若者のUIJターン就職・県内定着の促進について富山県 商工労働部 労働雇用課 |
1 はじめに人口減少、高齢化が急速に進展するなか、本県産業の発展を支える労働力人口の減少が見込まれています。 富山県の労働力人口の推移と見通し
※図をクリックすると大きく表示されます 資料:平成12年、17年、22年は、総務省統計局 「国勢調査」 県では、これまで東京都内に『富山くらし・しごと支援センター(有楽町オフィス・白山オフィス)』を設置し、首都圏等からのUIJターン就職や移住の促進に努めてきました。その結果、Uターン就職率は、調査を開始した平成18年3月には51.3%でしたが、直近の平成28年3月には58.1%と過去最高を記録しています。 Uターン就職率の推移
![]() 資料:富山県労働雇用課調べ 県は、平成元年度に東京白山に『富山県Uターン情報センター(現富山くらし・しごと支援センター白山オフィス)』を設置し、さらに平成27年度には、東京有楽町に『富山くらし・しごと支援センター有楽町オフィス』を設置しました。 『富山くらし・しごと支援センター』では、両オフィスがそれぞれの特性を活かしつつ、相互に連携を図って、県外学生・社会人のUIJターン就職や移住に関する支援を行っています。 |
2 富山くらし・しごと支援センター有楽町オフィスの強化平成29年1月には、これまで移住相談を中心的に受け付けてきた『富山くらし・しごと支援センター有楽町オフィス』にキャリアカウンセラーの資格を有する仕事相談員を新たに配置し、移住相談から仕事相談までをワンストップで対応できる環境を整えました。 |
3 富山くらし・しごと支援センター白山オフィスの強化更に、平成29年4月からは、『富山くらし・しごと支援センター白山オフィス』に新たに大学連携コーディネーターを配置し、首都圏等に進学した学生のUターン就職にかかる大学との連携を強化することとしました。 具体的には、学内の就職支援担当課を定期的に訪問し、県内企業の情報や学生の情報を共有すると共に、学内で開催されるインターンシップ説明会や企業説明会などに富山県ブースとして出展することとしています。また、コーディネーターがキャンパス内に出張し、本県出身学生との出張面談会なども実施することとしています。 |
4 Uターン就職支援サイト『とやまUターンガイド』のリニューアル県では、東京都内の『富山くらし・しごと支援センター』の利用が困難なUターン希望者の就職活動を支援するために、平成17年に『とやまUターンガイド』を開設し、インターネット上で求職者が求人企業に応募する機能や企業がUターン求職者をスカウトする機能を整備して、県内企業とUターン就職希望者とのマッチングを図ってきました。 平成29年4月に、開設以来12年ぶりとなる大幅なリニューアルを実施し、求人・求職者検索機能の強化や希望条件に合った求人や求職者が新たに登録された場合に通知する機能を新設しました。 Uターン就職支援サイト『とやまUターンガイド』の紹介
(https://uturn.pref.toyama.lg.jp) ![]() |
5 Uターン就職活動にかかる交通費補助の取り組み〜Uターンエクスプレス〜このように県では首都圏等での相談体制・情報発信の強化に努めてきましたが、県内で開催される企業説明会への参加など、実際のUターン就職活動にかかる学生の負担軽減を図るために、平成29年度から新たに、県外学生が県内で開催される合同企業説明会に参加する場合の移動に要する交通費の一部を補助する制度を開始しました。 具体的には、県又は富山労働局が主催する合同企業説明会に2回以上参加した場合、1万円を上限に、1往復に要する交通費の2分の1を助成することとしています。 トヤマUターンエクスプレス
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6 富山県インターンシップ推進センターの設置また、本県では大学生等を対象に職業観の涵養を図るとともに、県内企業の魅力を広く発信するために、平成12年に県内大学や経済団体から構成される富山県インターンシップ推進協議会を設置し、県内企業でのインターンシップに取り組んできました。 参加学生数は、平成12年度の125人から年々増加し、平成28年度には1,163人がインターンシップに参加しています。 参加学生の多くは県内学生であり、本県では毎年、約4千人が高校卒業後に県外に進学していますが、県外からのインターンシップ参加はわずか187人に留まっています。 そこで、県では平成29年度新たに、『富山県インターンシップ推進センター』をとやま自遊館内に設置し、合同企業説明会の開催や就職活動に関するカウンセリングなど、若者の就労を総合的に支援する『ヤングジョブとやま』と連携を図りながら、学生の就職活動を一貫して支援する体制を整えました。 『富山県インターンシップ推進センター』では、県外学生の県内企業でのインターンシップ参加をさらに促進する取り組みとして、首都圏等で開催されるインターンシップイベントに自治体ブースとしては全国で初めて出展するほか、県外学生からの参加申込を円滑化するために、ウェブサイト上でインターンシップの参加申込が行える『とやまインターンシップナビ(仮称)』を整備することとしています。 インターンシップ参加学生の推移
![]() 資料:富山県インターンシップ推進協議会 |
7 県内定着の取組み〜富山女子限定!就活女子応援カフェ〜一方、県内大学等で学ぶ学生の卒業後の県内定着の状況については、平成28年3月卒業生の県内企業への就職率は52.8%となっており、約半数が県外に転出しています。特に県外出身学生については、16.8%と極めて低い定着率となっています。また、本県の特徴として、10代後半から20歳代の女性の流出超過が顕著となっていることから、県内学生、特に女子学生の県内定着率の向上を図ることは重要な課題と考えています。 そこで、平成29年度は新たに、『富山女子限定!就活女子応援カフェ』を実施し、県内企業で働く先輩女子社員と女子学生との懇談会を初めて開催します。ざっくばらんな交流を通じて、県内で暮らし働き、さらには子育てなど、10年後、20年後の将来像を見据えて、富山県での就職を選択してもらえるような取り組みを行ってまいります。 年齢別の社会動態の状況(H28)
![]() 資料:平成28年人口移動調査 |
8 おわりに県では、富山くらし・しごと支援センターでのUIJターン就職の相談・支援体制の強化を図るとともに、インターンシップから合同企業説明会の開催、交通費補助に至るまで、学生の就職活動を総合的にサポートする環境を整えてまいりました。さらには、県内学生、特に若い女性に向けて、県内で働き暮らす魅力を感じ取ってもらえるような効果的な事業の実施に努めることで、首都圏等からのUIJターン就職の促進と若者、女性の県内定着により一層取り組んでまいります。 富山くらし・しごと支援センターの紹介
○富山くらし・しごと支援センター白山オフィス
○富山くらし・しごと支援センター有楽町オフィス
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