口は、富山市の415,816人が最大で、高岡市の167,800人、射水市の90,877人と続いています。富山市と高岡市を合わせると583,616人で県人口の過半数を占めています。

市町村別の人口増減をみると、前年に比べて総人口が増加した市町村は2市村のみで、舟橋村が51人、滑川市が6人増加しました。増加率は舟橋村が1.67%、滑川市が0.02%でした。

一方、総人口が減少したのは13市町(9市4町)で、人口減少数が最も多いのは富山市の△1,516人、減少率が最も高いのは朝日町の△2.18%でした。(表1)

表1 市町村別人口増減数・増減率

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(2) 人口動態

平成30年10月1日〜令和元年9月30日の自然動態(出生者数−死亡者数)では△6,435人と減少し、また、社会動態(転入者数−転出者数)では△813人と減少しました。

この結果、総人口は7,248人の減少となりました。 (図5)

図5 人口動態の推移

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○ 自然増減数

平成30年10月1日〜令和元年9月30日の自然増減数は6,435人の減少となり、17年連続の自然減少となりました。出生者数が前年同期比317人減少の6,771人、死亡者数が前年同期比48人減少の13,206人でした。

平成15年以降の推移をみると、年少人口の減少に伴い出生者数が減少傾向にあり、また、高齢者人口の増加に伴い死亡者数が増加傾向にあります。その結果として、自然減少が続いています。(図6)

図6 自然動態の推移

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○ 社会移動

平成30年10月1日〜令和元年9月30日の社会移動総数は50,441人となり、前年同期に比べ2,997人(6.3%)増加しました。このうち県内市町村間で移動した人は11,872人で前年同期に比べ685人(6.1%)の増加となりました。

一方、都道府県間で移動した人は、県外からの転入者が18,878人で前年同期に比べ490人(2.7%)の増加、県外への転出者が19,691人で前年同期に比べ1,822人(10.2%)の増加となりその結果、差引増減は813人の減少となりました。

これまでの都道府県間の社会移動をみると、平成18年から平成27年の10年間は転出超過となっていましたが、平成28年から平成30年の3年間は転入超過となり、令和元年は4年ぶりに813人の転出超過となりました。その理由は、若年層の東京圏への転出増加や外国人の増加の伸びの鈍化等によると考えられます。(図7・表2)

図7 県内移動、県外転入・転出の推移

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表2 年齢(5歳階級)別社会動態

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(注)平成30年10月1日〜令和元年9月30日



○ 都道府県別移動

転入元を都道府県別にみると、転入者数が最も多いのは石川県で、次いで東京都、愛知県、大阪府、神奈川県の順となりました。(昨年と同順)

一方、転出先では、転出者数が最も多いのは東京都で、次いで石川県、愛知県、神奈川県、大阪府の順となりました。(昨年は1位が石川県、2位が東京都で、他は同順)(図8)

図8 転入元、転出先の都道府県別県外移動者数

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3 おわりに

今回は令和元年富山県人口移動調査結果をご紹介しましたが、以下のホームページには、「年報のバックナンバー(平成11年〜平成30年)」や「年報の日本人と外国人の内訳(年報の非掲載表)(平成28年〜令和元年)」も掲載されています。

あわせて、月報データも平成13年1月以降、毎月掲載されています。

とやま統計ワールド「人口移動調査」
http://www.pref.toyama.jp/sections/1015/lib/jinko/index.html

富山県人口移動調査は、本県の現状を把握し、将来を予測するために大変重要な統計ですので、ぜひ関心を持っていただけたらと思います。

今後とも本調査へのご理解をよろしくお願いいたします。




とやま経済月報
令和2年7月号