これは、平成21年度富山県民経済計算報告書(富山県のHP「とやま統計ワールドhttp://www.pref.toyama.jp/sections/1015/index2.html」に掲載中)の記載にもありますが、
- 平成21年度の日本経済は、平成20年9月のリーマンショック後の急激な景気後退を経て、前半に、輸出や生産、個人消費の下げ止まりや持ち直しの動きが見られ、半ばからは、経済対策の効果や在庫調整の一巡、新興国を始めとする海外景気の改善を背景とした輸出の増加により、持ち直しの動きが続いたものの、自律的な回復には至らず、生産活動水準が低く、雇用情勢に厳しさが続いた状況であったこと
- 富山県経済は、主力産業である製造業において、電気機械、化学、一次金属、一般機械などで大きく生産額が減少したことや、前年度末に石油・石炭製品の事業所の廃止があったこと
によるものと考えているところです。
一方で、私たちは、平成21年度富山県民経済計算を実際に推計する過程で、

- 経済のサービス化・ソフト化が進んだ現在の産業構造に対して、製造業の影響が大きく評価されすぎてはいないか?

- リーマンショックは平成20年度の出来事で、景気の谷も平成21年3月であることから、平成20年度の富山県における経済成長率(県内総生産(名目)の増加率)▲3.9%の倍以上となった平成21年度の経済成長率▲8.9%は、減少幅が大きすぎるものではないか?
といった疑問が生じましたので、同じような印象をお持ちになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。
例年、とやま経済月報において、報告書とは別の切り口で富山県民経済計算の推計結果をご紹介しておりますが、平成21年度富山県民経済計算については、前半部分として、このことに関して取り上げたいと思います。
また、内閣府の平成22年度国民経済計算確報において基準改定が公表されましたが、富山県民経済計算でも、平成22年度推計からは新しい基準に対応した推計方法を用い、推計期間も平成13年度からを再計算の対象とする予定です。このため、平成8年度からを再計算の対象とすることが、平成21年度富山県民経済計算で最後となりますので、後半部分は、平成8年度当時からの富山県の産業構造の変化について、推計結果を用いてご紹介したいと思います。
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