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昭和から平成、そして令和になってもやっぱり「富山県民手帳」!

統計調査課 統計情報係

 

1 はじめに


今年も後半に入り、「富山県民手帳」の発行も間近になってきました。(10月下旬発行予定)

全国の多くの県でご当地手帳「県民手帳」が発行されていますが、「富山県民手帳」は実用性だけではなく、郷土を知るためのデータベースとして愛用されています。観光名所や特産品のPR、また県イベントの紹介など毎年趣向を凝らして作成しており、県のデータや生活に便利な情報が満載の手帳です。

以下では「富山県民手帳」についてご紹介します。

2 60年以上続くロングセラー「富山県民手帳」

確認できる一番古い「富山県民手帳」は1957年版(昭和32年版、昭和31年発行)で、その後、毎年発行しています。今では60年以上続くロングセラーとなっています。累計発行部数は、推計で150万部を超えます。


発刊当時は、一般県民の方々が「統計データ」を入手することは、簡単ではなかったと思われますが、日常的に使う手帳に統計データ等の資料を掲載することで、統計を身近に感じ、県や国の姿を知っていただくという考え方から出発したと考えています。

昭和32年版富山県民手帳

これまでの富山県民手帳

1957年版(昭和32年版)の富山県民手帳は、表紙は深いえんじ色で、今の手帳よりも2まわりもコンパクトで片手に収まります。厚さも7〜8ミリといったところです。

表紙をめくると見開きで「富山県の交通」として、富山県地図上に鉄道、電車線やバス路線とともに温泉、名所、海水浴場が記されています。月間予定表、各月のこよみ(記念日)、県内の観光行事、後半部分には統計資料として、富山県の現勢、市町村要覧、都道府県勢要覧、県庁機構、中央主要官庁一覧と、今掲載されているものとほぼ変わらない項目が掲載されています。


1961年版(昭和36年版)からは、「過去10年間の富山市の天気」が掲載されています。この「過去10年間のお天気情報」は、現在の富山県民手帳の自慢の情報のひとつとなっています。

また、ページ下欄には、外来語豆辞典がアイウエオ順に約110個掲載されています。当時は外来語に親しむことがなかった県民への情報提供と思われます。


1970年代になると、毎年内容を見直し、道路標識、郵便料金表、時候の挨拶、暮らしの相談窓口、地震対策、海外旅行の手引き、世界時差表などが掲載されており、生活便利帳としての役割も担っていたようです。

3 令和になってもやっぱり「富山県民手帳」!

(1)2020年版のテーマは「令和」

昭和から平成へ、そして今回2020年版は、令和初の「富山県民手帳」の発行となります。そこで、2020年版富山県民手帳は、新元号「令和」をテーマとしました。

表紙カバーは、新元号の出典である『万葉集』の巻五「梅花の歌三十二首」序文から万葉時代の宴の衣装をイメージした「紫草衣色(むらさききぬいろ)」(横罫式月間予定表)と白梅の花をイメージした「白梅花色(しらうめはないろ)」(カレンダー式月間予定表)の2種類を作成しました。


新元号特別ページとして、新元号の考案者とされる富山県高志の国文学館の中西進館長の「令和」の解説及び書家の青柳志郎氏の「令和」の書を収録しました。新元号の記念の1冊になること間違いなしです!

※図をクリックすると大きく表示されます

また、2020年は東京オリンピックが開催されます。聖火リレーの県内ルートを掲載したほか、オリンピックイヤーにちなみ、「富山歳時記」には、統計PRきときと君が登場し、1964年に開催された前回東京オリンピックの頃と今とを比較した統計データを紹介しています。「ラーメン1杯の価格は?」「平均気温は?」「家計消費支出は?」50年以上前と比較してどうなっているでしょうか。全部で11箇所掲載していますので、手帳をお使いになりながら、ぜひ探してみてください。

※図をクリックすると大きく表示されます


(2)定番の内容も充実

「富山県民手帳」は、2015年3月の北陸新幹線開業を機に、県内外に自慢できる情報やお得なクーポン機能を新たに盛り込んで、富山県の魅力をもっと知っていただける内容にリニューアルしました。

人気のページは富山湾のキトキトの旬な鮨ネタを紹介した「富山湾旬のネタ」や、富山県内の鉄軌道全駅を網羅した「富山県内鉄軌道マップ」、日本海を中心に地図の南北を逆転させた「環日本海・東アジア諸国図」、「富山イラスト観光マップ」です。カラーで見やすく掲載しており、県民だけではなく、観光客にも喜ばれています。

また、提示するだけで県内施設の割引・プレゼント特典が受けられる「ジョイフルカード」は利用可能な施設が80施設に増え、使いやすくなっています。お得に富山を旅してみてはいかがでしょうか。


(3)情報満載の資料編

資料編は別冊になっており、これだけをポケットに入れて持ち歩き、必要な時にちょこっと見ることができます。「資料」、「名簿」、「生活便利情報」の大きな3つの項目に分かれていて、様々な情報を掲載しています。

「資料」には、明治から令和までの「富山県の主なできごと」、富山県と全国を比較した「全国から見た富山県のすがた」、「都道府県勢要覧」や「市町村要覧」など仕事の際に役立つ富山県の基礎情報が載っています。特に「全国からみた富山県のすがた」と「都道府県勢要覧」には、各指標ごとに全国での順位が載っており、全国における富山県の位置がひと目で分かります。

「名簿」には、県民手帳ならではの国会議員・県議会議員名簿、中央主要官庁・都道府県庁の所在地や電話番号、県の主要出先機関や県内主要団体の名簿、市町村紹介などが掲載されています。中でも市町村紹介では、市町村キャラクターとともに、みどころ、特産品・味覚、お祭などが紹介されています。ページの右下には、意外と知られていない市町村のミニ知識も掲載しています。お住まいの市町村や気になる市町村の情報をぜひチェックしてみてください。

「生活便利情報」には、郵便料金表、書簡用語、防災チェックポイント、暮らしの相談窓口、富山県のみどころなど生活に役立つ情報が満載です。

また、「住みよさ日本一」、「富山県の一日」といった統計データがカラーのイラスト付きで一目でわかります。

※図をクリックすると大きく表示されます

4 おわりに

「富山県民手帳」は県民の皆様だけではなく、富山への観光や、UIJターンを考えておられる方々などにも富山県の良さを十分知っていただけるような内容となっています。

書店のほか、県内JRおみやげ処、県内一部ホームセンター、コンビニエンスストアなどでも販売しています。また、県内だけでなく、首都圏、近畿圏、名古屋でも販売し、遠方の方にもお求めやすくなっています。

ぜひ、令和になっても「富山県民手帳」をお手元にご携帯ください。




とやま経済月報
令和元年10月号