特集

東海と北陸のクロスポイント“おやべ”
―魅力ある21世紀のビジネスステージ―

小矢部市産業建設部企業立地課



1 はじめに


天恵の自然に育まれてきた富山県小矢部市は、家々が点在する散居の集落で名高い砺波平野の扇状地の一角を成しており、今から1200〜1300年程前の天平のいにしえから水運を開く小矢部川が、緩やかに貫流しています。小矢部市はこの小矢部川とともにコシヒカリに代表される米作を主体とする穀倉地帯として発展してきました。また、加賀藩の要衝地として産業、経済、文化等の砺波地方の中心都市として着実に発展し、今日に至っています。



クロスランド・タワー

古来より北陸街道の要衝の地として発展してきた小矢部市ですが、今日では、北陸地方を東西に走る「北陸自動車道」のほか、太平洋側と日本海側を南北で結ぶ「東海北陸自動車道」、そして高岡市、氷見市へと延伸している「能越自動車道」の3つの高速道路が、小矢部市を中心に東西南北へ延びており、北陸の小さい地方都市ではありますが、中京圏をはじめ関東、関西の3大都市圏への高速交通機関の拠点都市としての大きな役割を担うようになっています。まさに、太平洋側と日本海側の経済交流の拠点となり得る魅力を秘める都市であるといえるでしょう。



2 小矢部市の概要(市勢、産業等)


小矢部市というと、国内外の代表的な建築物をモデルにした公共施設がある「メルヘンの街」としてご承知の方もあるかと思いますが、「メルヘンの街」以外の小矢部市についても知っていただきたく、市の概要について紹介します。


本市の人口は3万3千人、世帯数は約1万世帯、面積は134kuと大変コンパクトな市域と言えると思います。


富山県と石川県との県境にあることから、富山県の西の玄関口としての役割を担っています。また、「石川県の県都である金沢市」と「富山県西部の中核都市である高岡市」とのほぼ中間にあり、いずれの中心市街地へも車で30分程度でアクセスすることができます。

主要産業は、時代の変遷とともに変わってきていますが、現在は、輸送用機械関連、スポーツウェア等を始めとする繊維工業、アルミ製品製造や一般機械製造業等が伸展しており、自社独自で研究開発を行い技術力の向上を図り、新素材や新商品の開発に意欲的に取り組む企業が多く立地しているのが特徴です。



また、利水に恵まれていることから農業も大変盛んで、豊かな自然と素朴な人々の手で育てられたコシヒカリ「メルヘン米」をはじめ、タマゴ、バラなどの農産物が特産品となっています。

昨年から、新しい取組みとして若手養鶏家と米農家、農協、市が一体となって、餌に飼料用米を配合して飼育したニワトリのタマゴ「とれたて小矢部たまご」を生産しています。

「バラ」については、本市では年間73万本を出荷しており、県内生産の8割を占めています。



3 小矢部市の企業立地環境の魅力


ここまで、市の概況について述べてきましたが、次に、本稿のテーマでもあります小矢部市の企業立地環境について説明します。


企業が、立地の際に重要視する要件として、「事業用地の価格」、「交通の利便性」、「既存拠点との近接」、そして「労働力の確保」の4点があると思います。


これらの要件について、本市の場合はどうなのかというと、

第1点目の「事業用地の価格」については、現在企業誘致を進めている小矢部インターチェンジ近くの「小矢部フロンティアパーク」の場合、1坪当たりの平均分譲価格は3万5千円ほどと、北陸地方の産業用地の中でも、群を抜く低廉な分譲価格になっています。


次に、「交通の利便性」についてですが、冒頭に「小矢部市は、高速交通網の拠点都市」と紹介したように、本市は東西に北陸自動車道が、南北方向に東海北陸自動車道、そして能越自動車道3つの高速道路がちょうどクロスする「北陸の十字路」の地です。特に、市内を囲むように3つのインターチェンジがあることから、市内のいずれの地へも10分圏内であり、「市内全域が事業拠点として最適地」であるといえます。

 

小矢部砺波ジャンクション

3点目の「既存拠点との近接」については、小矢部市は、中京圏から直線距離にして170kmと少し離れている感がありますが、東海北陸自動車道の終点に位置し、まさに北陸地方と中京圏との経済交流のゲートウェイ機能を有しています。

また、日本海側における国際貿易拠点である伏木富山港とも至近距離にあることから、アジアなど環日本海諸国との交易にも最適の地であるといえます。

一方、万一の災害発生時を想定して、生産、情報管理のバックアップ体制を検討される場合、多少は離れた地であることが望ましいのではないかと思います。


4点目の「労働力の確保」についてですが、人材の確保という面では、市内の居住人口よりも、通勤圏内にどれだけの人口がいるかということが重要であると考えます。

この点、小矢部市の人口は3万3千人ですが、本市は、高岡市、金沢市といった北陸を代表する都市の中間に位置しており、本市の「通勤圏内の人口は100万人、生産年齢人口として50万人」であり、労働力を充分確保できる環境にあるといえます。


以上、本市の立地環境について説明しましたが、市内は、庄川という大河川の扇状地ですので、良質の地下水も豊富にあり、総合的に評価すると、小矢部市は「産業界の三つ星レストラン」であるといえます。



4 北陸を代表する産業団地「小矢部フロンティアパーク」


次に、前述した「小矢部フロンティアパーク」について紹介したいと思います。


この団地は、日本のモノづくりの活性化を促進するための産業用地として、中小企業基盤整備機構が事業主体となり、平成15年度から分譲を開始しています。

現在、県内外の企業8社に進出いただき、その内、東海地方からは3社の企業に立地をいただいています。立地された理由を伺うと、

  • ①災害等のリスク分散を考えて、中京圏から最も近い産業団地である。
  • ②インターチェンジに近く、分譲価格も大変低廉である。
  • ③緑に囲まれたものづくり団地であることから、24時間フル操業ができる。

などの理由を挙げられます。こうした声からも、この団地の魅力の一端を感じていただけると思います。


また、団地内は上下水道はもちろんのこと、市が団地専用の光ケーブル通信回線を整備していますので、操業にあたって必要なインフラはすべて整っています。

加えて、工場立地法の特例工業団地にもなっており、緑地、環境施設や生産施設の整備率について緩和措置がありますので、他の産業団地と比較すると、敷地の有効利用を図ることができるという大きなメリットがあります。

 

小矢部フロンティアパーク全景


5 企業誘致の取組み


魅力ある立地環境を生かすには、積極的な誘致への取組みが重要であるといえ、これまでの市の取組みをいくつか紹介します。


最大のイベントとして、昨年11月に高岡市、氷見市、小矢部市の3市合同で、「おやべ・ひみ・たかおかビジネス交流交歓会2008IN名古屋」と題し、企業立地セミナーを開催しました。

このセミナーへは、中京圏内の企業など約130社240名もの参加があり、3市の市長が各市の優れた立地環境などをアピールし、企業立地を働き掛けました。


また、名古屋、東京、京都で開催された「富山県立地環境説明会」へは、市長が必ず参加し、小矢部市の魅力ある立地環境をPRしました。

そのほか、中小企業基盤整備機構や富山県などと協力し、産業イベントへの参加、JRの特急車両内や、私鉄電車内にポスターの掲示等を行っています。



6 ―新たな飛躍へ向けて―


以上、小矢部市の恵まれた企業立地環境や誘致への取組みなどをご紹介してきましたが、今日の経済情勢は百年に一度と言われるほどの危機に直面しており、国内外では新たな経済のダイナミズムを模索する動きも強まってきていることから、地方自治体の政策も変革すべき時代を迎えているといえます。


こうしたことから、本市では、平成21年度を初年度として「魅力・充実・安心 しあわせ おやべ」を将来像とした「みんなで歩む しあわせ10年計画(新総合計画)」を策定いたしました。この計画の実現に向けて、12の重点プロジェクトを定めていますが、その中で企業立地課として「地域産業の活性化」と「企業立地推進」に向けた施策を積極的に展開し、新たな企業の誘致と既存企業の事業拡大促進に取組み、地域経済の活性化の実現を目指していきます。





小矢部市の新しい シンボルキャラクターです。
よろしくお願いします!
http://www.city.oyabe.toyama.jp/
 

工場を建てるなら
小矢部フロンティアパーク


詳しくは、中小企業基盤整備機構、小矢部市にお問い合わせください。

中小機構富山分室   TEL 076-493-5622
小矢部市企業立地課 TEL 0766-67-1760

団地概要

http://www.smrj.go.jp/sy-navi/area/hokuriku/hokuriku/40oya/index.html



とやま経済月報
平成21年2月号